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38話
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「そんなに、距離があるのか?」
ベルゴッドは衝撃を受けたように立ち止まる。
いつも優しいその表情が凍りついて見えた。
「私とベルゴッド様の関係は上司と部下、もしくは雇用者と被雇用者でしょうか?本来なら並んで歩いていい関係では無いのではありませんか?
この国の民でない私に働き口をくださり、優しくしてくださるのは嬉しいですし感謝しかありません」
歩き出すとベルゴッド様はゆっくりとついてくる。
足音が聞こえないのはこの石畳の上でも騎士の足捌きをするからだろう。
「出会いはあの日からですが、きっと私たちには何もなかった……そういう事にしませんか?」
くるりと振り向いた直ぐ後ろにベルゴッドは居て、一瞬ぶつかりそうになるのを受け止められた。
「すみません」
「いや、ミナミこっちだ。この店が美味い」
そのまま腰を抱かれてベルゴッドが示した店に入る。
そこは隠れ家的な店だった。
店には何組かお客がいて、その隙間を縫い空いている席を探して椅子を引く。
「ミナミここに」
「ありがとうございます」
「この店は食べるのにマナーが必要ない」
それを聞いて美南はホッとした。
学生の時に学んだため、テーブルマナーの知識はあるつもりだが、それが通用するか美南にはわからない。
だから、それを聞いてホッとした。
今まで食事をしてきてベルゴッドの所作は確かに美しい。
向かい合うようにではなく、丸いテーブルに並ぶようにして座り、店員が運んできたメニューを見る。
「お任せでパスタを」
「俺は肉がいいな。ハンバーグとバゲットを」
店員に注文をするとベルゴッドは小さく笑った。
「シルヴィアを連れてきた事があるが、あいつはメニューを選ぶのに凄く時間がかかった。ミナミは即断即決だな見ていて気持ちがいい」
「私も悩む時はありますよ?考えて考えて……で、結局最初に戻ってしまったりするのですが。でも、食べる事には即断即決ですね……その時に食べたいものを食べるのが幸せじゃないですか?」
「そうだな、苦手なものよりは好きなものを食べたいな。飲み物はどうする?」
「お水で大丈夫です。ベルゴッド様はお酒でも大丈夫ですよ?」
「いや、俺も水でいい」
グラスに注がれた水を飲むベルゴッドの喉仏が動くのを見て、美南はドキリとした。
見た目からすると、本当にベルゴッドは美南のストライクゾーンど真ん中なのだ。
きりっとした男らしい顔立ちに、筋肉質のがっしりとした体躯。
穏やかな低い声。
「遠慮されずにどうぞ?周りの皆さんも飲んでる……ですよね?」
周囲のお客が手にするのはワイングラスだろう。
中に注がれているのは深い赤の液体だった。
「あれは葡萄のジュースだ。ここの店主が実家のワイナリーから葡萄酒とジュースとを買い付けて販売しているんだ。グラスの形が違うのはこっちはジュースでこっちは葡萄酒。他にもジュースや果実水など色々あるから頼んでみるのもいい」
ベルゴッドからメニュー表を貰うが美南はそのままそっと端に避ける。
「今度、夜に来てみようと思います」
流石に昼から酒を口にするほど美南は酒豪ではない。
夜にはまた違う風景が見られるのではないかなと、美南はわくわくしていた。
ベルゴッドは衝撃を受けたように立ち止まる。
いつも優しいその表情が凍りついて見えた。
「私とベルゴッド様の関係は上司と部下、もしくは雇用者と被雇用者でしょうか?本来なら並んで歩いていい関係では無いのではありませんか?
この国の民でない私に働き口をくださり、優しくしてくださるのは嬉しいですし感謝しかありません」
歩き出すとベルゴッド様はゆっくりとついてくる。
足音が聞こえないのはこの石畳の上でも騎士の足捌きをするからだろう。
「出会いはあの日からですが、きっと私たちには何もなかった……そういう事にしませんか?」
くるりと振り向いた直ぐ後ろにベルゴッドは居て、一瞬ぶつかりそうになるのを受け止められた。
「すみません」
「いや、ミナミこっちだ。この店が美味い」
そのまま腰を抱かれてベルゴッドが示した店に入る。
そこは隠れ家的な店だった。
店には何組かお客がいて、その隙間を縫い空いている席を探して椅子を引く。
「ミナミここに」
「ありがとうございます」
「この店は食べるのにマナーが必要ない」
それを聞いて美南はホッとした。
学生の時に学んだため、テーブルマナーの知識はあるつもりだが、それが通用するか美南にはわからない。
だから、それを聞いてホッとした。
今まで食事をしてきてベルゴッドの所作は確かに美しい。
向かい合うようにではなく、丸いテーブルに並ぶようにして座り、店員が運んできたメニューを見る。
「お任せでパスタを」
「俺は肉がいいな。ハンバーグとバゲットを」
店員に注文をするとベルゴッドは小さく笑った。
「シルヴィアを連れてきた事があるが、あいつはメニューを選ぶのに凄く時間がかかった。ミナミは即断即決だな見ていて気持ちがいい」
「私も悩む時はありますよ?考えて考えて……で、結局最初に戻ってしまったりするのですが。でも、食べる事には即断即決ですね……その時に食べたいものを食べるのが幸せじゃないですか?」
「そうだな、苦手なものよりは好きなものを食べたいな。飲み物はどうする?」
「お水で大丈夫です。ベルゴッド様はお酒でも大丈夫ですよ?」
「いや、俺も水でいい」
グラスに注がれた水を飲むベルゴッドの喉仏が動くのを見て、美南はドキリとした。
見た目からすると、本当にベルゴッドは美南のストライクゾーンど真ん中なのだ。
きりっとした男らしい顔立ちに、筋肉質のがっしりとした体躯。
穏やかな低い声。
「遠慮されずにどうぞ?周りの皆さんも飲んでる……ですよね?」
周囲のお客が手にするのはワイングラスだろう。
中に注がれているのは深い赤の液体だった。
「あれは葡萄のジュースだ。ここの店主が実家のワイナリーから葡萄酒とジュースとを買い付けて販売しているんだ。グラスの形が違うのはこっちはジュースでこっちは葡萄酒。他にもジュースや果実水など色々あるから頼んでみるのもいい」
ベルゴッドからメニュー表を貰うが美南はそのままそっと端に避ける。
「今度、夜に来てみようと思います」
流石に昼から酒を口にするほど美南は酒豪ではない。
夜にはまた違う風景が見られるのではないかなと、美南はわくわくしていた。
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