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第2章 木こりと騎士は鍛錬する
第76話 帰還報告
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コンコンコン
「入れ」
「失礼します」
団長室に入ってきたグレアを見て、書類との格闘を止めたフェビルが顔を上げる。
「団長、ただいま戻りました」
「あぁ、ご苦労さん」
グレアの帰還に内心安堵したフェビルは、椅子から立ち上がると来客用のティーカップセットが置いてある棚に近づく。
「あぁ、紅茶でしたら私が入れます。団長の淹れる紅茶は、なぜか不味いんですよね」
「そうか。なら頼む」
「かしこまりました」
「悪いな」
「いえいえ」
深々とお辞儀をしたグレアが持っていた書類を近くのローテーブルに置くと、棚からティーカップなどを取り出して紅茶を淹れ始める。
それを見て小さく溜息をついたフェビルは、部屋の中央に置いてある応接用ソファーに深く腰掛けると、グレアが置いた書類を手に取って目を通す。
「それで、あっちの訓練はどうだった?」
「それに関しては、団長が既に目を通されている書類に記載している通りですよ」
「ちげぇよ。俺が聞いているのは、陛下や宰相に向けた報告じゃなくて、お前から見た訓練の感想だ。どうせ、ここに書いているものは、当たり障りの無い内容のものだろうが」
(さすが団長。伊達に長い付き合いはしておりませんね)
退屈そうな顔で書類を読むフェビルを一瞥し、小さく苦笑したグレアはローテーブルに2人分の紅茶を置き、反対側のソファーに腰を下ろす。
「おっ、ありがとうな」
「いえ、これくらいは……それで本題ですが、単刀直入に申し上げますと、今回の訓練で改めて第二騎士団上がりの騎士と王都勤めの騎士の実力差があまりにも大きすぎることを痛感致しました」
「まぁ、そうだろうな」
書類をローテーブルに投げたフェビルは、グレアが淹れた紅茶を一気飲みすると深く溜息をつく。
「訓練前に一度、抜き打ちで剣を交えてみたが、第二騎士団で一緒だった奴らと王都勤めの奴らとでは、明らかに動きが違っていた」
「私が知らないところで、そんなことをしていらっしゃったのですか?」
「とは言っても、暇つぶし程度だが」
(『暇つぶし』って……あなた、自分の机に薄高く積まれている書類の山を見てもそう思われるのですか?)
フェビルの机に積まれている未決裁の書類の山を横目で見て、グレアが小さく溜息をつくと、不意に訓練初日の夜に起きた出来事が頭を過る。
「それと、訓練初日の夜に魔物の大群の討伐を行いました」
「それなら、お前からの定期報告で知っている。あまり出ないと言われている森に魔物が……それも、大群でリアスタ村に押し寄せようとしたんだよな?」
「おっしゃるとおりです」
書類から目を離さないフェビルに対し、真剣な表情で小さく頷いたグレアはあの夜のことを簡潔に報告する。
「魔物単体の強さは、たいしたものではありませんでした。なので、普段からぬるま湯に浸かっている騎士が大半を占めていた隊でも問題無く討伐出来ました」
「それも定期報告で聞いた」
「そう、でしたね。ですが……」
「ん?」
グレアの含みのある言い方に何かを感じたフェビルは、顔を上げると持っていた書類を自分の横に置く。
「これは、定期報告にもそちらの報告書にも書いていませんが……駐屯地から魔物の出現を確認した際、例の平民が魔物の数を減らしていたとのことです」
「入れ」
「失礼します」
団長室に入ってきたグレアを見て、書類との格闘を止めたフェビルが顔を上げる。
「団長、ただいま戻りました」
「あぁ、ご苦労さん」
グレアの帰還に内心安堵したフェビルは、椅子から立ち上がると来客用のティーカップセットが置いてある棚に近づく。
「あぁ、紅茶でしたら私が入れます。団長の淹れる紅茶は、なぜか不味いんですよね」
「そうか。なら頼む」
「かしこまりました」
「悪いな」
「いえいえ」
深々とお辞儀をしたグレアが持っていた書類を近くのローテーブルに置くと、棚からティーカップなどを取り出して紅茶を淹れ始める。
それを見て小さく溜息をついたフェビルは、部屋の中央に置いてある応接用ソファーに深く腰掛けると、グレアが置いた書類を手に取って目を通す。
「それで、あっちの訓練はどうだった?」
「それに関しては、団長が既に目を通されている書類に記載している通りですよ」
「ちげぇよ。俺が聞いているのは、陛下や宰相に向けた報告じゃなくて、お前から見た訓練の感想だ。どうせ、ここに書いているものは、当たり障りの無い内容のものだろうが」
(さすが団長。伊達に長い付き合いはしておりませんね)
退屈そうな顔で書類を読むフェビルを一瞥し、小さく苦笑したグレアはローテーブルに2人分の紅茶を置き、反対側のソファーに腰を下ろす。
「おっ、ありがとうな」
「いえ、これくらいは……それで本題ですが、単刀直入に申し上げますと、今回の訓練で改めて第二騎士団上がりの騎士と王都勤めの騎士の実力差があまりにも大きすぎることを痛感致しました」
「まぁ、そうだろうな」
書類をローテーブルに投げたフェビルは、グレアが淹れた紅茶を一気飲みすると深く溜息をつく。
「訓練前に一度、抜き打ちで剣を交えてみたが、第二騎士団で一緒だった奴らと王都勤めの奴らとでは、明らかに動きが違っていた」
「私が知らないところで、そんなことをしていらっしゃったのですか?」
「とは言っても、暇つぶし程度だが」
(『暇つぶし』って……あなた、自分の机に薄高く積まれている書類の山を見てもそう思われるのですか?)
フェビルの机に積まれている未決裁の書類の山を横目で見て、グレアが小さく溜息をつくと、不意に訓練初日の夜に起きた出来事が頭を過る。
「それと、訓練初日の夜に魔物の大群の討伐を行いました」
「それなら、お前からの定期報告で知っている。あまり出ないと言われている森に魔物が……それも、大群でリアスタ村に押し寄せようとしたんだよな?」
「おっしゃるとおりです」
書類から目を離さないフェビルに対し、真剣な表情で小さく頷いたグレアはあの夜のことを簡潔に報告する。
「魔物単体の強さは、たいしたものではありませんでした。なので、普段からぬるま湯に浸かっている騎士が大半を占めていた隊でも問題無く討伐出来ました」
「それも定期報告で聞いた」
「そう、でしたね。ですが……」
「ん?」
グレアの含みのある言い方に何かを感じたフェビルは、顔を上げると持っていた書類を自分の横に置く。
「これは、定期報告にもそちらの報告書にも書いていませんが……駐屯地から魔物の出現を確認した際、例の平民が魔物の数を減らしていたとのことです」
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