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第1章 木こりと騎士は再会する
第25話 ノルベルト・インベック
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「陛下、近衛騎士団長フェビル・シュタール殿が来られました」
「よし、入れ」
グレアとの打ち合わせから4時間後、白に金の装飾が施された騎士用の正装に身を包んだフェビルは、重厚な扉の向こうにある豪華な内装がされた空間へ足を踏み入れた。
(いつ来ても、やはり謁見の間に来ると落ち着かないな。特に、派手な内装に変えてから尚更。前までは、簡素でありつつも気品溢れる内装だったのだが……)
「一体、誰の趣味でこんなことになったのやら」
(少なくとも、国王陛下の趣味ではないな)
大勢の貴族達が見守る中、真っ赤なカーペットを歩いたフェビルは、玉座の傍に控えている人物を一瞥すると、その場で足を止めた。
そして、静かに片膝をつくと首を垂れる。
「王国騎士団長兼近衛騎士団長フェビル・シュタール、我が主の求めに応じ、参上致しました」
「ふん、ご苦労なことだ」
(どうして、陛下じゃなくて宰相のお前が先に答えるんだ! 俺は、お前じゃなくて陛下に用があるんだよ!)
国王の前では決して口に出せない罵詈雑言を心の中で吐くと、前から威厳溢れる落ち着いた声が聞こえた。
「フェビル・シュタール近衛騎士団長、表を上げよ」
「はっ!」
求めに応じてフェビルが頭を上げると、年齢を感じさせない端正な顔立ちと黄金の髪を短く切り揃えた国王コンラーク・フォン・ペトロートが、こちらを見下ろしていた。
(陛下、やはりあなたは……)
深い青色の瞳とかち合ったフェビルは僅かに下唇を噛むと、国王の傍に隣に控えていた男が国王に対して咎めるような目を向ける。
「陛下、今回の謁見はすぐに済みますから、わざわざ表を上げさせる必要はございませんよ」
「お言葉ですが、それはどういう意味でしょうか? ノルベルト・インベック宰相閣下」
(主である国王の許可無しに発言することも意見することも、本来は不敬罪にあたることだぞ)
黒髪に赤い瞳で中肉中背のノルベルトにフェビルが問い質すと、ノルベルトの視線が国王からフェビルに移った。
「フェビル殿、陛下の御前で陛下の許可無しに発言することは……あなた、不敬罪で訴えられたいのですか?」
「それはあなたも同じですよ、ノルベルト殿。いくら陛下の傍に控えることを許されているからとはいえ、無礼を働いていい理由にはなりません」
「クッ!」
悔しそうな表情するノルベルトに、吐きそうになった溜息を飲み込んだノルベルトは、視線を国王に戻すと深く頭を下げた。
「申し訳ありません、陛下。この無礼に対する処罰はいかようにも……」
「それは、私の方でしますので陛下は何もしなくても大丈夫ですよ」
「っ!!」
(またか! またそうやって、アルジムの時と同じように陛下のことを差し置いて勝手に決めるのかよ!)
奥歯を強く噛み締めたフェビルは、持っていた報告書をそっと握り締める。
すると、ノルベルトの傲慢に満ちた声が頭上から降ってきた。
「それで、リースタの件ですが……彼は、私が懇意にしている騎士の1人なので、今回は宰相である私に免じ、『不問と致す』とここにいる貴族の皆様と決めました」
「はっ? いつ決められたのですか?」
「あなたが来る少し前ですよ。もちろん、全会一致でした」
「っ!」
(またしても、私情で騎士の不祥事を勝手に不問にしたのか! しかも、今度は騎士団長である俺抜きで貴族だけで決めたと!?)
2人の部下が作ってくれた報告書をクシャクシャにしたフェビルは、怒りで肩を震わせる。
そんな彼を見たノルベルトは、鼻で笑うと更なる追い打ちをかけた。
「あなたもまだ王都に慣れていませんからね。それで、仕方なく騎士団長であるあなたに代わって私が決めたのです」
「ですが、私は一応騎士を束ねる騎士団長で……」
「陛下もこの件についての処罰は既に承認済みです。ですので、フェビル殿はもう下がっていただいて結構です。よろしいですよね、陛下?」
「っ!?」
(そっ、そんな! まだ一言も弁明をしていないぞ!)
縋るように視線を移したフェビルに、国王は真剣な表情で静かに頷くと命令を下した。
「フェビル・シュタール。下がってよい」
「なっ!?……失礼、致します」
ノルベルトや周りの貴族達の嘲笑を浴びながら謁見の間を後にしたフェビルは、悔しさを露にした顔で持っていた報告書を勢いよく叩きつけた。
「チクショウ!!」
「よし、入れ」
グレアとの打ち合わせから4時間後、白に金の装飾が施された騎士用の正装に身を包んだフェビルは、重厚な扉の向こうにある豪華な内装がされた空間へ足を踏み入れた。
(いつ来ても、やはり謁見の間に来ると落ち着かないな。特に、派手な内装に変えてから尚更。前までは、簡素でありつつも気品溢れる内装だったのだが……)
「一体、誰の趣味でこんなことになったのやら」
(少なくとも、国王陛下の趣味ではないな)
大勢の貴族達が見守る中、真っ赤なカーペットを歩いたフェビルは、玉座の傍に控えている人物を一瞥すると、その場で足を止めた。
そして、静かに片膝をつくと首を垂れる。
「王国騎士団長兼近衛騎士団長フェビル・シュタール、我が主の求めに応じ、参上致しました」
「ふん、ご苦労なことだ」
(どうして、陛下じゃなくて宰相のお前が先に答えるんだ! 俺は、お前じゃなくて陛下に用があるんだよ!)
国王の前では決して口に出せない罵詈雑言を心の中で吐くと、前から威厳溢れる落ち着いた声が聞こえた。
「フェビル・シュタール近衛騎士団長、表を上げよ」
「はっ!」
求めに応じてフェビルが頭を上げると、年齢を感じさせない端正な顔立ちと黄金の髪を短く切り揃えた国王コンラーク・フォン・ペトロートが、こちらを見下ろしていた。
(陛下、やはりあなたは……)
深い青色の瞳とかち合ったフェビルは僅かに下唇を噛むと、国王の傍に隣に控えていた男が国王に対して咎めるような目を向ける。
「陛下、今回の謁見はすぐに済みますから、わざわざ表を上げさせる必要はございませんよ」
「お言葉ですが、それはどういう意味でしょうか? ノルベルト・インベック宰相閣下」
(主である国王の許可無しに発言することも意見することも、本来は不敬罪にあたることだぞ)
黒髪に赤い瞳で中肉中背のノルベルトにフェビルが問い質すと、ノルベルトの視線が国王からフェビルに移った。
「フェビル殿、陛下の御前で陛下の許可無しに発言することは……あなた、不敬罪で訴えられたいのですか?」
「それはあなたも同じですよ、ノルベルト殿。いくら陛下の傍に控えることを許されているからとはいえ、無礼を働いていい理由にはなりません」
「クッ!」
悔しそうな表情するノルベルトに、吐きそうになった溜息を飲み込んだノルベルトは、視線を国王に戻すと深く頭を下げた。
「申し訳ありません、陛下。この無礼に対する処罰はいかようにも……」
「それは、私の方でしますので陛下は何もしなくても大丈夫ですよ」
「っ!!」
(またか! またそうやって、アルジムの時と同じように陛下のことを差し置いて勝手に決めるのかよ!)
奥歯を強く噛み締めたフェビルは、持っていた報告書をそっと握り締める。
すると、ノルベルトの傲慢に満ちた声が頭上から降ってきた。
「それで、リースタの件ですが……彼は、私が懇意にしている騎士の1人なので、今回は宰相である私に免じ、『不問と致す』とここにいる貴族の皆様と決めました」
「はっ? いつ決められたのですか?」
「あなたが来る少し前ですよ。もちろん、全会一致でした」
「っ!」
(またしても、私情で騎士の不祥事を勝手に不問にしたのか! しかも、今度は騎士団長である俺抜きで貴族だけで決めたと!?)
2人の部下が作ってくれた報告書をクシャクシャにしたフェビルは、怒りで肩を震わせる。
そんな彼を見たノルベルトは、鼻で笑うと更なる追い打ちをかけた。
「あなたもまだ王都に慣れていませんからね。それで、仕方なく騎士団長であるあなたに代わって私が決めたのです」
「ですが、私は一応騎士を束ねる騎士団長で……」
「陛下もこの件についての処罰は既に承認済みです。ですので、フェビル殿はもう下がっていただいて結構です。よろしいですよね、陛下?」
「っ!?」
(そっ、そんな! まだ一言も弁明をしていないぞ!)
縋るように視線を移したフェビルに、国王は真剣な表情で静かに頷くと命令を下した。
「フェビル・シュタール。下がってよい」
「なっ!?……失礼、致します」
ノルベルトや周りの貴族達の嘲笑を浴びながら謁見の間を後にしたフェビルは、悔しさを露にした顔で持っていた報告書を勢いよく叩きつけた。
「チクショウ!!」
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