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第2章 木こりと騎士は鍛錬する
第91話 愛馬自慢
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「カミルの相棒は随分と賢くて大人しいな。俺の相棒も、見習って欲しいものだ」
月明かり差し込む森の中、手綱を握って歩いているカミルに合わせて歩くステインは、後ろにいるメストに対して時折、気遣うような視線を向ける。
そんなステインと目が合ったメストは、小さく笑みを浮かべながら褒めると、ステインが機嫌良く鼻を鳴らし、それを傍で聞いていたカミルはメストに目を向ける。
「あなた様の愛馬は賢くないのですか? 近衛騎士様の馬なのですから、主人に対してそれなりの忠誠心と賢さが必要だと思いますが?」
「ハハッ、確かに俺の愛馬……マックスって言うんだが、カミルの相棒と同じくらい賢くて、騎士に仕える馬としてはそれなりに忠誠心が高い誇り高い馬だ」
「そうなんですね」
「だが、いかんせん、好奇心旺盛な性格だから、魔物討伐が終わるとすぐにどこかに出かけてしまいそうになるんだ」
「それはまた……」
思わず苦笑を漏らすメストの話を聞いて、既視感を覚えたカミルは、ご機嫌なステインを一瞥すると噴き出すのを堪えるように小さく微笑む。
「まるで、仕事から戻ってきた後のステインみたいです」
「そうなのか? とても素直で大人しそうだが」
ステインを見て驚くメストを見て、カミルは笑みを深めると頷いた。
「はい。この子も、仕事が終わるとすぐに森へ散歩に行きますから」
「そうか。だが、大丈夫なのか? 万が一にでも、魔物が出たら……」
「大丈夫ですよ」
心配そうに見てきたメストに、カミルは視線を前に向けたままきっぱりと言い切る。
「ステインには『魔物に出会った時には、急いで戻ってくるように』と言い聞かせています。それに、賢い彼なら危機を察知してすぐさま私のところに来ますから」
「そうなんだな。やっぱり、ステイン君は賢い馬だな」
「えぇ、とても賢くて素直で好奇心旺盛な子です」
僅かに口角を上げたカミルの横顔を見て、思わず目を見開いたメストは優しく微笑むとステインに視線を戻す。
「いつか、お互いの相棒を会わせてみたいな」
「そう、ですね……」
「カミル?」
(そんな日が来たら、どれだけ嬉しいことだろうか?)
僅かに表情を曇らせるカミルを見て、後ろを歩いていたメストが慌ててカミルの隣に駆け寄る。
「カミル。俺、何か気に障ったことを……」
「言っていませんよ」
「そ、そうか……?」
(だが、一瞬だけ寂しそうな顔が見えたような)
心配そう眉を顰めるメストに、少しだけ胸を痛めたカミルは、暗くなった空気を変えようとマックスの話題に戻す。
「それにしても、あなた様の相棒は、ステインと同じやんちゃな一面を持っているのですね」
「あ、あぁ……そうだな。でも、魔物討伐の時はとても頼りにしている。魔物を見ても全く怖気づかないし、討伐している間は馬上に乗っている俺を支えてくれているから」
「そうなんですね」
(さすが、騎士に仕える馬ね。でも、それくらいの度胸が無いと、騎士が命を預けることが出来ないのね。それに……)
誇らしげに相棒のことを話すメストの横顔に、僅かに目を伏せたカミルはゆっくりと機嫌よく歩くステインに目を向ける。
「私も、ステインのことを頼りにしています。ですから、あなた様が愛馬のことを頼りにしている気持ちは何となく分かります」
「そうか……そう言えば、その子の名前、『ステイン』って言うんだな。主人へ寄り添う彼にピッタリな名前だ」
「そうですね」
(なにせ、お父様に心からの忠誠を誓っていたエドガスがつけた名前なのだから)
メストからステインの名前を褒められ、亡き恩人のことを思い出したカミルは小さく微笑む。
そんな彼の横顔を見たメストは、一瞬目を丸くすると愛しいものを見るような目で優しく笑みを零す。
月明かり差し込む森の中、手綱を握って歩いているカミルに合わせて歩くステインは、後ろにいるメストに対して時折、気遣うような視線を向ける。
そんなステインと目が合ったメストは、小さく笑みを浮かべながら褒めると、ステインが機嫌良く鼻を鳴らし、それを傍で聞いていたカミルはメストに目を向ける。
「あなた様の愛馬は賢くないのですか? 近衛騎士様の馬なのですから、主人に対してそれなりの忠誠心と賢さが必要だと思いますが?」
「ハハッ、確かに俺の愛馬……マックスって言うんだが、カミルの相棒と同じくらい賢くて、騎士に仕える馬としてはそれなりに忠誠心が高い誇り高い馬だ」
「そうなんですね」
「だが、いかんせん、好奇心旺盛な性格だから、魔物討伐が終わるとすぐにどこかに出かけてしまいそうになるんだ」
「それはまた……」
思わず苦笑を漏らすメストの話を聞いて、既視感を覚えたカミルは、ご機嫌なステインを一瞥すると噴き出すのを堪えるように小さく微笑む。
「まるで、仕事から戻ってきた後のステインみたいです」
「そうなのか? とても素直で大人しそうだが」
ステインを見て驚くメストを見て、カミルは笑みを深めると頷いた。
「はい。この子も、仕事が終わるとすぐに森へ散歩に行きますから」
「そうか。だが、大丈夫なのか? 万が一にでも、魔物が出たら……」
「大丈夫ですよ」
心配そうに見てきたメストに、カミルは視線を前に向けたままきっぱりと言い切る。
「ステインには『魔物に出会った時には、急いで戻ってくるように』と言い聞かせています。それに、賢い彼なら危機を察知してすぐさま私のところに来ますから」
「そうなんだな。やっぱり、ステイン君は賢い馬だな」
「えぇ、とても賢くて素直で好奇心旺盛な子です」
僅かに口角を上げたカミルの横顔を見て、思わず目を見開いたメストは優しく微笑むとステインに視線を戻す。
「いつか、お互いの相棒を会わせてみたいな」
「そう、ですね……」
「カミル?」
(そんな日が来たら、どれだけ嬉しいことだろうか?)
僅かに表情を曇らせるカミルを見て、後ろを歩いていたメストが慌ててカミルの隣に駆け寄る。
「カミル。俺、何か気に障ったことを……」
「言っていませんよ」
「そ、そうか……?」
(だが、一瞬だけ寂しそうな顔が見えたような)
心配そう眉を顰めるメストに、少しだけ胸を痛めたカミルは、暗くなった空気を変えようとマックスの話題に戻す。
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「あ、あぁ……そうだな。でも、魔物討伐の時はとても頼りにしている。魔物を見ても全く怖気づかないし、討伐している間は馬上に乗っている俺を支えてくれているから」
「そうなんですね」
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「私も、ステインのことを頼りにしています。ですから、あなた様が愛馬のことを頼りにしている気持ちは何となく分かります」
「そうか……そう言えば、その子の名前、『ステイン』って言うんだな。主人へ寄り添う彼にピッタリな名前だ」
「そうですね」
(なにせ、お父様に心からの忠誠を誓っていたエドガスがつけた名前なのだから)
メストからステインの名前を褒められ、亡き恩人のことを思い出したカミルは小さく微笑む。
そんな彼の横顔を見たメストは、一瞬目を丸くすると愛しいものを見るような目で優しく笑みを零す。
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