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第1章 木こりと騎士は再会する
第33話 木こりの日常③
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「ただいま戻りました」
1時間かけて王都から戻ってきた馬車が簡素で小さな村に入り、待ち構えていた村人達の前に止まった。
「全く、相変わらず遅い帰還だな」
「すみません、少々トラブルに巻き込まれました」
御者台から降りた木こりが、不機嫌な村長に向かって申し訳なさそうに頭を下げた。
すると、慣れた手つきで荷台から荷物を下していた村人達から非難の声があがる。
「ハッ! 『あなたがトラブルを起こした』の間違いでしょ?」
「そうだ! 王都に住む人達が、俺たちのような辺鄙の村人なんかに構うはずないから!」
「全く、お前と違って俺たちは生活がかかっているんだ! だから、少しは村の役に立ってほしいもんだ!」
「そうよ! あんたのような余所者をわざわざこの村に置いてあげているんだから!」
(この人たち、この村と王都を繋げているのが一体誰なのか分かっているのかな? まぁ、ここで私が何か言ったとしても、余所者嫌いの人達が聞く耳なんて持ってくれるはずがないんだけど)
村人達の非難に、木こりが静かに溜息を飲み込むと木こりは、不機嫌な村長が手を差し出してきた。
「それで、魔石は?」
「はい、それでしたら……」
魔石が詰まった袋を取りに行こうと踏み出した瞬間、村の中心から村人の声が聞こえた。
「村長! 魔石ならこちらで配っています!」
村人の声に気づいた木こりと村長が揃って目を向けると、そこには多くの村人達が大きな袋の前に一列に並んでいた。
「そうか。それなら、お前に用はないな。さっさと森に帰れ」
「はい、失礼します」
(まぁ、明日も図々しく馬車に大量の荷物を乗せて、大量の買い物リストを押しつけてくるんでしょうけど)
蔑んだ目を向けてくる村長に再び頭を下げた木こりは、すっかり空になった荷台の中を一瞥すると、御者台に乗って森へと馬を走らせた。
「今日も疲れたね、ステイン」
特殊な方法で張られた結界魔法に囲われた森の中に入ると、大きく息を吐いた木こりがステインに声をかける。
すると、ステインが疲れたように軽く嘶いた。
「フフッ、ステインも今日ばかりは疲れたみたいだね。だって、目の前で魔法を連発されたんだから」
いつもは安全な場所で待っているステインにとって、今日の出来事はとても珍しいことだった。
(まぁ、私が魔法を連発されるだけど)
優しく微笑んだ木こりを見て、ステインは不満そうに嘶いた。
「ごめん、ごめん! 目の前で魔法を撃たれて怖かったよね! 本当にごめん!」
(そうよ。馬でも人でも目の前で魔法を撃たれたら誰だって怖いわよね! 私の場合、それが日常茶飯事になってしまってから慣れてしまっただけだった!)
木こりが慌てて謝罪すると、気を良くしたステインが『仕方ないな』と言ったように嘶く。
「本当、ごめん。次から気をつけるから」
肩を落とす主を見たステインが気遣うように軽く嘶くと、鬱蒼とした森の中が急に開け、目の前に二階建てのウッドハウスと2つに連なる小屋が現れた。
「全く、あの子ったら……」
馬小屋の前で荷台から解放されたステインは、一仕事終えたと言わんばかりに元気よく森の中へとかけていった。
(まぁ、日が暮れる前に帰ってくれば良いんだけどね)
愛馬の背中を見送った木こりは、少しだけ苦笑すると村人の分とは別で買って御者台に乗せていた物を持った。
そしてそのまま、我が家の扉を開けると玄関すぐの小さなテーブルに置いた。
「さて、行きますか」
腰に携えていたレイピアを外して入口近くに立てかけると、すぐ近くに置いてあった木剣を手に取って外に出た。
(今日も少しだけ遅くなったけど、今日出会った騎士様達より強くならないと!)
心の中で喝を入れた木こりは、茜色に染まる森の中へと入っていった。
森に入ってしばらく、鍛錬用に使っている場所に着いた木こりは静かに木剣を構えて息を整える。
「フッ! ハッ! ハァッ!!」
誰もいない場所で日課の鍛錬を始めた木こりは、額に汗が滲むことも気にせず見えない敵に向かってひたすらに剣を振り続ける。
『ほらほら、そんな軟弱な剣だと俺やアイツには勝てないぞ~!』
楽しそうな笑みを浮かべて大きな木剣で攻撃を受け流す、銀色の短髪に淡い緑色の瞳をした青年の姿が頭を過り、木こりは大きく横一線に振った。
(分かっています。そんなこと言われなくても分かっておりますよ……リュシアンお兄様)
その後、一頻り剣を振って走り込みをした木こりは、いつものように家路に着いて夕食とお風呂を済ませると、灯りを消してベッドの中に潜り込んだ。
1時間かけて王都から戻ってきた馬車が簡素で小さな村に入り、待ち構えていた村人達の前に止まった。
「全く、相変わらず遅い帰還だな」
「すみません、少々トラブルに巻き込まれました」
御者台から降りた木こりが、不機嫌な村長に向かって申し訳なさそうに頭を下げた。
すると、慣れた手つきで荷台から荷物を下していた村人達から非難の声があがる。
「ハッ! 『あなたがトラブルを起こした』の間違いでしょ?」
「そうだ! 王都に住む人達が、俺たちのような辺鄙の村人なんかに構うはずないから!」
「全く、お前と違って俺たちは生活がかかっているんだ! だから、少しは村の役に立ってほしいもんだ!」
「そうよ! あんたのような余所者をわざわざこの村に置いてあげているんだから!」
(この人たち、この村と王都を繋げているのが一体誰なのか分かっているのかな? まぁ、ここで私が何か言ったとしても、余所者嫌いの人達が聞く耳なんて持ってくれるはずがないんだけど)
村人達の非難に、木こりが静かに溜息を飲み込むと木こりは、不機嫌な村長が手を差し出してきた。
「それで、魔石は?」
「はい、それでしたら……」
魔石が詰まった袋を取りに行こうと踏み出した瞬間、村の中心から村人の声が聞こえた。
「村長! 魔石ならこちらで配っています!」
村人の声に気づいた木こりと村長が揃って目を向けると、そこには多くの村人達が大きな袋の前に一列に並んでいた。
「そうか。それなら、お前に用はないな。さっさと森に帰れ」
「はい、失礼します」
(まぁ、明日も図々しく馬車に大量の荷物を乗せて、大量の買い物リストを押しつけてくるんでしょうけど)
蔑んだ目を向けてくる村長に再び頭を下げた木こりは、すっかり空になった荷台の中を一瞥すると、御者台に乗って森へと馬を走らせた。
「今日も疲れたね、ステイン」
特殊な方法で張られた結界魔法に囲われた森の中に入ると、大きく息を吐いた木こりがステインに声をかける。
すると、ステインが疲れたように軽く嘶いた。
「フフッ、ステインも今日ばかりは疲れたみたいだね。だって、目の前で魔法を連発されたんだから」
いつもは安全な場所で待っているステインにとって、今日の出来事はとても珍しいことだった。
(まぁ、私が魔法を連発されるだけど)
優しく微笑んだ木こりを見て、ステインは不満そうに嘶いた。
「ごめん、ごめん! 目の前で魔法を撃たれて怖かったよね! 本当にごめん!」
(そうよ。馬でも人でも目の前で魔法を撃たれたら誰だって怖いわよね! 私の場合、それが日常茶飯事になってしまってから慣れてしまっただけだった!)
木こりが慌てて謝罪すると、気を良くしたステインが『仕方ないな』と言ったように嘶く。
「本当、ごめん。次から気をつけるから」
肩を落とす主を見たステインが気遣うように軽く嘶くと、鬱蒼とした森の中が急に開け、目の前に二階建てのウッドハウスと2つに連なる小屋が現れた。
「全く、あの子ったら……」
馬小屋の前で荷台から解放されたステインは、一仕事終えたと言わんばかりに元気よく森の中へとかけていった。
(まぁ、日が暮れる前に帰ってくれば良いんだけどね)
愛馬の背中を見送った木こりは、少しだけ苦笑すると村人の分とは別で買って御者台に乗せていた物を持った。
そしてそのまま、我が家の扉を開けると玄関すぐの小さなテーブルに置いた。
「さて、行きますか」
腰に携えていたレイピアを外して入口近くに立てかけると、すぐ近くに置いてあった木剣を手に取って外に出た。
(今日も少しだけ遅くなったけど、今日出会った騎士様達より強くならないと!)
心の中で喝を入れた木こりは、茜色に染まる森の中へと入っていった。
森に入ってしばらく、鍛錬用に使っている場所に着いた木こりは静かに木剣を構えて息を整える。
「フッ! ハッ! ハァッ!!」
誰もいない場所で日課の鍛錬を始めた木こりは、額に汗が滲むことも気にせず見えない敵に向かってひたすらに剣を振り続ける。
『ほらほら、そんな軟弱な剣だと俺やアイツには勝てないぞ~!』
楽しそうな笑みを浮かべて大きな木剣で攻撃を受け流す、銀色の短髪に淡い緑色の瞳をした青年の姿が頭を過り、木こりは大きく横一線に振った。
(分かっています。そんなこと言われなくても分かっておりますよ……リュシアンお兄様)
その後、一頻り剣を振って走り込みをした木こりは、いつものように家路に着いて夕食とお風呂を済ませると、灯りを消してベッドの中に潜り込んだ。
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