【恋愛】目覚めたら何故か騎士団長の腕の中でした。まさかの異世界トリップのようです?

梅花

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16話

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「はぁ…」

窓の外、流れる景色を目で追うと、タメ息が自然に漏れた。
一軒一軒が広い。
元居た世界の一軒家など、比べ物にならないくらいの豪邸が建ち並ぶ。
その街並みを見ていると、暫くして様子が変わった。
可愛らしい建物が増え、建物と建物の間が狭まる。
そして馬車がゆっくりと止まった。

「ミナミ、シルヴィア」

ベルゴッドが扉を開けて手を差し出してきたのを見てからシルヴィアを見ると先にどうぞと頷かれた。
長いスカートを捌くのは苦手で、無意識に裾を踏んでしまい危ないと思った瞬間前に倒れ込んだ所をベルゴッドに抱き止められた。

「ご、ごめんなさい」

ぴったりと触れる上半身。

「いや、そのまま力を抜いてくれ、下ろしてやる」

ふわりと浮いた身体。
子供がされるように腰に腕を回されて、直ぐに足がついた。

「ありがとうございます……」

「お兄様、にやけていましてよ?」

シルヴィアの声に振り向くと、ベルゴッドがシルヴィアを馬車からおろしているところだった。
兄弟だと知らなければ、凄く綺麗なふたりはお似合いの恋人にも見える。
羨ましいななどと意味のわからない感想を抱きながらシルヴィアを待った。

「ミナミ、先ずは服ね?既成のお店だけど品物は悪くないわ。
オーダーには時間がかかるから、それまでは既成のもので我慢して」

扉の前には人が立っていて、ベルゴッドたちを見ると、ゆっくり扉を開けてくれた。

「凄い」

飛び込んでくる色彩の渦。

「ミナミ、先ずは簡単に採寸してから選びましょうね?」

ぐいぐいとシルヴィアに店の奥に押し込まれると、数人の女性に囲まれてシルヴィアに借りていた服を脱がされる。
悲鳴を上げる暇もない速業で。
そして、下着1枚にされると採寸が始まった。

「じゃあ、これで騎士団の内勤用の服を…まずは3着ずつね、大至急。
それと、それに似た既成の服を2着包んで?支払いは兄のベルゴッドがするわ。
私服もサイズに合ったものを何着か。
ミナミ、何色が好き?貴女は色白だから何でも似合うわね…青か緑…オレンジとかも似合いそうだわ」

シルヴィアの声に、採寸をしていた女性たちはわらわらと部屋を出て似合いそうな服を選んでくる。
女性達が持ってきたのはどうみても既成とは言えない服ばかり。
それはそうだ。
自分の感覚で言うと既成は全て機械で裁断、縫製するイメージだが、この世界ではどうだろう。
シルヴィアの服を見てもチュニックやハーフパンツ等無さそうなのだ。
いや、それが騎士だからなのかもしれないが。
市民の着る服はどんなものなのだろう。
それで、いいのだけど。

「シルヴィア……あの、もっと簡素な服でいいんだけど……着るのが簡単なやつ……」

そう耳打ちをすると、シルヴィアがクスクスと笑った。
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