25 / 81
25話
しおりを挟む
「ふぅ……」
美南は大きく息を吐き出してからシャワーのコックを捻った。
ポタポタとお湯が落ちて漸く止まると借りたタオルで髪の水気を拭う。
お風呂に入りたい……。
独り暮らしの時も入れるときにはバスタブにお湯をはって身体を沈めたのだが、こちらの世界には入浴という概念が無い。
いや、無いわけではないのだけれど、シャワー文化らしくシャワーで済ませてしまうらしい。
立ち仕事が多いと足が浮腫まないのかなぁ。そんなことを考えながら美南は身体にバスタオルを巻いた。
疲れが抜けないように感じるのは何でだろうか。
このくらいの業務は普通にこなせていた筈なのに。
そう、思いながら着替えをして髪を拭きながらバスルームを出た。
「ベルゴッドさん?」
紅茶でも飲もうかとキッチンへ向かおうとして、まだベルゴッドが執務室の椅子に座っているのに気付く。
「あぁ、美南か……シャワーの使い方はわかったか?」
「はい、ひとりでできました」
「そうか……髪を拭いてやろうか?」
「大丈夫ですよ、紅茶飲みますか?飲むならいれますけど」
風呂上がりだから、冷たい飲み物が欲しいと思いながら、ティーポットを用意する。
「ベルゴッドさん、氷とか欲しいときはどうしたらいいですか?」
「氷か?厨房へ行けば分けてくれると思うが」
「あ、じゃあ行ってきます!」
「ちょっと待て、その格好でか?俺が行ってくるどのくらい必要だ?」
「グラスに詰めるくらいあれば大丈夫です」
「わかった、いいかその格好で部屋から外には出るな」
立ち上がったベルゴッドは、そう言い残して部屋を出ていく。
美南は首を傾げながらお湯が沸騰するのを待った。
お湯が沸騰してから、美南はお気に入りのピーチティーを少し濃いめに作る。
アイスピーチティーが一番好きなのだ。
色を見てから茶葉を除き、ベルゴッドが持ってきてくれる氷を使って冷たいのを飲みたいとグラスを用意して待っていた。
「貰ってきたぞ?」
「ありがとうございます」
あまり待たずに戻ってきたベルゴッドの手には、かなりの量のクラッシュアイスが入ったアイスペール。
「これをどうするんだ?」
「グラスに入れてから、濃いめに作った紅茶を注いで飲むのですよ」
「紅茶を冷たくするのか?」
「はい」
アイスペールを受けとると、トングを使ってグラスいっぱいに氷を入れるとゆっくりと紅茶を注ぐ。
「口に合うかわかりませんが、飲んでみますか?」
「じゃあ、せっかくだからいただく」
美南が差し出したグラスを受け取りつつ、ベルゴッドは残った氷を別のグラスに詰めていく。
「あっちで一緒に飲もうか」
そうソファーに促されて美南は自分のグラスを持ってソファーに移動する。
マドラーで回すとカランと鳴った氷がとても美味しそうに見えた。
美南は大きく息を吐き出してからシャワーのコックを捻った。
ポタポタとお湯が落ちて漸く止まると借りたタオルで髪の水気を拭う。
お風呂に入りたい……。
独り暮らしの時も入れるときにはバスタブにお湯をはって身体を沈めたのだが、こちらの世界には入浴という概念が無い。
いや、無いわけではないのだけれど、シャワー文化らしくシャワーで済ませてしまうらしい。
立ち仕事が多いと足が浮腫まないのかなぁ。そんなことを考えながら美南は身体にバスタオルを巻いた。
疲れが抜けないように感じるのは何でだろうか。
このくらいの業務は普通にこなせていた筈なのに。
そう、思いながら着替えをして髪を拭きながらバスルームを出た。
「ベルゴッドさん?」
紅茶でも飲もうかとキッチンへ向かおうとして、まだベルゴッドが執務室の椅子に座っているのに気付く。
「あぁ、美南か……シャワーの使い方はわかったか?」
「はい、ひとりでできました」
「そうか……髪を拭いてやろうか?」
「大丈夫ですよ、紅茶飲みますか?飲むならいれますけど」
風呂上がりだから、冷たい飲み物が欲しいと思いながら、ティーポットを用意する。
「ベルゴッドさん、氷とか欲しいときはどうしたらいいですか?」
「氷か?厨房へ行けば分けてくれると思うが」
「あ、じゃあ行ってきます!」
「ちょっと待て、その格好でか?俺が行ってくるどのくらい必要だ?」
「グラスに詰めるくらいあれば大丈夫です」
「わかった、いいかその格好で部屋から外には出るな」
立ち上がったベルゴッドは、そう言い残して部屋を出ていく。
美南は首を傾げながらお湯が沸騰するのを待った。
お湯が沸騰してから、美南はお気に入りのピーチティーを少し濃いめに作る。
アイスピーチティーが一番好きなのだ。
色を見てから茶葉を除き、ベルゴッドが持ってきてくれる氷を使って冷たいのを飲みたいとグラスを用意して待っていた。
「貰ってきたぞ?」
「ありがとうございます」
あまり待たずに戻ってきたベルゴッドの手には、かなりの量のクラッシュアイスが入ったアイスペール。
「これをどうするんだ?」
「グラスに入れてから、濃いめに作った紅茶を注いで飲むのですよ」
「紅茶を冷たくするのか?」
「はい」
アイスペールを受けとると、トングを使ってグラスいっぱいに氷を入れるとゆっくりと紅茶を注ぐ。
「口に合うかわかりませんが、飲んでみますか?」
「じゃあ、せっかくだからいただく」
美南が差し出したグラスを受け取りつつ、ベルゴッドは残った氷を別のグラスに詰めていく。
「あっちで一緒に飲もうか」
そうソファーに促されて美南は自分のグラスを持ってソファーに移動する。
マドラーで回すとカランと鳴った氷がとても美味しそうに見えた。
94
あなたにおすすめの小説
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。
カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」
なんで?!
家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。
自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。
黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。
しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。
10人に1人いるかないかの貴重な女性。
小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。
それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。
独特な美醜。
やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。
じれったい恋物語。
登場人物、割と少なめ(作者比)
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
碧眼の小鳥は騎士団長に愛される
狭山雪菜
恋愛
アリカ・シュワルツは、この春社交界デビューを果たした18歳のシュワルツ公爵家の長女だ。
社交会デビューの時に知り合ったユルア・ムーゲル公爵令嬢のお茶会で仮面舞踏会に誘われ、参加する事に決めた。
しかし、そこで会ったのは…?
全編甘々を目指してます。
この作品は「アルファポリス」にも掲載しております。
男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
百門一新
恋愛
男装の獣師ラビィは『黒大狼のノエル』と暮らしている。彼は、普通の人間には見えない『妖獣』というモノだった。動物と話せる能力を持っている彼女は、幼馴染で副隊長セドリックの兄、総隊長のせいで第三騎士団の専属獣師になることに…!?
「ノエルが他の人にも見えるようになる……?」
総隊長の話を聞いて行動を開始したところ、新たな妖獣との出会いも!
そろそろ我慢もぷっつんしそうな幼馴染の副隊長と、じゃじゃ馬でやんちゃすぎるチビ獣師のラブ。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ」「カクヨム」にも掲載しています。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる