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71話
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頭の先から爪先まで丹念に洗い上げられてぐったりしながら、美南は湯船に浸かった。
もう恥ずかしいとすら思わない。
貴族の令嬢も大変だなと思いながら天井を見上げて息を吐き出した。
天井には空に天使が飛んでいる。
「はぁ……」
身体があたたまり汗が流れると、美南は湯から上がる。
ポタポタと落ちたお湯が硅藻土だろうか、床にじんわり広がり消えていく。
「お出になられましたか?ではこちらへ」
再び美南は長椅子に仰向けにされて今度は全身パックをしながら髪を乾かしつつあたたまった身体をクールダウンさせていった。
他人の手が入るのはとても気持ちがいい。
わかってはいるのだけれど、羞恥もある。
「ではこの後は軽いお食事と、その後にお着替えを」
「わかりました」
と、言うが食事をした後にはコルセットで締められるのだろう。
軽い食事にしておこうと思ったら、それを見越してか用意されていたのはサンドイッチだった。
「本来であれば食堂で皆と食べるのだけれど、ごめんなさいとシルヴィア様よりご伝言が」
「ありがとうございます、大丈夫です」
シルヴィアの誕生日パーティーなのだから、一番大変なのはシルヴィアだろう。
「少しの間お食事をゆっくりととってくださいませ、頃合いを見てまた参ります」
そう言って下がってくれたメイドさんたち。
用意してくれた食事は窓際のテーブルの上だった。
それを摘み、少し食べたが緊張のためか上手く食べることができず、添えられたオレンジジュースを飲み干して後はメイドを待った。
半刻ほど経ってから戻ってきたメイドは、美南に化粧を施しコルセットを絞めてから二枚のドレスを運び入れた。
一枚は落ち着いた少しくすみのあるオレンジ、もう一枚は深い藍。
正反対の色である。
「こちらを」
美南が選んだのは藍。
オレンジは落ち着いたオレンジではあったが、美南の目には愛らしく見えるデザインだったのだ。
藍は背中が腰の辺りまで開いてはいたが、美南はショールを持っていたため、それを肩から掛ければ背中は隠れるだろうと安易な考えで決めたのだった。
「ミナミ様、こちらを」
髪を結い上げられた後、差し出された箱の中身は小さめな真珠の粒で繋がれたロングネックレスだった。
「え、これは私のものではありません」
「ベルゴッドさまよりの贈り物です」
「是非、こちらのドレスを選ばれた時にはこちらを付けるようにと言われておりまして」
「じ、じゃあオレンジのドレスに……」
「でしたら、こちらのルビーのネックレスを」
どちらを選んでも高い貴金属がついてくる。
それならば、真珠の方がまだ手頃だろう。
シルヴィアに髪飾りも貰ったからと美南は安易に真珠を選んでしまったのだが……
この世界では養殖されていない真珠は稀に手に入るもので、鉱石よりもかなり高いものだと知ったのは後からだった。
もう恥ずかしいとすら思わない。
貴族の令嬢も大変だなと思いながら天井を見上げて息を吐き出した。
天井には空に天使が飛んでいる。
「はぁ……」
身体があたたまり汗が流れると、美南は湯から上がる。
ポタポタと落ちたお湯が硅藻土だろうか、床にじんわり広がり消えていく。
「お出になられましたか?ではこちらへ」
再び美南は長椅子に仰向けにされて今度は全身パックをしながら髪を乾かしつつあたたまった身体をクールダウンさせていった。
他人の手が入るのはとても気持ちがいい。
わかってはいるのだけれど、羞恥もある。
「ではこの後は軽いお食事と、その後にお着替えを」
「わかりました」
と、言うが食事をした後にはコルセットで締められるのだろう。
軽い食事にしておこうと思ったら、それを見越してか用意されていたのはサンドイッチだった。
「本来であれば食堂で皆と食べるのだけれど、ごめんなさいとシルヴィア様よりご伝言が」
「ありがとうございます、大丈夫です」
シルヴィアの誕生日パーティーなのだから、一番大変なのはシルヴィアだろう。
「少しの間お食事をゆっくりととってくださいませ、頃合いを見てまた参ります」
そう言って下がってくれたメイドさんたち。
用意してくれた食事は窓際のテーブルの上だった。
それを摘み、少し食べたが緊張のためか上手く食べることができず、添えられたオレンジジュースを飲み干して後はメイドを待った。
半刻ほど経ってから戻ってきたメイドは、美南に化粧を施しコルセットを絞めてから二枚のドレスを運び入れた。
一枚は落ち着いた少しくすみのあるオレンジ、もう一枚は深い藍。
正反対の色である。
「こちらを」
美南が選んだのは藍。
オレンジは落ち着いたオレンジではあったが、美南の目には愛らしく見えるデザインだったのだ。
藍は背中が腰の辺りまで開いてはいたが、美南はショールを持っていたため、それを肩から掛ければ背中は隠れるだろうと安易な考えで決めたのだった。
「ミナミ様、こちらを」
髪を結い上げられた後、差し出された箱の中身は小さめな真珠の粒で繋がれたロングネックレスだった。
「え、これは私のものではありません」
「ベルゴッドさまよりの贈り物です」
「是非、こちらのドレスを選ばれた時にはこちらを付けるようにと言われておりまして」
「じ、じゃあオレンジのドレスに……」
「でしたら、こちらのルビーのネックレスを」
どちらを選んでも高い貴金属がついてくる。
それならば、真珠の方がまだ手頃だろう。
シルヴィアに髪飾りも貰ったからと美南は安易に真珠を選んでしまったのだが……
この世界では養殖されていない真珠は稀に手に入るもので、鉱石よりもかなり高いものだと知ったのは後からだった。
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