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第3章 木こりは距離を縮め、宮廷魔法師は陥れられる
第164話 喧嘩勃発!!
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「『彼のところ』って、もしかして君の知り合いである平民のいるところか?」
首を傾げるルベルからの問いに、メストは小さく頷く。
「はい。実は私、半年ほど前から休みの度に彼の家に泊まっているのです」
「はぁ!?」
(貴族が平民に弟子入りするだけでなく、平民の家に泊まるなんて信じられない! それも休みの度に!)
メストの言葉に驚きの声を上げたカトレアは、眉を吊り上げると驚いた顔をするメストに詰め寄る。
「メスト様。まさか、ダリアがデートに誘っても応じてくれないから、『ダリアのことを放っておいて置いても良いだろう』って勝手に決めつけて、休みの度にあんなみすぼらしい平民のところに行っていたのですか!?」
(休みの日が決まる度にメスト様が婚約者のダリアを誘っても、ダリアが何だかんだと断っていると聞いたから、てっきりダリアからの誘いを待っているのかと思っていたら……まさか、意図的に放っておいたなんて!)
憤慨するカトレアに呼応するように、メストは今の今まで抑えていた怒りを爆発させる。
「カトレア嬢、いい加減カミルのことを『みすぼらしい平民』と呼んで、彼を貶さないでもらおうか!」
「何ですか! 平民を『みすぼらしい平民』と呼んで何が悪いのですか!」
「悪いに決まっているのだろう! 彼は、俺と共にリアスタ村へ侵攻する数多の魔物をレイピア一本で屠った、勇気ある平民なんだぞ!」
「ハッ! たかが平民如きが魔物を屠る? 笑わせないで下さいよ。初級魔法もまともに使えない平民が、魔物を屠るなんて出来るわけないわ!!」
カミルの行ったことを『平民』という理由で信じられないカトレアに、更に頭に血が上ったメストは先程まで魔石の絨毯が敷かれていた地面を指差す。
「それじゃあ、あの場所に大量に落ちていた魔石は何だ!? いくら俺が魔物討伐に長けている近衛騎士だとしても、宮廷魔法師団が来る前までに、1人であんな多くの魔物を討伐出来るわけがないだろうが!!」
「そ、それは……」
(確かに、いくらラピスより強いメスト様でも、私たちが来る前にあの数の魔物を討伐しているとは思えない)
「って、話題をすり替えないでください! 私は、どうしてあなたが意図的に婚約者のことを放って、休みの度に平民のところに行っているのかと聞いているんです!」
「そんなわけないだろうが! ダリアから誘いがあれば、ちゃんと行く! そのことは、カミルにも伝えている!」
「それじゃあ、メスト様が休みの度にちゃんとダリアをデートにお誘いをし、ダリアに断られた上で、あのみすぼらしい平民のところに行っているのですね!」
(それならまぁ、ギリギリ納得出来るけど)
その時、メストの表情が一気に冷めたものになる。
「もしかして、ダリアかラピスから聞いていないのか? 俺からデートに誘わなくなったことを」
「えっ?」
メストから冷たい目を向けられ、怒りで沸騰していたカトレアの頭が冷えた瞬間、カトレアの脳裏につい最近、ラピスから聞いた話が蘇る。
『ダリアが、メスト様から誘われたデートを断っているの?』
『あぁ、『いきなりデートに誘われても困ります!』って、誘われる度にわざわざ騎士団本部まで来て』
『それはまた……』
『それで、半年ぐらい前からだろうか。宰相閣下が隊長を王宮に呼び出して『もう二度、娘をデートに誘わないで欲しい!』って言ったそうだ』
『そうなの!?』
『そうらしい。それからダリア嬢をデートに誘っていないそうだ』
(そうだった。宰相閣下に言われてから、メスト様はダリアをデートに誘わなくなったんだったわ)
「どうやら、その様子だと聞いていたみたいだな」
「……はい、ラピスからつい最近聞きました」
「そうか」
(そして、ついさっき聞いてしまった。ダリアがなぜメスト様のデートを断る理由を)
『私、婚約者に縛られる生活が嫌なの! だから、私の都合を婚約者に合わせるなんて絶対無理!』
(きっと、メスト様も知らない。ダリアが本当はメスト様の都合に合わせるのが嫌だから断っているなんて)
つい最近に聞いたラピスの話と今日聞いたダリアの本心を思い出したカトレアは、気まずそうに顔を背けると拳を強く握る。
そんな彼女の様子を見て、小さく笑みを零したメストは、カトレアの隣で唖然とした表情で聞いていたルベルに向かって頭を下げる。
「それでは、ルベル団長。私は、これにて失礼致します。恐らく、あの森の奥で彼が愛馬を一緒に、俺のことを待っていると思いますから」
「……そうか、分かった」
「あと、このことは団長には伝えないでくれませんか? 団長のことですから、恐らく分かっているとは思いますが……」
「あぁ、分かった」
「ありがとうございます」
律儀に礼をするメストを見て、ルベルはカミルに魔物討伐へ協力してくれた礼と、カトレアが無礼を働いたことに対しての謝罪をしていなかったことを思い出す。
「メスト君、俺からも頼み事があるのだが良いだろうか?」
「はい、何でしょうか?」
顔を上げたメストが首を傾げると、ルベルが申し訳なさそうな顔で頼み事をする。
「平民の彼に『魔物討伐に協力してくれてありがとう。そして、うちの部下が君に危害を加えようとしてすまなかった』と伝えていてもらえないか? 本当は、俺が言うべきことなのだが」
「そういうことでしたらお任せください」
「すまないな」
「いえ、では失礼致します」
そう言うと、メストはカミルの後を追うように暗い森の中へと入っていく。
その頃、カミルは暗い森の中で1人、魔物討伐のことを思い返しながら歩いていた。
首を傾げるルベルからの問いに、メストは小さく頷く。
「はい。実は私、半年ほど前から休みの度に彼の家に泊まっているのです」
「はぁ!?」
(貴族が平民に弟子入りするだけでなく、平民の家に泊まるなんて信じられない! それも休みの度に!)
メストの言葉に驚きの声を上げたカトレアは、眉を吊り上げると驚いた顔をするメストに詰め寄る。
「メスト様。まさか、ダリアがデートに誘っても応じてくれないから、『ダリアのことを放っておいて置いても良いだろう』って勝手に決めつけて、休みの度にあんなみすぼらしい平民のところに行っていたのですか!?」
(休みの日が決まる度にメスト様が婚約者のダリアを誘っても、ダリアが何だかんだと断っていると聞いたから、てっきりダリアからの誘いを待っているのかと思っていたら……まさか、意図的に放っておいたなんて!)
憤慨するカトレアに呼応するように、メストは今の今まで抑えていた怒りを爆発させる。
「カトレア嬢、いい加減カミルのことを『みすぼらしい平民』と呼んで、彼を貶さないでもらおうか!」
「何ですか! 平民を『みすぼらしい平民』と呼んで何が悪いのですか!」
「悪いに決まっているのだろう! 彼は、俺と共にリアスタ村へ侵攻する数多の魔物をレイピア一本で屠った、勇気ある平民なんだぞ!」
「ハッ! たかが平民如きが魔物を屠る? 笑わせないで下さいよ。初級魔法もまともに使えない平民が、魔物を屠るなんて出来るわけないわ!!」
カミルの行ったことを『平民』という理由で信じられないカトレアに、更に頭に血が上ったメストは先程まで魔石の絨毯が敷かれていた地面を指差す。
「それじゃあ、あの場所に大量に落ちていた魔石は何だ!? いくら俺が魔物討伐に長けている近衛騎士だとしても、宮廷魔法師団が来る前までに、1人であんな多くの魔物を討伐出来るわけがないだろうが!!」
「そ、それは……」
(確かに、いくらラピスより強いメスト様でも、私たちが来る前にあの数の魔物を討伐しているとは思えない)
「って、話題をすり替えないでください! 私は、どうしてあなたが意図的に婚約者のことを放って、休みの度に平民のところに行っているのかと聞いているんです!」
「そんなわけないだろうが! ダリアから誘いがあれば、ちゃんと行く! そのことは、カミルにも伝えている!」
「それじゃあ、メスト様が休みの度にちゃんとダリアをデートにお誘いをし、ダリアに断られた上で、あのみすぼらしい平民のところに行っているのですね!」
(それならまぁ、ギリギリ納得出来るけど)
その時、メストの表情が一気に冷めたものになる。
「もしかして、ダリアかラピスから聞いていないのか? 俺からデートに誘わなくなったことを」
「えっ?」
メストから冷たい目を向けられ、怒りで沸騰していたカトレアの頭が冷えた瞬間、カトレアの脳裏につい最近、ラピスから聞いた話が蘇る。
『ダリアが、メスト様から誘われたデートを断っているの?』
『あぁ、『いきなりデートに誘われても困ります!』って、誘われる度にわざわざ騎士団本部まで来て』
『それはまた……』
『それで、半年ぐらい前からだろうか。宰相閣下が隊長を王宮に呼び出して『もう二度、娘をデートに誘わないで欲しい!』って言ったそうだ』
『そうなの!?』
『そうらしい。それからダリア嬢をデートに誘っていないそうだ』
(そうだった。宰相閣下に言われてから、メスト様はダリアをデートに誘わなくなったんだったわ)
「どうやら、その様子だと聞いていたみたいだな」
「……はい、ラピスからつい最近聞きました」
「そうか」
(そして、ついさっき聞いてしまった。ダリアがなぜメスト様のデートを断る理由を)
『私、婚約者に縛られる生活が嫌なの! だから、私の都合を婚約者に合わせるなんて絶対無理!』
(きっと、メスト様も知らない。ダリアが本当はメスト様の都合に合わせるのが嫌だから断っているなんて)
つい最近に聞いたラピスの話と今日聞いたダリアの本心を思い出したカトレアは、気まずそうに顔を背けると拳を強く握る。
そんな彼女の様子を見て、小さく笑みを零したメストは、カトレアの隣で唖然とした表情で聞いていたルベルに向かって頭を下げる。
「それでは、ルベル団長。私は、これにて失礼致します。恐らく、あの森の奥で彼が愛馬を一緒に、俺のことを待っていると思いますから」
「……そうか、分かった」
「あと、このことは団長には伝えないでくれませんか? 団長のことですから、恐らく分かっているとは思いますが……」
「あぁ、分かった」
「ありがとうございます」
律儀に礼をするメストを見て、ルベルはカミルに魔物討伐へ協力してくれた礼と、カトレアが無礼を働いたことに対しての謝罪をしていなかったことを思い出す。
「メスト君、俺からも頼み事があるのだが良いだろうか?」
「はい、何でしょうか?」
顔を上げたメストが首を傾げると、ルベルが申し訳なさそうな顔で頼み事をする。
「平民の彼に『魔物討伐に協力してくれてありがとう。そして、うちの部下が君に危害を加えようとしてすまなかった』と伝えていてもらえないか? 本当は、俺が言うべきことなのだが」
「そういうことでしたらお任せください」
「すまないな」
「いえ、では失礼致します」
そう言うと、メストはカミルの後を追うように暗い森の中へと入っていく。
その頃、カミルは暗い森の中で1人、魔物討伐のことを思い返しながら歩いていた。
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