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第8章 波乱と因縁の建国祭
第511話 追い詰められるリュシアン
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――時は、少し前に遡る。
「チッ、強いとはいえ、所詮は傀儡。本当、使えない奴らだ!」
騎士達や宮廷魔法師達、貴族達がたった4人の騎士と魔法師によって倒されていく様を横目で見たノルベルトは、眉を顰めながら愚痴を零す。
(このままでは世界征服をする前に、駒が無くなるではないか!)
「オラオラ! よそ見している暇はあるんですか!?」
「クソッ!」
銀色の大剣を振り回し、よそ見をする隙を与えないリュシアンに、舌打ちをしたノルベルトは彼から距離をとると手を翳す。
「《ロックバインド》!」
リュシアンの足元に地面に魔法陣を展開したノルベルトは、リュシアンを岩で出来た大きな縄で縛ろうとした。
「ハッ、こんなの、俺の魔法の前では大したことねぇな!」
だが、岩の縄が襲ってきても笑みを崩さないリュシアンは、大剣に透明の魔力を纏わせると、そのまま横に大きく振りかぶる。
その瞬間、リュシアンを縛ろうとした岩の縄が跡形もなく無くなった。
「やはり、この程度の魔法では倒せないか」
悔しげに顔を歪めるノルベルトに、大剣を担いだリュシアンが挑発する。
「当たり前だろ。俺は、父さんと同じ『死神』の力を持つ男! だがら、お前が使うへなちょこ魔法なんざ、あっさり無効化出来んだよ!」
「へ、へなちょこ魔法だと!?」
(神と同じ力を持つ俺の魔法が、へなちょこ魔法だと!?)
「そうだ、お前の魔法なんざ、俺の知ってる魔法師に比べたら、へなちょこだ、へなちょこ!!」
「き、貴様――!!」
(そう、『天才魔法師』の弟が扱う魔法に比べたら、奴の魔法なんざ比べるまでもねぇ)
ロスペルが魔法を極め始めてから、リュシアンは事あるごとにロスペルの魔法鍛錬に付き合っていた。
とは言っても、ロスペルが放った魔法を無効化魔法で打ち消すというだけだが……『天才魔法師』と呼ばれる弟との鍛錬は、回を増す毎に過酷になっていった。
時には、リュシアンの無効化魔法でもギリギリ打ち消せた時もあった。
しかし、その厳しい鍛錬のお陰で荒削りだったリュシアンの無効化魔法が洗練された。
結果として弟との鍛錬は、リュシアンに良い影響を与えたのだ。
「さて、そろそろここで終いとしようか? ノルベルト・インベック」
(俺たちから奪ったもの、全てを返して貰うぞ!)
笑みを浮かべつつも、静かに憤怒の炎を燃やすリュシアンに、悔しげに唇を噛むノルベルト。
すると、何かを見つけたノルベルトが、唐突に余裕の笑みを浮かべる。
「ハッ、世界の王になるこの俺が、ここで終わるわけねぇだろうが!」
「は?」
(何を言っている? お前の駒はロスペル達によって全員倒されて……)
ノルベルトの不気味な笑みに、リュシアンが眉を顰めたその時、空から殺気を感じたリュシアンが咄嗟に空に向かって大剣を構える。
その瞬間、背後から殺気を感じた。
「嘘だろっ!?」
上空に構えていた大剣をすぐさま背後に変えた時、リュシアンの背中に突き上げるような激しい痛みが走る。
「うぐっ!」
呻き声を上げた瞬間、リュシアンの大きな体が吹っ飛んだ。
「がはっ!」
(何が起きた? 上空に殺気を感じた瞬間、背後に殺気を感じたから咄嗟に構えたはず!)
何が起きたか分からず、地べたに倒れ込んだリュシアンの顔を歪める姿を見て、ノルベルトが愉悦の嗤い声を上げる。
「ギャハハハハハ! 死神の血を受け継いでいるとはいえ、この程度の攻撃も無効化出来ぬとは!」
「っ!」
(クソッ、言わせておけば!)
下から聞こえるノルベルトの高笑いに、リュシアンが眉を顰めた時、リュシアンの真横から強い殺気を放たれる。
「休ませてもくれねぇのかよ!」
肌を刺すような凄まじい殺気に、俊敏な動きで立ち上がったリュシアンが大剣を構える。
その時、リュシアンの前に黒い外套を纏い、フードを深く被った細身の男が現れ、持っていた短剣でリュシアンに斬りかかる。
(マズイ!)
咄嗟に受け身をとったリュシアンの大剣に、重い衝撃が伝わる。
「うぐっ!」
(なんだこいつ、俺より遥かにひょろながのくせに、なんつうバカ力だ!)
黒いフードを深く被った男は、リュシアンを殺さんとばかりに、素早い剣戟を矢継ぎ早に繰り出す。
その一撃一撃が重く、回避技を習得し、1日たりとも鍛錬を怠らなかったリュシアンでさえも、受け流すのがやっとだった。
(クソッ、どうにかしてコイツに一撃を入れないと!)
苦しい顔をしながら反撃の機会を伺っていた時、ローブを纏った男が突然リュシアンから離れる。
その瞬間、目の前から大きな火球が飛んできた。
「マズイ!」
咄嗟に大剣に魔力を流したリュシアンは、受け身を構えようとした。
だが、ほんの僅か間に合わず、火球が直撃したリュシアンは、そのままアリーナの壁まで吹き飛んだ。
「チッ、強いとはいえ、所詮は傀儡。本当、使えない奴らだ!」
騎士達や宮廷魔法師達、貴族達がたった4人の騎士と魔法師によって倒されていく様を横目で見たノルベルトは、眉を顰めながら愚痴を零す。
(このままでは世界征服をする前に、駒が無くなるではないか!)
「オラオラ! よそ見している暇はあるんですか!?」
「クソッ!」
銀色の大剣を振り回し、よそ見をする隙を与えないリュシアンに、舌打ちをしたノルベルトは彼から距離をとると手を翳す。
「《ロックバインド》!」
リュシアンの足元に地面に魔法陣を展開したノルベルトは、リュシアンを岩で出来た大きな縄で縛ろうとした。
「ハッ、こんなの、俺の魔法の前では大したことねぇな!」
だが、岩の縄が襲ってきても笑みを崩さないリュシアンは、大剣に透明の魔力を纏わせると、そのまま横に大きく振りかぶる。
その瞬間、リュシアンを縛ろうとした岩の縄が跡形もなく無くなった。
「やはり、この程度の魔法では倒せないか」
悔しげに顔を歪めるノルベルトに、大剣を担いだリュシアンが挑発する。
「当たり前だろ。俺は、父さんと同じ『死神』の力を持つ男! だがら、お前が使うへなちょこ魔法なんざ、あっさり無効化出来んだよ!」
「へ、へなちょこ魔法だと!?」
(神と同じ力を持つ俺の魔法が、へなちょこ魔法だと!?)
「そうだ、お前の魔法なんざ、俺の知ってる魔法師に比べたら、へなちょこだ、へなちょこ!!」
「き、貴様――!!」
(そう、『天才魔法師』の弟が扱う魔法に比べたら、奴の魔法なんざ比べるまでもねぇ)
ロスペルが魔法を極め始めてから、リュシアンは事あるごとにロスペルの魔法鍛錬に付き合っていた。
とは言っても、ロスペルが放った魔法を無効化魔法で打ち消すというだけだが……『天才魔法師』と呼ばれる弟との鍛錬は、回を増す毎に過酷になっていった。
時には、リュシアンの無効化魔法でもギリギリ打ち消せた時もあった。
しかし、その厳しい鍛錬のお陰で荒削りだったリュシアンの無効化魔法が洗練された。
結果として弟との鍛錬は、リュシアンに良い影響を与えたのだ。
「さて、そろそろここで終いとしようか? ノルベルト・インベック」
(俺たちから奪ったもの、全てを返して貰うぞ!)
笑みを浮かべつつも、静かに憤怒の炎を燃やすリュシアンに、悔しげに唇を噛むノルベルト。
すると、何かを見つけたノルベルトが、唐突に余裕の笑みを浮かべる。
「ハッ、世界の王になるこの俺が、ここで終わるわけねぇだろうが!」
「は?」
(何を言っている? お前の駒はロスペル達によって全員倒されて……)
ノルベルトの不気味な笑みに、リュシアンが眉を顰めたその時、空から殺気を感じたリュシアンが咄嗟に空に向かって大剣を構える。
その瞬間、背後から殺気を感じた。
「嘘だろっ!?」
上空に構えていた大剣をすぐさま背後に変えた時、リュシアンの背中に突き上げるような激しい痛みが走る。
「うぐっ!」
呻き声を上げた瞬間、リュシアンの大きな体が吹っ飛んだ。
「がはっ!」
(何が起きた? 上空に殺気を感じた瞬間、背後に殺気を感じたから咄嗟に構えたはず!)
何が起きたか分からず、地べたに倒れ込んだリュシアンの顔を歪める姿を見て、ノルベルトが愉悦の嗤い声を上げる。
「ギャハハハハハ! 死神の血を受け継いでいるとはいえ、この程度の攻撃も無効化出来ぬとは!」
「っ!」
(クソッ、言わせておけば!)
下から聞こえるノルベルトの高笑いに、リュシアンが眉を顰めた時、リュシアンの真横から強い殺気を放たれる。
「休ませてもくれねぇのかよ!」
肌を刺すような凄まじい殺気に、俊敏な動きで立ち上がったリュシアンが大剣を構える。
その時、リュシアンの前に黒い外套を纏い、フードを深く被った細身の男が現れ、持っていた短剣でリュシアンに斬りかかる。
(マズイ!)
咄嗟に受け身をとったリュシアンの大剣に、重い衝撃が伝わる。
「うぐっ!」
(なんだこいつ、俺より遥かにひょろながのくせに、なんつうバカ力だ!)
黒いフードを深く被った男は、リュシアンを殺さんとばかりに、素早い剣戟を矢継ぎ早に繰り出す。
その一撃一撃が重く、回避技を習得し、1日たりとも鍛錬を怠らなかったリュシアンでさえも、受け流すのがやっとだった。
(クソッ、どうにかしてコイツに一撃を入れないと!)
苦しい顔をしながら反撃の機会を伺っていた時、ローブを纏った男が突然リュシアンから離れる。
その瞬間、目の前から大きな火球が飛んできた。
「マズイ!」
咄嗟に大剣に魔力を流したリュシアンは、受け身を構えようとした。
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