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第1章 木こりと騎士は再会する
第45話 魔物討伐へ!(side 平民)
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――時は、騎士団が魔物討伐に行く少し前まで遡る。
「はぁ、今日は疲れたわね」
村長の無茶ぶりで、王都の得意先に村で作った野菜を全て卸し、日が暮れた頃に帰ってきた木こりは、ノロノロと部屋に入るとそのままベッドへダイブした。
(私が村に来た時には、既に村人達が正門前に集まっていて、遠くから銀色の鎧しか見えなかったから、てっきり『悪徳騎士様達が来たのか』と思って慌てて集団の前に出たら……)
「よりにもよって村に来たのはあの人達で、私が来た時には既に村長と話をつけていたなんて」
(というか、断りの手紙が届いていたなら、せめて村人には見せなさいよ)
「やっていることが小狡い。あの村長」
すっかり日が落ち、薄暗くなった部屋で1人愚痴を零した木こりは、ふかふかのベッドの上で大きく溜息をつくと、のろのろと起き上がり身につけていたベレー帽とアイマスクを取ろうと手にかけた。
その時、何かを思い出して手を止める。
「あっ、いつもの鍛錬がまだだった」
(この場所に来てから一度も忘れることが無かった鍛錬を忘れるなんて)
「それも全て、あの村長が無茶ぶりせいね。得意先の店主の嫌そうな顔を見る羽目になのも、村長が無駄に見栄を張って私に無茶ぶりのせいだし。それに……」
頬を膨らませた木こりが急に顔を俯かせると、手にかけてきたベレー帽の唾とアイマスクの端をギュッと握り締める。
「あの人たちが来たせいよ」
恨めしそうに呟いた木こりの表情は、どこか苦しそうにも見えた。
◇◇◇◇◇
「さて、日もすっかり傾いちゃったし、今日は珍しく湖畔近くで鍛錬でもして……っ!」
大きく伸びをした木こりが鍛錬に向かおうとしたベットから離れたその時、胸元から熱と共に赤い光が放たれた。
(ペンダントが赤く光ったということは、魔物が幻覚に惑わされなかったのね!)
『いいですか。この辺りに張った結界は、魔物にだけ幻覚を見せて追い払う効果があります。そのため、結界を突破されることはないのですが……万が一、魔物が結界を突破した場合、このペンダントに嵌め込まれている赤い魔石が熱を持って光ります』
今は亡きネックレスの持ち主の言葉を思い出し、慌てて胸元からペンダントを取り出した木こりは、嵌め込まれた魔石が熱を持ちながら赤く光っていた。
「全く、幻覚に惑わされれば良かったものの……仕方ない、急がないと!」
この世界では、生きとし生けるものには大なり小なり魔力が持っている。
その中で人間以上の魔力を宿し、『動物が人の負の感情が触れたことで変化した』と言われている異形の物を人は【魔物】と呼び、本能に忠実な彼らは魔力を持つものなら人間や動物関係なく躊躇なく襲う。
そんな獰猛で恐ろしい魔物に対抗するためには、属性魔法が付与された【魔武器】と呼ばれる武器を使うか、攻撃系の属性魔法で対抗するしか方法が無い。
だが、魔法がまともに使えず、高価すぎて魔武器が買えない平民には対抗手段がないため、魔物を見つけたら逃げるか食われるかの二択しかなかった。
ちなみに、魔物が現れた時、大抵の場合は第二騎士団か冒険者が討伐を任されている。
(本当は、第二騎士団の詰所か冒険者ギルトに駆け込むべきなのでしょうけど、ここからだと距離があるから私が駆け込んだ頃には村はもう……)
「それに、今のペトロート王国で、騎士様があんな小さな村を救うはずがない。今までだってそうだった。だから、いつも通りエドガスが守った村を私が守らないと。魔物とまともに戦えるのは、私しかいないのだから」
(期待してはダメ。村に来たあの人達が、あの村を救いに来るなんて期待してダメよ)
大きく息を吐いた木こりは急いで外に飛び出し、一直線で馬小屋まで駆けていくと大人しくしていた愛馬に声をかける。
「ステイン。お疲れのところ悪いけど、久しぶりに夜のお仕事よ。行けるかしら?」
入口近く置いてある乗馬用の馬具を手に取って、ステインに近づくと慣れた手つきで馬具を取り付ける。
すると、主の真剣な表情を見たステインが鋭く嘶く。
「さすが、ステイン。頼りにしているわよ」
小さく笑みを零した木こりは、ステインを馬小屋から連れ出すと颯爽と跨って手綱を握った。
「それじゃあ、いつものように私を悪い魔物達のところに連れて行って」
やる気に満ちた笑みを浮かべる木こりに呼応して、威勢よく嘶いたステインは闇に包まれた森の中を颯爽と駆けて行く。
「はぁ、今日は疲れたわね」
村長の無茶ぶりで、王都の得意先に村で作った野菜を全て卸し、日が暮れた頃に帰ってきた木こりは、ノロノロと部屋に入るとそのままベッドへダイブした。
(私が村に来た時には、既に村人達が正門前に集まっていて、遠くから銀色の鎧しか見えなかったから、てっきり『悪徳騎士様達が来たのか』と思って慌てて集団の前に出たら……)
「よりにもよって村に来たのはあの人達で、私が来た時には既に村長と話をつけていたなんて」
(というか、断りの手紙が届いていたなら、せめて村人には見せなさいよ)
「やっていることが小狡い。あの村長」
すっかり日が落ち、薄暗くなった部屋で1人愚痴を零した木こりは、ふかふかのベッドの上で大きく溜息をつくと、のろのろと起き上がり身につけていたベレー帽とアイマスクを取ろうと手にかけた。
その時、何かを思い出して手を止める。
「あっ、いつもの鍛錬がまだだった」
(この場所に来てから一度も忘れることが無かった鍛錬を忘れるなんて)
「それも全て、あの村長が無茶ぶりせいね。得意先の店主の嫌そうな顔を見る羽目になのも、村長が無駄に見栄を張って私に無茶ぶりのせいだし。それに……」
頬を膨らませた木こりが急に顔を俯かせると、手にかけてきたベレー帽の唾とアイマスクの端をギュッと握り締める。
「あの人たちが来たせいよ」
恨めしそうに呟いた木こりの表情は、どこか苦しそうにも見えた。
◇◇◇◇◇
「さて、日もすっかり傾いちゃったし、今日は珍しく湖畔近くで鍛錬でもして……っ!」
大きく伸びをした木こりが鍛錬に向かおうとしたベットから離れたその時、胸元から熱と共に赤い光が放たれた。
(ペンダントが赤く光ったということは、魔物が幻覚に惑わされなかったのね!)
『いいですか。この辺りに張った結界は、魔物にだけ幻覚を見せて追い払う効果があります。そのため、結界を突破されることはないのですが……万が一、魔物が結界を突破した場合、このペンダントに嵌め込まれている赤い魔石が熱を持って光ります』
今は亡きネックレスの持ち主の言葉を思い出し、慌てて胸元からペンダントを取り出した木こりは、嵌め込まれた魔石が熱を持ちながら赤く光っていた。
「全く、幻覚に惑わされれば良かったものの……仕方ない、急がないと!」
この世界では、生きとし生けるものには大なり小なり魔力が持っている。
その中で人間以上の魔力を宿し、『動物が人の負の感情が触れたことで変化した』と言われている異形の物を人は【魔物】と呼び、本能に忠実な彼らは魔力を持つものなら人間や動物関係なく躊躇なく襲う。
そんな獰猛で恐ろしい魔物に対抗するためには、属性魔法が付与された【魔武器】と呼ばれる武器を使うか、攻撃系の属性魔法で対抗するしか方法が無い。
だが、魔法がまともに使えず、高価すぎて魔武器が買えない平民には対抗手段がないため、魔物を見つけたら逃げるか食われるかの二択しかなかった。
ちなみに、魔物が現れた時、大抵の場合は第二騎士団か冒険者が討伐を任されている。
(本当は、第二騎士団の詰所か冒険者ギルトに駆け込むべきなのでしょうけど、ここからだと距離があるから私が駆け込んだ頃には村はもう……)
「それに、今のペトロート王国で、騎士様があんな小さな村を救うはずがない。今までだってそうだった。だから、いつも通りエドガスが守った村を私が守らないと。魔物とまともに戦えるのは、私しかいないのだから」
(期待してはダメ。村に来たあの人達が、あの村を救いに来るなんて期待してダメよ)
大きく息を吐いた木こりは急いで外に飛び出し、一直線で馬小屋まで駆けていくと大人しくしていた愛馬に声をかける。
「ステイン。お疲れのところ悪いけど、久しぶりに夜のお仕事よ。行けるかしら?」
入口近く置いてある乗馬用の馬具を手に取って、ステインに近づくと慣れた手つきで馬具を取り付ける。
すると、主の真剣な表情を見たステインが鋭く嘶く。
「さすが、ステイン。頼りにしているわよ」
小さく笑みを零した木こりは、ステインを馬小屋から連れ出すと颯爽と跨って手綱を握った。
「それじゃあ、いつものように私を悪い魔物達のところに連れて行って」
やる気に満ちた笑みを浮かべる木こりに呼応して、威勢よく嘶いたステインは闇に包まれた森の中を颯爽と駆けて行く。
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