98 / 606
第2章 木こりと騎士は鍛錬する
第94話 泊まる上での注意事項
しおりを挟む
「へぇ、二階は個室しかないんだな」
「そうですね」
ランタンを持ったカミルに連れられ、二階に上がったメストは4つの扉を見て感心する。
そんなメストを一瞥したカミルは、短い廊下を歩くとある扉の前に立ち止まる。
「こちらが、本日泊っていただくお部屋になります」
「ありがとう。何だかまるで、立派な宿屋に来たみたいだな」
「それにしては、随分とお客様思いではない宿屋だと思いますが」
「ハハッ、違いない」
楽しそうに笑うメストに、僅かに目を伏せたカミルはランタンを持っている反対の手でポケットを探って鍵を取り出す。
そして、扉を開けるとポケットから雷の魔石を取り出し、部屋の入口近くの窪みに魔石を嵌め込む。
すると、窓から差し込む月明かりに照らされた部屋が一気に明るくなった。
「こちらです」
「失礼します……って、おぉ!!」
カミルに促されて客室に入ったメストは、シンプルでありつつも綺麗に整えられている室内に目を輝かせる。
「シンプルながらも素敵な部屋だ! 俺は好きだぞ!」
「あ、ありがとうございます……」
(まさか、ここまで褒めてもらえるなんて!)
メストの『好きだ』に思わず頬を赤らめたカミルは、慌てて小さく息を吐くと無表情に戻してメストの方へ視線を戻した。
「本日、我が家へ泊まられるとのことでしたので、あらかじめお掃除しておきました」
「それで時間が欲しかったわけだな。本当にありがとう!!」
「いえ、これくらい当たり前のことですから」
(まぁ、本当は自分の正体がバレない家にしたくて時間が欲しかったなんだけど)
メストが泊りに来るまでの1週間、カミルは自分の正体がバレないように一階に置いてある私物を二階の自室に移動させたり、空き部屋を客室に模様替えしたりするなどしていた。
「それと、夜になりますと二階の廊下はとても暗くなりますので、一階に降りられる際は、机の上にあるランタンと火の魔石を使って降りてきてください」
「分かった。わざわざ準備してくれてありがとう」
本日何度目かのお礼を言ったメストは、持ってきた荷物を机の上に置くと、すぐ傍にあるシングルベッドの上に腰かける。
「おぉ、スプリングも効いていてシーツの肌触りも最高だ!」
「それは良かったです。あと、この部屋にある本棚の本は好きに読んでいただいても構いませんのでご自由にお読みください」
「ありがとう。この本もカミルが用意してくれたのか?」
「えっ? えぇ……まぁ、そう、ですね……」
「カミル?」
(急に歯切れが悪くなったがどうした?)
気まずそうに少しだけ顔を俯かせたカミルに、メストは眉を顰めながら首を傾げる。
すると、軽く咳払いをしたカミルが視線を戻すと持っていた鍵をメストに渡す。
「こちらが、この部屋の鍵です。くれぐれも無くさないようにしてください」
「分かった。大切にする」
カミルから鍵を受け取り、きつく握り締しめたメストは真剣な表情で頷く。
それを見たカミルは、再び咳払いをすると家に泊まるにあたっての注意事項を伝える。
それは、メストがこの家に泊まると分かってからずっと考えていたことだった。
「そして、この家に泊まるにあたってのいくつか注意事項があります」
「注意事項?」
(そんなものまで作っていたのか。まぁ、他人様の家に泊まるから、それくらいあって当然だよな)
「はい。まず、二階に関しては客室以外の部屋には絶対に入らないでください。見られたら色々と困るものがありますので」
「分かった」
「あと、お風呂は必ず1人ずつ入るようにします。これは……個人的な事情でありますので」
「そ、そうか。そういうことなら了解した」
(俺としては、男同士なんだから別に一緒に入っても構わないと思うが……カミルって、とても几帳面なんだな。まぁ、単に俺が騎士の生活に慣れすぎてしまったから気にしないだけなのかもしれない)
『本当は正体がバレたくないから』という切実な理由があるからなど知る由もないメストは、カミルからの注意事項を全て頭に叩き込んだ。
「では、私は今から夕食の準備……あぁ、その前にお風呂の準備をしないといけないですね。すみません、もう少し時間がかかりますので、あなた様はこちらでくつろいでいただいて……」
「ちょっと待ってくれ」
「どうされました?」
(今日から俺は、休みの度にこの家へ泊まりに来る。ならば、家主であるカミルの手伝いをしないといけないだろうが!)
不思議そうに首を傾げるカミルに、姿勢を正したメストが真剣な表情で恐る恐る口を開く。
「もし、もしカミルが迷惑でなければ、俺も風呂か料理を手伝ってもいいか?」
「それは、とてもありがたい申し出ではあります」
「なら……!」
「ですが、先程も申し上げましたが、お仕事や慣れない道を歩いてお疲れですので、ゆっくりされた方がよろしいかと」
(木こりと違い、騎士はかなりハードな仕事だって聞いたことがある)
騎士であるメストのことを気遣うカミル。
そんなカミルの優しさに、メストは小さく笑みを零す。
「それはお互い様だろ? それに、カミルの手伝いも鍛錬の一環だと思えば、俺としても良い鍛錬になる」
「家事の手伝いが、一体どういう鍛錬になるか分かりませんが……」
(でもまぁ、ここまで言ってくれているのだからここで無下にするわけにはいかないわよね)
僅かに口角を上げたカミルは、メストの申し出をありがたく受け入れることにした。
「でしたら、お風呂の準備をお願いしてもよろしいでしょうか? やり方は教えますし、お風呂の準備が出来たらすぐに入れますから」
「分かった!」
そうして、バッグからお風呂道具と着替えを取り出し、ランタンを持って部屋の明かりを消したメストは、カミルと共に一階へ降りた。
「そうですね」
ランタンを持ったカミルに連れられ、二階に上がったメストは4つの扉を見て感心する。
そんなメストを一瞥したカミルは、短い廊下を歩くとある扉の前に立ち止まる。
「こちらが、本日泊っていただくお部屋になります」
「ありがとう。何だかまるで、立派な宿屋に来たみたいだな」
「それにしては、随分とお客様思いではない宿屋だと思いますが」
「ハハッ、違いない」
楽しそうに笑うメストに、僅かに目を伏せたカミルはランタンを持っている反対の手でポケットを探って鍵を取り出す。
そして、扉を開けるとポケットから雷の魔石を取り出し、部屋の入口近くの窪みに魔石を嵌め込む。
すると、窓から差し込む月明かりに照らされた部屋が一気に明るくなった。
「こちらです」
「失礼します……って、おぉ!!」
カミルに促されて客室に入ったメストは、シンプルでありつつも綺麗に整えられている室内に目を輝かせる。
「シンプルながらも素敵な部屋だ! 俺は好きだぞ!」
「あ、ありがとうございます……」
(まさか、ここまで褒めてもらえるなんて!)
メストの『好きだ』に思わず頬を赤らめたカミルは、慌てて小さく息を吐くと無表情に戻してメストの方へ視線を戻した。
「本日、我が家へ泊まられるとのことでしたので、あらかじめお掃除しておきました」
「それで時間が欲しかったわけだな。本当にありがとう!!」
「いえ、これくらい当たり前のことですから」
(まぁ、本当は自分の正体がバレない家にしたくて時間が欲しかったなんだけど)
メストが泊りに来るまでの1週間、カミルは自分の正体がバレないように一階に置いてある私物を二階の自室に移動させたり、空き部屋を客室に模様替えしたりするなどしていた。
「それと、夜になりますと二階の廊下はとても暗くなりますので、一階に降りられる際は、机の上にあるランタンと火の魔石を使って降りてきてください」
「分かった。わざわざ準備してくれてありがとう」
本日何度目かのお礼を言ったメストは、持ってきた荷物を机の上に置くと、すぐ傍にあるシングルベッドの上に腰かける。
「おぉ、スプリングも効いていてシーツの肌触りも最高だ!」
「それは良かったです。あと、この部屋にある本棚の本は好きに読んでいただいても構いませんのでご自由にお読みください」
「ありがとう。この本もカミルが用意してくれたのか?」
「えっ? えぇ……まぁ、そう、ですね……」
「カミル?」
(急に歯切れが悪くなったがどうした?)
気まずそうに少しだけ顔を俯かせたカミルに、メストは眉を顰めながら首を傾げる。
すると、軽く咳払いをしたカミルが視線を戻すと持っていた鍵をメストに渡す。
「こちらが、この部屋の鍵です。くれぐれも無くさないようにしてください」
「分かった。大切にする」
カミルから鍵を受け取り、きつく握り締しめたメストは真剣な表情で頷く。
それを見たカミルは、再び咳払いをすると家に泊まるにあたっての注意事項を伝える。
それは、メストがこの家に泊まると分かってからずっと考えていたことだった。
「そして、この家に泊まるにあたってのいくつか注意事項があります」
「注意事項?」
(そんなものまで作っていたのか。まぁ、他人様の家に泊まるから、それくらいあって当然だよな)
「はい。まず、二階に関しては客室以外の部屋には絶対に入らないでください。見られたら色々と困るものがありますので」
「分かった」
「あと、お風呂は必ず1人ずつ入るようにします。これは……個人的な事情でありますので」
「そ、そうか。そういうことなら了解した」
(俺としては、男同士なんだから別に一緒に入っても構わないと思うが……カミルって、とても几帳面なんだな。まぁ、単に俺が騎士の生活に慣れすぎてしまったから気にしないだけなのかもしれない)
『本当は正体がバレたくないから』という切実な理由があるからなど知る由もないメストは、カミルからの注意事項を全て頭に叩き込んだ。
「では、私は今から夕食の準備……あぁ、その前にお風呂の準備をしないといけないですね。すみません、もう少し時間がかかりますので、あなた様はこちらでくつろいでいただいて……」
「ちょっと待ってくれ」
「どうされました?」
(今日から俺は、休みの度にこの家へ泊まりに来る。ならば、家主であるカミルの手伝いをしないといけないだろうが!)
不思議そうに首を傾げるカミルに、姿勢を正したメストが真剣な表情で恐る恐る口を開く。
「もし、もしカミルが迷惑でなければ、俺も風呂か料理を手伝ってもいいか?」
「それは、とてもありがたい申し出ではあります」
「なら……!」
「ですが、先程も申し上げましたが、お仕事や慣れない道を歩いてお疲れですので、ゆっくりされた方がよろしいかと」
(木こりと違い、騎士はかなりハードな仕事だって聞いたことがある)
騎士であるメストのことを気遣うカミル。
そんなカミルの優しさに、メストは小さく笑みを零す。
「それはお互い様だろ? それに、カミルの手伝いも鍛錬の一環だと思えば、俺としても良い鍛錬になる」
「家事の手伝いが、一体どういう鍛錬になるか分かりませんが……」
(でもまぁ、ここまで言ってくれているのだからここで無下にするわけにはいかないわよね)
僅かに口角を上げたカミルは、メストの申し出をありがたく受け入れることにした。
「でしたら、お風呂の準備をお願いしてもよろしいでしょうか? やり方は教えますし、お風呂の準備が出来たらすぐに入れますから」
「分かった!」
そうして、バッグからお風呂道具と着替えを取り出し、ランタンを持って部屋の明かりを消したメストは、カミルと共に一階へ降りた。
6
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
追放された落ちこぼれ令嬢ですが、氷血公爵様と辺境でスローライフを始めたら、天性の才能で領地がとんでもないことになっちゃいました!!
六角
恋愛
「君は公爵夫人に相応しくない」――王太子から突然婚約破棄を告げられた令嬢リナ。濡れ衣を着せられ、悪女の烙印を押された彼女が追放された先は、"氷血公爵"と恐れられるアレクシスが治める極寒の辺境領地だった。
家族にも見捨てられ、絶望の淵に立たされたリナだったが、彼女には秘密があった。それは、前世の知識と、誰にも真似できない天性の《領地経営》の才能!
「ここなら、自由に生きられるかもしれない」
活気のない領地に、リナは次々と革命を起こしていく。寂れた市場は活気あふれる商業区へ、痩せた土地は黄金色の麦畑へ。彼女の魔法のような手腕に、最初は冷ややかだった領民たちも、そして氷のように冷たいはずのアレクシスも、次第に心を溶かされていく。
「リナ、君は私の領地だけの女神ではない。……私だけの、女神だ」
【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~
ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。
騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。
母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。
そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。
望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。
※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。
※表紙画像はAIで作成したものです
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる