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後日譚(なれそめ&初夜編)
6.胸の高鳴り
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ジェーンは優しげな雰囲気を醸し出すクリーム色のスリーピースのスーツを、カーティスはライトグレーのスーツと胸元まで大きく開いた派手な色合いのシャツを着用している。
王様らしさはまるでないものの、パワフルで陽気で堅苦しいことを嫌う彼の人柄をよく表している。
「ジェーンはスーツも似合うな!」
「カーティス様の方がよくお似合いですよ?」
「そうか?ジェーンに褒められるとお世辞でも嬉しいな!」
「いえっ!お世辞などでは…」
にこにこと笑うカーティスは男らしい色気に溢れていて、ジェーンはそんな彼に見つめられて恥ずかしくなり、足元に視線を逸らした。
カーティスを前にすると、ジェーンはときめきが止まらない。
だからいつも伝えたいことの半分すらも言えなくなってしまう。
(本当にカッコいいと思っているんだけど…。何だか伝わってなさそうだなぁ…)
こういう時ばかりはカーティスへの胸の高鳴りを憎らしく感じる。
「それじゃあ行くか!」
「はい」
会場であるホールに到着すると、大勢の人たちが集まっていた。
国王夫妻の登場に皆が惜しみない拍手で迎えてくれる。
式典が始まると、スピーチやオーケストラの演奏、歌手によるリサイタルなど予定されていたプログラムは滞りなく進んでいく。
王様らしさはまるでないものの、パワフルで陽気で堅苦しいことを嫌う彼の人柄をよく表している。
「ジェーンはスーツも似合うな!」
「カーティス様の方がよくお似合いですよ?」
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「いえっ!お世辞などでは…」
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