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第1章 木こりと騎士は再会する
第2話 悪徳騎士の蛮行
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「……つまり、そこのいる少年が騎士様にぶつかって謝らなかったから、剣を向けたというのですか?」
「あぁ、そうだ! そこにいるガキが、俺の着ている特注の鎧にぶつかった癖に土下座で謝らなかった。その上、ガキの母親は息子の行いを許してほしいと必死に懇願している。だから、親子共々不敬罪として剣を向けた! さぁ、そこをどいてもらおうか!」
王国を守る騎士としてあるまじき呆れた理由で平民に剣を向けた騎士に、周囲にいた野次馬達から冷たい視線が注がれる。
そんな中、小さく溜息をついた木こりは降ろしていた剣を構えた。
「ほう、これを聞いてもまだ剣を降ろさないのか。貴様、国王に仕えし騎士様に楯突くつもりか?」
木こりの態度に、下卑た笑みを浮かべた騎士が派手な装飾がされた大剣を構えた。
「そうなりますね。平民に対して理不尽に剣を振るおうとしている騎士様を、黙って見過ごすことが出来ませんから」
(それに、そんなことだろうと分かっていたことだし)
「貴様ぁ!!」
木こりの言葉に怒りを覚えて顔を真っ赤にした騎士が、実践向けとは思えない剣で木こりに向かって切りかかろうとした。
その時、野次馬達が急に騒がしくなった。
(あぁ、ようやく来たのね)
異変に気づいた木こりと騎士は、剣を構えたまま視線を野次馬達の方に向けた。
すると、人混みの中から大勢の騎士達が現れ、騒ぎの中心にいる4人を取り囲むように楕円状に並んだ。
そして、取り囲んだ騎士達は何の躊躇いも無く木こりに剣を向ける。
(まぁ、こんなのは日常茶飯事だから最初から分かっていたんだけどね)
この国の騎士の実情を嫌というほど知っている木こりは、取り囲んでいる騎士達に小さく溜息をつくと、目の前の騎士に視線を戻した。
「どうやら、貴様がこの場から生きて帰れる保証は無くなったみたいだな」
ニヤニヤと笑みを浮かべる目の前の騎士に、冷たい視線を向けた木こりは剣を構えた。
「チッ! この状況でも剣を降ろさないのか」
囲まれても尚一切動じない木こりを見て、大剣を持つ騎士は苛立ちを覚えていると、応援に来た騎士の一人が駆け寄ってきた。
「アルジム様。こいつ、例の……」
「ふむ?」
駆け寄ってきた騎士は大剣を持つ騎士……アルジムに耳打ちする。
すると、騎士から話を聞いたアルジムが、木こりに向かって再び勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「そうか。貴様が噂に聞く『騎士殺し』か」
◇◇◇◇◇
「騎士殺し? さて、一体何のことでしょうか?」
無表情で首を傾げる木こりに対し、沸点の低いアルジムは鬼の形相で持っていた大剣を上下に振った。
「とぼけるな! 貴様が携えているそのレイピアで、前に我らの同胞を殺したじゃないか!」
義憤に駆られたように怒鳴り散らすアルジムに、少しだけ剣を降ろした木こりは首を横に振った。
「私が騎士様を? とんでもございません。私はただ、あなた様のように平民に向かって理不尽に剣を振り回す騎士様を止めているだけです」
「止めている? ふざけんな! あれは止めるなんて域じゃなかった! あいつは! ルーカスは……」
「ルーカス様?」
(ルーカス? 確か、この前そんな名前の騎士を見た覚えが……あっ)
『ルーカス』という名前の人物に心当たりがあった木こりは、心底呆れたように溜息をつくと降ろしていた剣を構え直した。
「あぁ、この近くの酒場で昼間から浴びるほど酒を飲んだ挙句、『俺は騎士だ!』と言って踏み倒そうとした、あの常識知らずの騎士様のことですか?」
「貴様! 騎士に対してなんと無礼なことを!」
「そりゃあ、無礼にもなりますよ。だって、あの酔っ払った騎士様、踏み倒せないと分かった途端、お店で火属性の中級魔法を放とうとしたのですから」
「何だと!?」
木こり達が暮らす国……ペトロート王国の王都では、基本的に騎士や宮廷魔法師と呼ばれる者の魔法の使用は許されている。
ただし、それは王都に魔物などの敵が攻め入った場合だけであり、それ以外で使用することは禁止とされている。
ルーカスの蛮行に、アルジムは驚きのあまり振り回していた剣を落としそうになった。
そんなアルジムに向かって、木こりは肯定するように軽く頷く。
「よっぽどお酒がまわっていらっしゃったのでしょうね。でもまぁ、偶然お店にいた私が止めに入ったので、店の中にいた人は全員無事でした」
(本当、私がいなかったら、一体どうなっていたことやら……)
「とは言え、魔法を放とうとした騎士様には、命を奪わない程度の痛い思いをしていただきましたが」
「貴様、平民の分際でよくもルーカスを!!!!」
顔を真っ赤にしたアルジムは、大剣を構えると木こりに向かって突進を仕掛けようとした。
その時、遠くから男性の怒鳴り声が、辺り一帯に響き渡った。
「貴様ら! 一体何をやっている!」
「あぁ、そうだ! そこにいるガキが、俺の着ている特注の鎧にぶつかった癖に土下座で謝らなかった。その上、ガキの母親は息子の行いを許してほしいと必死に懇願している。だから、親子共々不敬罪として剣を向けた! さぁ、そこをどいてもらおうか!」
王国を守る騎士としてあるまじき呆れた理由で平民に剣を向けた騎士に、周囲にいた野次馬達から冷たい視線が注がれる。
そんな中、小さく溜息をついた木こりは降ろしていた剣を構えた。
「ほう、これを聞いてもまだ剣を降ろさないのか。貴様、国王に仕えし騎士様に楯突くつもりか?」
木こりの態度に、下卑た笑みを浮かべた騎士が派手な装飾がされた大剣を構えた。
「そうなりますね。平民に対して理不尽に剣を振るおうとしている騎士様を、黙って見過ごすことが出来ませんから」
(それに、そんなことだろうと分かっていたことだし)
「貴様ぁ!!」
木こりの言葉に怒りを覚えて顔を真っ赤にした騎士が、実践向けとは思えない剣で木こりに向かって切りかかろうとした。
その時、野次馬達が急に騒がしくなった。
(あぁ、ようやく来たのね)
異変に気づいた木こりと騎士は、剣を構えたまま視線を野次馬達の方に向けた。
すると、人混みの中から大勢の騎士達が現れ、騒ぎの中心にいる4人を取り囲むように楕円状に並んだ。
そして、取り囲んだ騎士達は何の躊躇いも無く木こりに剣を向ける。
(まぁ、こんなのは日常茶飯事だから最初から分かっていたんだけどね)
この国の騎士の実情を嫌というほど知っている木こりは、取り囲んでいる騎士達に小さく溜息をつくと、目の前の騎士に視線を戻した。
「どうやら、貴様がこの場から生きて帰れる保証は無くなったみたいだな」
ニヤニヤと笑みを浮かべる目の前の騎士に、冷たい視線を向けた木こりは剣を構えた。
「チッ! この状況でも剣を降ろさないのか」
囲まれても尚一切動じない木こりを見て、大剣を持つ騎士は苛立ちを覚えていると、応援に来た騎士の一人が駆け寄ってきた。
「アルジム様。こいつ、例の……」
「ふむ?」
駆け寄ってきた騎士は大剣を持つ騎士……アルジムに耳打ちする。
すると、騎士から話を聞いたアルジムが、木こりに向かって再び勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「そうか。貴様が噂に聞く『騎士殺し』か」
◇◇◇◇◇
「騎士殺し? さて、一体何のことでしょうか?」
無表情で首を傾げる木こりに対し、沸点の低いアルジムは鬼の形相で持っていた大剣を上下に振った。
「とぼけるな! 貴様が携えているそのレイピアで、前に我らの同胞を殺したじゃないか!」
義憤に駆られたように怒鳴り散らすアルジムに、少しだけ剣を降ろした木こりは首を横に振った。
「私が騎士様を? とんでもございません。私はただ、あなた様のように平民に向かって理不尽に剣を振り回す騎士様を止めているだけです」
「止めている? ふざけんな! あれは止めるなんて域じゃなかった! あいつは! ルーカスは……」
「ルーカス様?」
(ルーカス? 確か、この前そんな名前の騎士を見た覚えが……あっ)
『ルーカス』という名前の人物に心当たりがあった木こりは、心底呆れたように溜息をつくと降ろしていた剣を構え直した。
「あぁ、この近くの酒場で昼間から浴びるほど酒を飲んだ挙句、『俺は騎士だ!』と言って踏み倒そうとした、あの常識知らずの騎士様のことですか?」
「貴様! 騎士に対してなんと無礼なことを!」
「そりゃあ、無礼にもなりますよ。だって、あの酔っ払った騎士様、踏み倒せないと分かった途端、お店で火属性の中級魔法を放とうとしたのですから」
「何だと!?」
木こり達が暮らす国……ペトロート王国の王都では、基本的に騎士や宮廷魔法師と呼ばれる者の魔法の使用は許されている。
ただし、それは王都に魔物などの敵が攻め入った場合だけであり、それ以外で使用することは禁止とされている。
ルーカスの蛮行に、アルジムは驚きのあまり振り回していた剣を落としそうになった。
そんなアルジムに向かって、木こりは肯定するように軽く頷く。
「よっぽどお酒がまわっていらっしゃったのでしょうね。でもまぁ、偶然お店にいた私が止めに入ったので、店の中にいた人は全員無事でした」
(本当、私がいなかったら、一体どうなっていたことやら……)
「とは言え、魔法を放とうとした騎士様には、命を奪わない程度の痛い思いをしていただきましたが」
「貴様、平民の分際でよくもルーカスを!!!!」
顔を真っ赤にしたアルジムは、大剣を構えると木こりに向かって突進を仕掛けようとした。
その時、遠くから男性の怒鳴り声が、辺り一帯に響き渡った。
「貴様ら! 一体何をやっている!」
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