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第1章 木こりと騎士は再会する
第26話 木こりの日常①
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『良いですか? 外出する時は必ずこれを身につけて下さいね』
そう言うと、白髪の御仁は大切にしていたこげ茶色のベレー帽と黒のアイマスクをくれた。
『……分かったわ。エドガスが私のために渡してくれた物だもの。大切にするし、必ず身につける』
ベレー帽やアイマスクを大事そうに胸に抱えて微笑む私に、御仁は優しく微笑んだ。
「んっ……」
カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ました木こりは、気だるげにベッドから起き出すと寝間着姿のまま洗面所に向かった。
(何だか、随分と懐かしい夢を見た気がする。まぁ、最近あの3人に会ったからなのかもしれないけど)
起きてすぐに感じた懐かしい気持ちに首を傾げつつ、洗面台近くに置いてある青色の魔石を蛇口の取っ手にセットすると蛇口を捻った。
勢いよく出た水で顔を濡らしてタオルで拭いた木こりは、蛇口から魔石を取り出して内包されている水属性の魔力を確認する。
「う~ん、あと少しは持つかな。でも、キッチンに置いてある火と水の魔石はあと少しで無くなるはず」
青い魔石を元の場所に戻し、洗い物かごに使用済みタオル入ると洗面所から出て、そのままキッチンに置いてある赤い火属性の魔石と青色の魔石を確認した。
「やっぱり、あと少しで無くなりそう。まぁ、今日も王都に行くから、その時に買いに行こう」
小さく溜息をついた木こりは、2つの魔石をそれぞれ魔導コンロと蛇口にセットすると、氷の魔石が嵌め込まれた魔導式冷蔵庫の中から食材を取り出す。
「さて、今日はサラダとスクランブルエッグにしようかな」
小さく笑みを零した木こりは、慣れた手つきで朝食を作り始めた。
「よし、これで大丈夫!」
朝食を終えて寝間着を脱ぐと、文字が薄く書かれた真っ白のさらしを巻き、真っ白な長袖シャツに袖を通すと、こげ茶色の長ズボンとベストを身に纏った。
そして、姿見の前に立った木こりは、こげ茶色のベレー帽に銀色の短髪を全て入れると、目元だけくり抜かれた黒のアイマスクをつけて、こげ茶色のグローブを嵌めた。
(これをつけると落ち着くんだよね。
特殊な方法で精神安定の魔法が施されているベレー帽とアイマスクに軽く触れた木こりは、愛馬用の朝食が入った皿を持ってこげ茶色の作業用ブーツを履くと外に出た。
森の奥深くにある一軒家に住んでいる木こりは、陽光が差す薄暗い森の中を一瞥すると愛馬が暮らしている馬小屋を訪れた。
「おはよう、ステイン。今日もいい天気だよ」
起きていた愛馬が機嫌良さそうに嘶くと、小さく口角を上げた木こりは用意した朝食を所定の場所に置いた。
「今日も王都に行くから頼んだよ」
朝食にむしゃぶりついている愛馬を撫でると、馬小屋から出ると入口近くに置いてあった斧に透明な魔石を嵌め込んだ。
(よし、今日もやりますか!)
すっかり手に馴染んだ斧を持った木こりは、軽い足取りで森の中へと入った。
「ふぅ、今日はこんな感じかな」
馬小屋の隣接している貯蔵庫に、間引きして伐採した木を運び込んだ木こりは、少しだけ加工すると額の汗を乱暴に拭って外を出る。
真上にある太陽に木こりは細めると、少し早めの昼食を取ろうと家に戻った。
昼食を食べ終え、馬小屋近くに止めてある幌付きの荷台に納品分の木材を積み込んだ木こりは、馬小屋から愛馬を連れ出すと慣れた手つきで馬と荷台を繋いだ。
「それじゃあ、今日もお仕事に行こうか」
小さく嘶いたステインに笑みを零すと、御者台に乗り込んで手綱を持った。
「ステイン、出発して」
主の号令に嘶いたステインは、荷台を引いて走り始めると、特殊な方法で張られている結界魔法に囲われた森を出る。
そして、森のすぐ近くにある村に入ると、大小様々な荷物を置いて待ち構えている大勢の村人達が険しい顔をして出迎えてくれた。
(この村に住んでいる大人達は、全員が余所者に厳しい。だけど、身を寄せる条件として、馬を使って村から一時間近くかかる王都に村で生産されたものを運んだり、逆に王都で買ってきて欲しいものを買って持ってきたりしている)
村人達の前に幌馬車を止めた木こりは、御者台から降りると村長である男性に声をかけた。
すると、待ち構えていた村人達が、我先にと王都に運んでもらうものを荷台に詰め込み始めた。
(はぁ、いつものことだから良いんだけど)
「こんにちは。今日もたくさんありますね」
「あぁ、何せこっちも稼がないと生活していけないからな」
嫌そうな顔をした村長から渡された紙束に目を通す。
そこには、村人から聞き出したのであろう買い物リストと納品リストが書いてあった。
(確か、この国で馬を持っているのは貴族か商人しかいないんだよね……まぁ、私の場合はエドガスが偶然拾って大切に育てた家族を引き継いだだけなんだけど)
ペトロート王国では、経済的な事情で平民の大半は馬を持っていない。
そのため、平民が王都に納品するには徒歩で荷台を引くしかないのだ。
必死な形相で荷台に商品を詰め込む村人達に、木こりが視線を移した瞬間、村人達が全員荷台から離れた。
(どうやら、終わったみたいね)
小さく溜息をついた木こりは、預かったリストを懐に入れると、隙間なく詰め込まれた荷台の中を確認して御者台に乗った。
そう言うと、白髪の御仁は大切にしていたこげ茶色のベレー帽と黒のアイマスクをくれた。
『……分かったわ。エドガスが私のために渡してくれた物だもの。大切にするし、必ず身につける』
ベレー帽やアイマスクを大事そうに胸に抱えて微笑む私に、御仁は優しく微笑んだ。
「んっ……」
カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ました木こりは、気だるげにベッドから起き出すと寝間着姿のまま洗面所に向かった。
(何だか、随分と懐かしい夢を見た気がする。まぁ、最近あの3人に会ったからなのかもしれないけど)
起きてすぐに感じた懐かしい気持ちに首を傾げつつ、洗面台近くに置いてある青色の魔石を蛇口の取っ手にセットすると蛇口を捻った。
勢いよく出た水で顔を濡らしてタオルで拭いた木こりは、蛇口から魔石を取り出して内包されている水属性の魔力を確認する。
「う~ん、あと少しは持つかな。でも、キッチンに置いてある火と水の魔石はあと少しで無くなるはず」
青い魔石を元の場所に戻し、洗い物かごに使用済みタオル入ると洗面所から出て、そのままキッチンに置いてある赤い火属性の魔石と青色の魔石を確認した。
「やっぱり、あと少しで無くなりそう。まぁ、今日も王都に行くから、その時に買いに行こう」
小さく溜息をついた木こりは、2つの魔石をそれぞれ魔導コンロと蛇口にセットすると、氷の魔石が嵌め込まれた魔導式冷蔵庫の中から食材を取り出す。
「さて、今日はサラダとスクランブルエッグにしようかな」
小さく笑みを零した木こりは、慣れた手つきで朝食を作り始めた。
「よし、これで大丈夫!」
朝食を終えて寝間着を脱ぐと、文字が薄く書かれた真っ白のさらしを巻き、真っ白な長袖シャツに袖を通すと、こげ茶色の長ズボンとベストを身に纏った。
そして、姿見の前に立った木こりは、こげ茶色のベレー帽に銀色の短髪を全て入れると、目元だけくり抜かれた黒のアイマスクをつけて、こげ茶色のグローブを嵌めた。
(これをつけると落ち着くんだよね。
特殊な方法で精神安定の魔法が施されているベレー帽とアイマスクに軽く触れた木こりは、愛馬用の朝食が入った皿を持ってこげ茶色の作業用ブーツを履くと外に出た。
森の奥深くにある一軒家に住んでいる木こりは、陽光が差す薄暗い森の中を一瞥すると愛馬が暮らしている馬小屋を訪れた。
「おはよう、ステイン。今日もいい天気だよ」
起きていた愛馬が機嫌良さそうに嘶くと、小さく口角を上げた木こりは用意した朝食を所定の場所に置いた。
「今日も王都に行くから頼んだよ」
朝食にむしゃぶりついている愛馬を撫でると、馬小屋から出ると入口近くに置いてあった斧に透明な魔石を嵌め込んだ。
(よし、今日もやりますか!)
すっかり手に馴染んだ斧を持った木こりは、軽い足取りで森の中へと入った。
「ふぅ、今日はこんな感じかな」
馬小屋の隣接している貯蔵庫に、間引きして伐採した木を運び込んだ木こりは、少しだけ加工すると額の汗を乱暴に拭って外を出る。
真上にある太陽に木こりは細めると、少し早めの昼食を取ろうと家に戻った。
昼食を食べ終え、馬小屋近くに止めてある幌付きの荷台に納品分の木材を積み込んだ木こりは、馬小屋から愛馬を連れ出すと慣れた手つきで馬と荷台を繋いだ。
「それじゃあ、今日もお仕事に行こうか」
小さく嘶いたステインに笑みを零すと、御者台に乗り込んで手綱を持った。
「ステイン、出発して」
主の号令に嘶いたステインは、荷台を引いて走り始めると、特殊な方法で張られている結界魔法に囲われた森を出る。
そして、森のすぐ近くにある村に入ると、大小様々な荷物を置いて待ち構えている大勢の村人達が険しい顔をして出迎えてくれた。
(この村に住んでいる大人達は、全員が余所者に厳しい。だけど、身を寄せる条件として、馬を使って村から一時間近くかかる王都に村で生産されたものを運んだり、逆に王都で買ってきて欲しいものを買って持ってきたりしている)
村人達の前に幌馬車を止めた木こりは、御者台から降りると村長である男性に声をかけた。
すると、待ち構えていた村人達が、我先にと王都に運んでもらうものを荷台に詰め込み始めた。
(はぁ、いつものことだから良いんだけど)
「こんにちは。今日もたくさんありますね」
「あぁ、何せこっちも稼がないと生活していけないからな」
嫌そうな顔をした村長から渡された紙束に目を通す。
そこには、村人から聞き出したのであろう買い物リストと納品リストが書いてあった。
(確か、この国で馬を持っているのは貴族か商人しかいないんだよね……まぁ、私の場合はエドガスが偶然拾って大切に育てた家族を引き継いだだけなんだけど)
ペトロート王国では、経済的な事情で平民の大半は馬を持っていない。
そのため、平民が王都に納品するには徒歩で荷台を引くしかないのだ。
必死な形相で荷台に商品を詰め込む村人達に、木こりが視線を移した瞬間、村人達が全員荷台から離れた。
(どうやら、終わったみたいね)
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