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5.婚約破棄まで、あと5秒
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(もしかして僕はリアさんが主人公の物語の脇役、…いや悪役なのか?だとすると、あの映像も説明がつく…。あれは物語のラストで断罪されているということなのでは?だからって、浮気されて婚約破棄の挙句の果てのこの結末は流石に納得いかない…!)
その時、ウィリアムがジェーンを呼ぶ声がした。
色気がありながらも、澄んだ美しい声だ。
「ジェーン・アンテノール、いるか?」
「はい、ジェーンはここにおります。殿下、ご機嫌麗しゅうございます」
ジェーンはボウ・アンド・スクレープでウィリアムに応える。
気高く、優雅に。
そして動揺する心の内は決して悟られないように。
ウィリアムはジェーンの姿を見つけると、意地の悪い笑みを浮かべた。
その隣には不安げなリアがぴったりと寄り添っている。
そんな2人を守るようにして、近侍たちが側に立っている。
(彼らは僕に婚約破棄を申し出ることを分かっている。堅物で面白みと愛想に欠けている婚約者を皆の前で無様に追放するのはさぞ気分が良いだろうな…)
ジェーンのウィリアムに対する恋心は急速に冷めていく。
幼き日の憧れとはいえ、1度でもこんなクズ浮気野郎を恋い慕っていたことに恥すら感じていた。
ウィリアムがジェーンの人生を大きく揺るがすその言葉を紡ぐために口を動かす。
婚約破棄まで、あと5秒しか残っていない。
その時、ウィリアムがジェーンを呼ぶ声がした。
色気がありながらも、澄んだ美しい声だ。
「ジェーン・アンテノール、いるか?」
「はい、ジェーンはここにおります。殿下、ご機嫌麗しゅうございます」
ジェーンはボウ・アンド・スクレープでウィリアムに応える。
気高く、優雅に。
そして動揺する心の内は決して悟られないように。
ウィリアムはジェーンの姿を見つけると、意地の悪い笑みを浮かべた。
その隣には不安げなリアがぴったりと寄り添っている。
そんな2人を守るようにして、近侍たちが側に立っている。
(彼らは僕に婚約破棄を申し出ることを分かっている。堅物で面白みと愛想に欠けている婚約者を皆の前で無様に追放するのはさぞ気分が良いだろうな…)
ジェーンのウィリアムに対する恋心は急速に冷めていく。
幼き日の憧れとはいえ、1度でもこんなクズ浮気野郎を恋い慕っていたことに恥すら感じていた。
ウィリアムがジェーンの人生を大きく揺るがすその言葉を紡ぐために口を動かす。
婚約破棄まで、あと5秒しか残っていない。
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