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第1章 木こりと騎士は再会する
第14話 酔っ払い騎士と木こり(後編)
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「『剣を交えるのに値しない』だと?」
木こりの言葉を反復したリースタは、怒りで肩を震わせる。
リースタ・アイシャンは由緒正しい子爵家の次男で、その恵まれた体格と武に秀でているアイシャン家に代々受け継がれる抜群の戦闘センスで、騎士学校を主席で卒業。
そのまま騎士団に入団した彼は、第二騎士団で類まれな才能を遺憾なく発揮し、次々と武勲をあげる。
その結果、若くして上級騎士となったリースタは第一騎士団に所属になる。
そんな輝かしい功績とは裏腹に、下級貴族や下級騎士に対して傲慢で横柄な態度をとり、上級騎士や自分より爵位が上の貴族にはとにかく媚び諂っていた。
そんな貴族らしい性格のリースタは、毎日のように気に入らない平民達を『躾』と称して得意の斧を振るったり、アイシャン家の得意魔法である風魔法を放ったりして快楽を得ていた。
(数多の魔物を狩ってきた俺の……強化魔法で鋭利でより洗練された俺の攻撃が、こいつにとって剣を交えるのに値しないなんて、絶対にありえない!)
リースタの怒りに満ちた表情に、小さく溜息をついた木こりは肯定するように頷いた。
「えぇ、あなたの攻撃は単純すぎるので、わざわざレイピアを構えなくても躱せます」
「な、何だと!?」
(この俺の攻撃を単純呼ばわりとは……そうだ!)
無表情の木こりから淡々とプライドをへし折られたリースタは、アルコールの回った頭で何かを思いつくと口元を歪ませた。
「そうか。それじゃあ、俺の攻撃が単純じゃなければ剣を構えてくれるんだな?」
(そう言えばこいつ、俺が斧に魔力を纏わせている時と魔法を放つ時に剣を構えていたな)
「だったら、もう一度我が自慢の戦斧に魔力を纏わせるだけだ!」
強化魔法を解いたリースタは、すぐさま斧に緑色の魔力を纏わせると勢いよく振り下ろした。
「アハハッ! これならどうだ!!」
下品に嗤いながら得物を振り下ろすリースタ、再び溜息をついた木こりは、透明な魔力を纏わせたレイピアで攻撃を受け流した。
「おぉ! やはりそうか! それじゃあ、ここから更に楽しくやろうじゃないか!」
嬉々として笑ったリースタは再び魔力を纏わせると、木こりの顔面や急所に向かって何度も斧を振り下ろしたり振り回したりした。
「メスト、あれ!」
「っ! リースタ、あの野郎……!」
集まった人達から侮蔑にも似た冷たい視線を受けつつ、避難誘導を済ませたメストとシトリンは、魔力を纏わせた斧を嬉々として振り下ろすリースタと、それを無表情で受け止める木こりを目の当たりにする。
「あの木こり君、中々やるねぇ」
「あぁ、そうだな」
(だが、どうしてここにきて剣を構えた? さっきまで、剣を構えることもなく、平民とは思えない身のこなしで軽々とリースタの攻撃を躱していたのに……それに。レイピアに纏わせているものって、もしかしなくても彼自身の魔力か?)
「メスト、彼だっていつまでもリースタの攻撃を躱せるわけじゃないんだから、さっさと捕らえるよ」
「っ!! 分かっている!」
人質がいない今、アイコンタクトを交わしたメストとシトリンは、リースタに向かって手を伸ばし、各々得意とする属性魔法の魔法陣を展開して放つ。
「《アイスニードル》!!」
「《ウィンドチェイン》」
氷属性を得意とするメストの氷の針でリースタの足元を凍らせると、リースタと同じ風属性を得意とするシトリンの風の鎖でリースタの大きな体躯を縛る。
「なっ! き、貴様らよくも……!!」
「リースタ、いい加減大人しくするんだ!」
「そうですよ。じゃないと、あなたの首も危うくなります」
「チッ! どちらも中級魔法だからそう簡単に解けないな。だったら……」
メストとシトリンの魔法で攻撃の手を止められたリースタは、残っている魔力を全て使い、足元に巨大な魔法陣を展開した。
「っ!? リースタ、一体何を……!?」
「ハッ! こうなったら、俺のとっておきの上級魔法で解くんだよ!」
「お前! そんなことをしたら……!」
険しい顔をしたメストが再び魔法を放とうと手を伸ばした瞬間、突然木こりがリースタの前に立った。
「「なっ!!」」
(どうしてリースタの前に彼が!!)
呆気に取られるメストとシトリンに対し、リースタは悪い笑みを浮かべる。
「お前、実は自殺願望でもあったのか?」
「…………」
リースタの問いかけを無視した木こりは、レイピアの切っ先を緑色の魔法陣に触れさせると小声で何かを呟いた。
「《直接干渉》」
その瞬間、足元に広がっていた魔法陣が一瞬で消え失せた。
木こりの言葉を反復したリースタは、怒りで肩を震わせる。
リースタ・アイシャンは由緒正しい子爵家の次男で、その恵まれた体格と武に秀でているアイシャン家に代々受け継がれる抜群の戦闘センスで、騎士学校を主席で卒業。
そのまま騎士団に入団した彼は、第二騎士団で類まれな才能を遺憾なく発揮し、次々と武勲をあげる。
その結果、若くして上級騎士となったリースタは第一騎士団に所属になる。
そんな輝かしい功績とは裏腹に、下級貴族や下級騎士に対して傲慢で横柄な態度をとり、上級騎士や自分より爵位が上の貴族にはとにかく媚び諂っていた。
そんな貴族らしい性格のリースタは、毎日のように気に入らない平民達を『躾』と称して得意の斧を振るったり、アイシャン家の得意魔法である風魔法を放ったりして快楽を得ていた。
(数多の魔物を狩ってきた俺の……強化魔法で鋭利でより洗練された俺の攻撃が、こいつにとって剣を交えるのに値しないなんて、絶対にありえない!)
リースタの怒りに満ちた表情に、小さく溜息をついた木こりは肯定するように頷いた。
「えぇ、あなたの攻撃は単純すぎるので、わざわざレイピアを構えなくても躱せます」
「な、何だと!?」
(この俺の攻撃を単純呼ばわりとは……そうだ!)
無表情の木こりから淡々とプライドをへし折られたリースタは、アルコールの回った頭で何かを思いつくと口元を歪ませた。
「そうか。それじゃあ、俺の攻撃が単純じゃなければ剣を構えてくれるんだな?」
(そう言えばこいつ、俺が斧に魔力を纏わせている時と魔法を放つ時に剣を構えていたな)
「だったら、もう一度我が自慢の戦斧に魔力を纏わせるだけだ!」
強化魔法を解いたリースタは、すぐさま斧に緑色の魔力を纏わせると勢いよく振り下ろした。
「アハハッ! これならどうだ!!」
下品に嗤いながら得物を振り下ろすリースタ、再び溜息をついた木こりは、透明な魔力を纏わせたレイピアで攻撃を受け流した。
「おぉ! やはりそうか! それじゃあ、ここから更に楽しくやろうじゃないか!」
嬉々として笑ったリースタは再び魔力を纏わせると、木こりの顔面や急所に向かって何度も斧を振り下ろしたり振り回したりした。
「メスト、あれ!」
「っ! リースタ、あの野郎……!」
集まった人達から侮蔑にも似た冷たい視線を受けつつ、避難誘導を済ませたメストとシトリンは、魔力を纏わせた斧を嬉々として振り下ろすリースタと、それを無表情で受け止める木こりを目の当たりにする。
「あの木こり君、中々やるねぇ」
「あぁ、そうだな」
(だが、どうしてここにきて剣を構えた? さっきまで、剣を構えることもなく、平民とは思えない身のこなしで軽々とリースタの攻撃を躱していたのに……それに。レイピアに纏わせているものって、もしかしなくても彼自身の魔力か?)
「メスト、彼だっていつまでもリースタの攻撃を躱せるわけじゃないんだから、さっさと捕らえるよ」
「っ!! 分かっている!」
人質がいない今、アイコンタクトを交わしたメストとシトリンは、リースタに向かって手を伸ばし、各々得意とする属性魔法の魔法陣を展開して放つ。
「《アイスニードル》!!」
「《ウィンドチェイン》」
氷属性を得意とするメストの氷の針でリースタの足元を凍らせると、リースタと同じ風属性を得意とするシトリンの風の鎖でリースタの大きな体躯を縛る。
「なっ! き、貴様らよくも……!!」
「リースタ、いい加減大人しくするんだ!」
「そうですよ。じゃないと、あなたの首も危うくなります」
「チッ! どちらも中級魔法だからそう簡単に解けないな。だったら……」
メストとシトリンの魔法で攻撃の手を止められたリースタは、残っている魔力を全て使い、足元に巨大な魔法陣を展開した。
「っ!? リースタ、一体何を……!?」
「ハッ! こうなったら、俺のとっておきの上級魔法で解くんだよ!」
「お前! そんなことをしたら……!」
険しい顔をしたメストが再び魔法を放とうと手を伸ばした瞬間、突然木こりがリースタの前に立った。
「「なっ!!」」
(どうしてリースタの前に彼が!!)
呆気に取られるメストとシトリンに対し、リースタは悪い笑みを浮かべる。
「お前、実は自殺願望でもあったのか?」
「…………」
リースタの問いかけを無視した木こりは、レイピアの切っ先を緑色の魔法陣に触れさせると小声で何かを呟いた。
「《直接干渉》」
その瞬間、足元に広がっていた魔法陣が一瞬で消え失せた。
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