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第8章 波乱と因縁の建国祭
第494話 メストの怒りと後悔
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ティアーヌがカルミアの相手をしている頃、レクシャ達は入口で待っていたメストと合流した。
そして、フリージア救出とノルベルト打倒に向けてコロッセオの中へと入って行った。
「《アイスアロー》!!」
レクシャ達の前を行くメストは、襲いくる騎士達を氷漬けにして道を切り開く。
それをすぐ後ろで見ていたシトリンは、思わず顔を引き攣らせる。
「うわ~、本気で怒ったメスト、本当に怖っ!」
「そうですね。ここまで本気で怒っているメスト様、初めて見たかもしれません」
そう言って、シトリンのすぐ後ろにいたカトレアは、メストに魔力供給をしつつ、本気で怒っている彼に恐怖を覚えていた。
すると、リュシアンやロスペルと殿を務めていたメストの父ヴィルマンが突然、息子の隣に駆け寄った。
「おい、メスト。少しはペースを落としてはどうか? このままでは、お前の身が持たないぞ」
(お前が何に対して怒っているのかは分かっている。だが、それを今発散させる場合じゃないだろうが)
ディロイスは分かっていた。
仏頂面であるが、誰に対しても誠実で温厚である息子が記憶を取り戻して、孤軍奮闘している大切な人が本当の婚約者だと知ったことで、ノルベルトや自分に対しての怒りに燃えていたことを。
そんな息子のこと思い、強い口調で息子を諭したディロイスに、周囲を見渡したメストがアイスブルーの瞳を据わせたまま隣にいる父に目を向ける。
「父上、ご心配していただき感謝します。ですが、孤軍奮闘で戦っているフリージアのためにも、一刻も早くいかねばならないのです」
「だが、そのペースだとフリージアのもとに行く前にお前が……」
「ご心配なく。私の魔力は、常にカトレア嬢が供給してくれていますし、万が一には私も魔力ポーションを持ってきているので、それを使って魔力の回復をします」
そう言って、懐からポーションを取り出すメストに、ディロイスは諦めのため息をついた。
「そうか。だが、今でも魔力供給をしているカトレア嬢のことを考え、くれぐれも無理はするな」
「分かっています、父上。フリージアのもとに行くまでは倒れるわけにはいきませんから」
「……そうだな」
視線を戻した息子が、襲い掛かってきた騎士達に無数の氷の矢を放って一気に戦線離脱させる姿を見て、再びため息をついたディロイスはカトレア達のところにきた。
「ヴィルマン侯爵様」
「カトレア嬢、すまない。君や息子のことを考えて止めようとしたのだが……どうやら、今の息子には私の言葉は届かなかったようだ」
酷く落ち込んだディロイスが謝ると、カトレアは小さく首を振る。
「仕方ありません。メスト様はフリージアのことを心から愛しているのですから」
「そうですよ。それに、記憶を思い出した直後に『婚約者が危機に瀕している』なんて話を聞いたら、僕だって罪悪感と怒りからメストと同じことをするかもしれません」
「そうか……まぁ、そうかもしれないな」
カトレアとシトリンの話を聞いたディロイスは、やるせない気持ちで息子に目を向けると持ち場に戻った。
そして、その息子はというと、記憶を取り戻したことで生まれた罪悪感と、馬車の中で聞いた話で生まれた怒りに支配されていた。
(どうして、どうして俺は、心から愛した人のことを勘違いしていたんだ!)
メストだって分かっていた。婚約者を勘違いさせたのは、全てノルベルトのせいだということを。
それでも、平民として生活していたフリージアのことや、偽りの婚約者がいるメストをフリージアがどう思っていたのかと考えると、彼女に対しての罪悪感と、ノルベルトや自分自身に対して怒りで頭がおかしくなりそうだった。
「俺の好きな人は……俺が好きなった人はフリージア、ただ1人だけなのに!!」
次々と騎士達を氷漬けにしていくメストは、フリージアと初めて出会った時のことを思い返した。
そして、フリージア救出とノルベルト打倒に向けてコロッセオの中へと入って行った。
「《アイスアロー》!!」
レクシャ達の前を行くメストは、襲いくる騎士達を氷漬けにして道を切り開く。
それをすぐ後ろで見ていたシトリンは、思わず顔を引き攣らせる。
「うわ~、本気で怒ったメスト、本当に怖っ!」
「そうですね。ここまで本気で怒っているメスト様、初めて見たかもしれません」
そう言って、シトリンのすぐ後ろにいたカトレアは、メストに魔力供給をしつつ、本気で怒っている彼に恐怖を覚えていた。
すると、リュシアンやロスペルと殿を務めていたメストの父ヴィルマンが突然、息子の隣に駆け寄った。
「おい、メスト。少しはペースを落としてはどうか? このままでは、お前の身が持たないぞ」
(お前が何に対して怒っているのかは分かっている。だが、それを今発散させる場合じゃないだろうが)
ディロイスは分かっていた。
仏頂面であるが、誰に対しても誠実で温厚である息子が記憶を取り戻して、孤軍奮闘している大切な人が本当の婚約者だと知ったことで、ノルベルトや自分に対しての怒りに燃えていたことを。
そんな息子のこと思い、強い口調で息子を諭したディロイスに、周囲を見渡したメストがアイスブルーの瞳を据わせたまま隣にいる父に目を向ける。
「父上、ご心配していただき感謝します。ですが、孤軍奮闘で戦っているフリージアのためにも、一刻も早くいかねばならないのです」
「だが、そのペースだとフリージアのもとに行く前にお前が……」
「ご心配なく。私の魔力は、常にカトレア嬢が供給してくれていますし、万が一には私も魔力ポーションを持ってきているので、それを使って魔力の回復をします」
そう言って、懐からポーションを取り出すメストに、ディロイスは諦めのため息をついた。
「そうか。だが、今でも魔力供給をしているカトレア嬢のことを考え、くれぐれも無理はするな」
「分かっています、父上。フリージアのもとに行くまでは倒れるわけにはいきませんから」
「……そうだな」
視線を戻した息子が、襲い掛かってきた騎士達に無数の氷の矢を放って一気に戦線離脱させる姿を見て、再びため息をついたディロイスはカトレア達のところにきた。
「ヴィルマン侯爵様」
「カトレア嬢、すまない。君や息子のことを考えて止めようとしたのだが……どうやら、今の息子には私の言葉は届かなかったようだ」
酷く落ち込んだディロイスが謝ると、カトレアは小さく首を振る。
「仕方ありません。メスト様はフリージアのことを心から愛しているのですから」
「そうですよ。それに、記憶を思い出した直後に『婚約者が危機に瀕している』なんて話を聞いたら、僕だって罪悪感と怒りからメストと同じことをするかもしれません」
「そうか……まぁ、そうかもしれないな」
カトレアとシトリンの話を聞いたディロイスは、やるせない気持ちで息子に目を向けると持ち場に戻った。
そして、その息子はというと、記憶を取り戻したことで生まれた罪悪感と、馬車の中で聞いた話で生まれた怒りに支配されていた。
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メストだって分かっていた。婚約者を勘違いさせたのは、全てノルベルトのせいだということを。
それでも、平民として生活していたフリージアのことや、偽りの婚約者がいるメストをフリージアがどう思っていたのかと考えると、彼女に対しての罪悪感と、ノルベルトや自分自身に対して怒りで頭がおかしくなりそうだった。
「俺の好きな人は……俺が好きなった人はフリージア、ただ1人だけなのに!!」
次々と騎士達を氷漬けにしていくメストは、フリージアと初めて出会った時のことを思い返した。
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