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最終章 木こりと騎士は……
第527話 ダリアとの決着(後編)
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「では、行きますよ!」
「うん!」
「おう!」
カトレアの合図で観客席から勢いよく飛び降りたラピスとシトリンに、即座に反応したダリアが2人の騎士に向かって火球を放つ。
「ラピス!」
「はい! 《ウォーターショット》!」
飛んできた火球を青い剣で作り出した水の弾丸打ち消すと、ダリアに黄色い剣を向ける。
「《サンダーショット》!」
ラピスから放った雷の弾丸は、ダリアが無詠唱で作った炎の壁で打ち消される。
「《ウィンドトルネード》!」
シトリンが起こした大風で炎の壁が消えた刹那、ダリアが2人に向かって炎の弾丸を放つ。
「《ウォーターショット》!」
ラピスが再び水の弾丸を放ち打ち消すと、ダリアの背後に回り込んだシトリンが片手剣を振り上げる。
「ハアッ!」
気絶する程度に抑えたシトリンの一撃は、ダリアが作り出した炎の剣に防がれる。
「へぇ、騎士の攻撃を防ぐなんて、意外と騎士としての才能があるんじゃない?」
「ウル、サイ。ワタシハ、サイショウケノムスメ。パパノイウトオリニシナイト」
「はっ、そうですか!」
そう言って、シトリンはダリアから距離を取ると、ラピスが双剣で目にも止まらぬ剣戟を繰り出す。
だが、ノルベルトの傀儡と化したダリアは全て見切っただけでなく、至近距離で火球を放つ。
「しまっ……!」
「《ウィンドショット》!」
間一髪でシトリンに救われたラピスは、慌ててダリアと距離をとる。
「ありがとうございます、副隊長」
「いや、それにしても騎士2人でも歯が立たないなんてね」
「そうですね」
(それだけ、ノルベルトの影響が強いのだろうが)
シトリンの言葉にラピスが僅かに眉を顰めた頃、観客席に隠れていたカトレアは、目を閉じて魔力を練っていた。
(こちらに攻撃が飛んでこないってことは、2人が頑張ってダリアの気を引いているってことよね。だったら、その頑張りに応えないと)
カトレアが立てた作戦は至ってシンプルだった。
ラピスとシトリンが2人がかりでダリアの注意をひいている間、カトレアは複合魔法を唱えるための魔力を練る。
そして、準備が整ったタイミングでカトレアが観客席から姿を現し、2人がダリアの隙を作ったその時、カトレアがありったけの魔力で複合魔法を放つ。
(フリージア。本当はあなたの手で仇を打ちたかったのでしょうけど、私があなたの分まで仇討ちをするわ)
「私だって、あの女に対して恨みがあるし」
脳裏に過ったフリージアの痛々しい姿。
一度も見たことなかったその姿に、怒りを覚えたカトレアはギュッと杖を握りると静かに立ち上がる。
そして、2人の騎士と戦っているダリアに向かって杖を向ける。
それを見たラピスは、シトリンとアイコンタクトを交わすと接敵していたダリアから距離を取る。
「ダリア・インベック。あなたには色々と振り回されたわ」
(本当、思い出したくもないくらい色々ね)
ダリアに向かって語りかけたカトレアの杖先から、黄色と緑色の巨大な魔法陣が展開される。
「そのせいで、私は親友や師匠をたくさん傷つけたわ」
元がノルベルトの改竄魔法のせいとはいえ、ダリアを親友と勘違いしていたカトレアは、彼女の無茶苦茶な言動に共感して一緒に平民を罵った。
挙句、本当の親友であるフリージアを『ただの平民だ』と罵り、魔法を放ってしまった。
それが例え、ダリアの魅了魔法のせいだとしても。
そして、師匠であるロスペルを『見習い魔法師』として散々こき使った。
「あなたを親友と思って仲良くしていたこと。『フリージア』という大切な親友を傷つけてしまったこと。ロスペル師匠をこき使ったこと。この3つは、私の人生の中で最大の黒歴史になるわ。だから、この3つの汚点はこれから先の人生の教訓にするわ」
顰め面をしたカトレアが、2つの魔法陣が1つにする。
すると、カトレアを守るように黄色と緑の魔力が渦を巻いた。
「だから、そのお礼を込めて、この魔法を送るわ」
2人の騎士から距離を取られたダリアの意識がカトレアに向いた瞬間、カトレアはありったけの魔力とお礼を込めて複合魔法を放つ。
「《サンダーウィンドブラスト》!」
雷属性の上級魔法と風属性の上級魔法が合わさったカトレア渾身の複合魔法は、ダリアが即席で作った炎の壁を突き破る。
「キャ――――!!」
砂塵と共に空中へ舞いあげられたダリアは、絶叫を上げると勢いよく地面に叩きつけられ、そのまま気を失った。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
ダリアの体がピクリとも動かないことを確認したカトレアは、息せき切りながら飛行魔法でゆっくりと観客席から降りる。
すると、拘束魔法でダリアを縛り上げたシトリンと共に、心配そうな顔をしたラピスが待っていた。
「カトレア!」
「ラピス」
ラピスの顔を見て、安堵したカトレアの体が力無く倒れようとし、それを見たラピスが彼女の体を優しく抱き留める。
「カトレア、無茶しすぎた」
「アハハッ、そうかしら?」
力なく笑ったカトレアは、シトリンに担がれているダリアに目を向ける。
「フリージアほどじゃないけど、私もあなたのお父様から大切なものを奪われたからね。しっかり返してもらうわよ」
「カトレア……」
カトレアの疲労が出た勝気な笑みに、ラピスが少しだけ苦い顔をする。
すると、何かを見つけたシトリンが、柔和な笑みを浮かべると2人に話しかける。
「一先ず、公爵様のところに行こうか? 団長の方も片付いたみたいだし」
そう言って視線を向けた先には、レクシャとディロイスに合流するロスペルとフェビルがいた。
「うん!」
「おう!」
カトレアの合図で観客席から勢いよく飛び降りたラピスとシトリンに、即座に反応したダリアが2人の騎士に向かって火球を放つ。
「ラピス!」
「はい! 《ウォーターショット》!」
飛んできた火球を青い剣で作り出した水の弾丸打ち消すと、ダリアに黄色い剣を向ける。
「《サンダーショット》!」
ラピスから放った雷の弾丸は、ダリアが無詠唱で作った炎の壁で打ち消される。
「《ウィンドトルネード》!」
シトリンが起こした大風で炎の壁が消えた刹那、ダリアが2人に向かって炎の弾丸を放つ。
「《ウォーターショット》!」
ラピスが再び水の弾丸を放ち打ち消すと、ダリアの背後に回り込んだシトリンが片手剣を振り上げる。
「ハアッ!」
気絶する程度に抑えたシトリンの一撃は、ダリアが作り出した炎の剣に防がれる。
「へぇ、騎士の攻撃を防ぐなんて、意外と騎士としての才能があるんじゃない?」
「ウル、サイ。ワタシハ、サイショウケノムスメ。パパノイウトオリニシナイト」
「はっ、そうですか!」
そう言って、シトリンはダリアから距離を取ると、ラピスが双剣で目にも止まらぬ剣戟を繰り出す。
だが、ノルベルトの傀儡と化したダリアは全て見切っただけでなく、至近距離で火球を放つ。
「しまっ……!」
「《ウィンドショット》!」
間一髪でシトリンに救われたラピスは、慌ててダリアと距離をとる。
「ありがとうございます、副隊長」
「いや、それにしても騎士2人でも歯が立たないなんてね」
「そうですね」
(それだけ、ノルベルトの影響が強いのだろうが)
シトリンの言葉にラピスが僅かに眉を顰めた頃、観客席に隠れていたカトレアは、目を閉じて魔力を練っていた。
(こちらに攻撃が飛んでこないってことは、2人が頑張ってダリアの気を引いているってことよね。だったら、その頑張りに応えないと)
カトレアが立てた作戦は至ってシンプルだった。
ラピスとシトリンが2人がかりでダリアの注意をひいている間、カトレアは複合魔法を唱えるための魔力を練る。
そして、準備が整ったタイミングでカトレアが観客席から姿を現し、2人がダリアの隙を作ったその時、カトレアがありったけの魔力で複合魔法を放つ。
(フリージア。本当はあなたの手で仇を打ちたかったのでしょうけど、私があなたの分まで仇討ちをするわ)
「私だって、あの女に対して恨みがあるし」
脳裏に過ったフリージアの痛々しい姿。
一度も見たことなかったその姿に、怒りを覚えたカトレアはギュッと杖を握りると静かに立ち上がる。
そして、2人の騎士と戦っているダリアに向かって杖を向ける。
それを見たラピスは、シトリンとアイコンタクトを交わすと接敵していたダリアから距離を取る。
「ダリア・インベック。あなたには色々と振り回されたわ」
(本当、思い出したくもないくらい色々ね)
ダリアに向かって語りかけたカトレアの杖先から、黄色と緑色の巨大な魔法陣が展開される。
「そのせいで、私は親友や師匠をたくさん傷つけたわ」
元がノルベルトの改竄魔法のせいとはいえ、ダリアを親友と勘違いしていたカトレアは、彼女の無茶苦茶な言動に共感して一緒に平民を罵った。
挙句、本当の親友であるフリージアを『ただの平民だ』と罵り、魔法を放ってしまった。
それが例え、ダリアの魅了魔法のせいだとしても。
そして、師匠であるロスペルを『見習い魔法師』として散々こき使った。
「あなたを親友と思って仲良くしていたこと。『フリージア』という大切な親友を傷つけてしまったこと。ロスペル師匠をこき使ったこと。この3つは、私の人生の中で最大の黒歴史になるわ。だから、この3つの汚点はこれから先の人生の教訓にするわ」
顰め面をしたカトレアが、2つの魔法陣が1つにする。
すると、カトレアを守るように黄色と緑の魔力が渦を巻いた。
「だから、そのお礼を込めて、この魔法を送るわ」
2人の騎士から距離を取られたダリアの意識がカトレアに向いた瞬間、カトレアはありったけの魔力とお礼を込めて複合魔法を放つ。
「《サンダーウィンドブラスト》!」
雷属性の上級魔法と風属性の上級魔法が合わさったカトレア渾身の複合魔法は、ダリアが即席で作った炎の壁を突き破る。
「キャ――――!!」
砂塵と共に空中へ舞いあげられたダリアは、絶叫を上げると勢いよく地面に叩きつけられ、そのまま気を失った。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
ダリアの体がピクリとも動かないことを確認したカトレアは、息せき切りながら飛行魔法でゆっくりと観客席から降りる。
すると、拘束魔法でダリアを縛り上げたシトリンと共に、心配そうな顔をしたラピスが待っていた。
「カトレア!」
「ラピス」
ラピスの顔を見て、安堵したカトレアの体が力無く倒れようとし、それを見たラピスが彼女の体を優しく抱き留める。
「カトレア、無茶しすぎた」
「アハハッ、そうかしら?」
力なく笑ったカトレアは、シトリンに担がれているダリアに目を向ける。
「フリージアほどじゃないけど、私もあなたのお父様から大切なものを奪われたからね。しっかり返してもらうわよ」
「カトレア……」
カトレアの疲労が出た勝気な笑みに、ラピスが少しだけ苦い顔をする。
すると、何かを見つけたシトリンが、柔和な笑みを浮かべると2人に話しかける。
「一先ず、公爵様のところに行こうか? 団長の方も片付いたみたいだし」
そう言って視線を向けた先には、レクシャとディロイスに合流するロスペルとフェビルがいた。
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