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第1章 木こりと騎士は再会する
第63話 私の敵は……
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「それは、どうしてでしょうか?」
険しい顔をするメストに、木こりは淡々と答える。
「それは、私の相手が主に騎士様だからです」
「騎士、ですか?」
(確かに、彼は王都で様々な愚行騎士と渡り合っているが……この前は、魔物相手に善戦していたじゃないか)
言っている意味が分からず、眉間に皺を寄せたまま首を傾げるメスト。
そんな彼を見て、小さく溜息をついた木こりは視線を木漏れ日が差し込む森に向ける。
「実はこの森、魔物が好むとされている瘴気があまり濃くないのです」
「それは、俺たちも一昨日の魔物討伐でこの森に入って感じました」
「確かに。今だって、魔物が現れそうな瘴気の濃さは感じないね。一昨日張られていなかった結界魔法のお陰もあるかもしれないけど」
「……やはり、見えていたんですね」
「ん? 何か言いました?」
「いえ、別に」
(それにしても、俺たちのいた辺境に比べて、この森の瘴気は明らかに薄い。だから、この森に魔物はあまり出ないだろうが……)
魔物が特に好むとされている瘴気は『人の負の感情が空気中の魔力に触れたことで生まれたもの』とされており、魔物の体を構成していると過言ではないこの瘴気が濃ければ濃いほど魔物が現れやすい。
その瘴気を一昨日の魔物討伐であまり感じなかったことを思い出したメストに対し、改めて森を見渡していたシトリンが何かに気づいて木こりに視線を戻す。
「それじゃあ、騎士達が訓練でよく使われる駐屯地がこの森の近くにあるのもそれが関係しているのかな?」
「そうかもしれません。一昨日みたいにこの森で魔物が出たとしても、どれも弱い魔物ばかりですから、騎士様達の訓練相手にはうってつけなのでしょう」
「確かに」
(とはいえ、剣や魔法の対抗手段を持っていない平民にとって魔物は脅威だと思うけど……やっぱり、この木こり君って普通の平民じゃないよね。レイピア一本と透明な魔力で魔物を討伐出来るし、さっきまでメストと一進一退の攻防を繰り広げていたから)
そんな今更なことを思いつつ、メストの隣で苦笑いを浮かべるシトリンを見て、木こりは再び小さく溜息をつくと目の前にいる2人の騎士を交互に見る。
「ですので、私の相手は主に魔物ではなく騎士様なのです。それも、平民にとって害悪でしかない騎士様を」
「「っ!!」」
底冷えするような冷気を含んだ木こりの言葉に、メストとシトリンは揃って息を呑むと顔を強張らせる。
「ですから、私のようになるということは、あなた様と同じ騎士様を対峙するということになるのですよ?」
(騎士であるあなたに、そんな覚悟はある?)
棘のある言い方で問い質す木こりに、シトリンと共に言葉を無くしていたメストは、小さく唇を噛むとそっと息を吐き、アイスブルーの瞳を目の前にいる人物へ向ける。
「それなら問題無いです」
「どうして、そう言い切れるのですか?」
無表情の木こりに、メストはきっぱりと言い切る。
「それは、アルジムとリースタを連行した時点で、俺は自分の隊にいる騎士以外の騎士達と敵対しているからです」
「っ!?」
メストの言葉に今度は木こりが言葉を無くし、そのままシトリンの方を見ると、真剣な表情で聞いていたシトリンが深く頷く。
実は、メストとシトリンがアルジムの報告を上げた後、2人は王都勤めの騎士達から酷いやっかみを事あるごとに受けていた。
それはどれもとても稚拙なものであったが、その後もリースタの件や2人の騎士の件で報告に上げた時にも、2人は彼らからやっかみを受けたのだ。
ちなみに、木こりとの決闘が決まり、魔物討伐から帰ってきてすぐ、2人は王都勤めの騎士達からやっかみを受けていた。
(それもこれも全て、私に関わってしまったから……)
2人の現状を聞き、顔を俯かせた木こりは悔しそうに下唇を噛むと、それを見たメストが小さく笑みを浮かべる。
険しい顔をするメストに、木こりは淡々と答える。
「それは、私の相手が主に騎士様だからです」
「騎士、ですか?」
(確かに、彼は王都で様々な愚行騎士と渡り合っているが……この前は、魔物相手に善戦していたじゃないか)
言っている意味が分からず、眉間に皺を寄せたまま首を傾げるメスト。
そんな彼を見て、小さく溜息をついた木こりは視線を木漏れ日が差し込む森に向ける。
「実はこの森、魔物が好むとされている瘴気があまり濃くないのです」
「それは、俺たちも一昨日の魔物討伐でこの森に入って感じました」
「確かに。今だって、魔物が現れそうな瘴気の濃さは感じないね。一昨日張られていなかった結界魔法のお陰もあるかもしれないけど」
「……やはり、見えていたんですね」
「ん? 何か言いました?」
「いえ、別に」
(それにしても、俺たちのいた辺境に比べて、この森の瘴気は明らかに薄い。だから、この森に魔物はあまり出ないだろうが……)
魔物が特に好むとされている瘴気は『人の負の感情が空気中の魔力に触れたことで生まれたもの』とされており、魔物の体を構成していると過言ではないこの瘴気が濃ければ濃いほど魔物が現れやすい。
その瘴気を一昨日の魔物討伐であまり感じなかったことを思い出したメストに対し、改めて森を見渡していたシトリンが何かに気づいて木こりに視線を戻す。
「それじゃあ、騎士達が訓練でよく使われる駐屯地がこの森の近くにあるのもそれが関係しているのかな?」
「そうかもしれません。一昨日みたいにこの森で魔物が出たとしても、どれも弱い魔物ばかりですから、騎士様達の訓練相手にはうってつけなのでしょう」
「確かに」
(とはいえ、剣や魔法の対抗手段を持っていない平民にとって魔物は脅威だと思うけど……やっぱり、この木こり君って普通の平民じゃないよね。レイピア一本と透明な魔力で魔物を討伐出来るし、さっきまでメストと一進一退の攻防を繰り広げていたから)
そんな今更なことを思いつつ、メストの隣で苦笑いを浮かべるシトリンを見て、木こりは再び小さく溜息をつくと目の前にいる2人の騎士を交互に見る。
「ですので、私の相手は主に魔物ではなく騎士様なのです。それも、平民にとって害悪でしかない騎士様を」
「「っ!!」」
底冷えするような冷気を含んだ木こりの言葉に、メストとシトリンは揃って息を呑むと顔を強張らせる。
「ですから、私のようになるということは、あなた様と同じ騎士様を対峙するということになるのですよ?」
(騎士であるあなたに、そんな覚悟はある?)
棘のある言い方で問い質す木こりに、シトリンと共に言葉を無くしていたメストは、小さく唇を噛むとそっと息を吐き、アイスブルーの瞳を目の前にいる人物へ向ける。
「それなら問題無いです」
「どうして、そう言い切れるのですか?」
無表情の木こりに、メストはきっぱりと言い切る。
「それは、アルジムとリースタを連行した時点で、俺は自分の隊にいる騎士以外の騎士達と敵対しているからです」
「っ!?」
メストの言葉に今度は木こりが言葉を無くし、そのままシトリンの方を見ると、真剣な表情で聞いていたシトリンが深く頷く。
実は、メストとシトリンがアルジムの報告を上げた後、2人は王都勤めの騎士達から酷いやっかみを事あるごとに受けていた。
それはどれもとても稚拙なものであったが、その後もリースタの件や2人の騎士の件で報告に上げた時にも、2人は彼らからやっかみを受けたのだ。
ちなみに、木こりとの決闘が決まり、魔物討伐から帰ってきてすぐ、2人は王都勤めの騎士達からやっかみを受けていた。
(それもこれも全て、私に関わってしまったから……)
2人の現状を聞き、顔を俯かせた木こりは悔しそうに下唇を噛むと、それを見たメストが小さく笑みを浮かべる。
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