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第4章 記憶と思惑のフィアンツ帝国
第242話 次は国王陛下と一緒に
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マーザスから話を聞いた皇帝は、レクシャに目を向けると小さく頷いた。
「分かった。そういうことなら、こちらで職人ギルドと商業ギルドに声をかけて、貴国の平民達に魔道具を横流ししよう」
「陛下、職人ギルドだけでなく商業ギルドにも声をかけられるのですか?」
「あぁ、商業ギルドの長に話を通せば確実に届けられるだろ?」
「商業ギルドの長……あぁ、確かにおっしゃる通りですね」
(我が国の商業ギルドの長は、現エピナント公爵。だとすれば、王国と独自のパイプを持っている家の長を通して横流しした方が確実に届きますね)
皇帝の言葉を聞いて、宰相が納得したように頷いた。
すると、レクシャが深々と頭を下げた。
「何卒、よろしくお願いし……」
「陛下! 我が帝国魔法研究所も協力を……」
「いや」
玉座に戻った皇帝は、協力を申し出たマーザスに対して首を横に振った。
「お前たち魔法研究所は、転移用の魔道具の制作に集中してくれ」
「ですが、大量に横流しするとなると人手が……」
「安心しろ。既に流通している魔道具ならば、職人ギルドで大量生産の体制を整えるくらい容易いことだろ。なぁ、宰相?」
「はい。むしろ、我が国の職人達は久しぶりの大きな仕事ということで喜んで作ってくれるでしょう」
「そうだな。その場合の報酬は、ペトロート王国に支払ってもらうが良いな?」
「もちろんです。魔道具作成を含め、此度の作戦にかかる費用全額お支払い致します」
「フン、さすが切れ者宰相だな」
「恐れ入ります」
(没収するインベック家の全財産と、我がサザランス公爵家の財産でなら十分払える)
「というわけだ、マーザス。協力の申し出はありがたいが、これ以上仕事を増やしたら、俺がお前の部下達に恨まれるから、ここは宰相と職人ギルドに任せて欲しい」
「はっ、はぁ……かしこまりました」
心なしか落ち込んでいるマーザスに苦笑を漏らしたレクシャは、その場に跪くと再び深々と頭を下げた。
「何から何まで、誠にありがとうございます。皇帝陛下……」
「ただし!」
小さく肩を震わせ顔を上げたレクシャに、皇帝は楽しそうな笑みを浮かべた。
「終わったら、必ず帝国に直接報告に来い! その際、貴様は宰相としてあの腹黒国王と一緒に来い!」
「っ!?」
(それはつまり、『死ぬな』ということだろうか?)
啞然した表情のレクシャを見て、皇帝は笑みを深めた。
「どうせ、貴様のことだ。魔法陣を無効化し、帝国の悪魔共と護衛騎士達をそれぞれ帰した後、貴様1人で愚か者と対峙し、奴の魔力を無効化するつもりだろう」
「っ!? どうして、その魔法を……」
(あの魔法は、サザランス家当主にしか伝えられない、門外不出の魔法のはず)
「これでも、フィアンツ帝国の皇帝だ。無効化魔法のことはある程度は知っている……もちろん、サザランス家当主にしか使えない魔法があることも」
「…………」
静かに項垂れたレクシャに、皇帝は笑みを潜めた。
「だから、あえて言わせてもらう」
玉座から立ち上がった皇帝は、皇帝しか持つことが許されない杖を持つと、臣下に命令を下すように杖の切っ先をレクシャに向けた。
「レクシャ・サザランス! 己の失態で背負ったその罪、死んで償おうなんて思うではないぞ!」
「っ!」
威厳ある皇帝の言葉に、目を見開いたレクシャは再び顔を上げた。
そんな彼に、皇帝は続ける。
「貴様も一国の宰相なのだ。犯した罪の重さを自覚しているのならば……その罪、必ず生きて償え!」
「……かしこ、まりました。皇帝陛下」
『レクシャ、後は頼んだぞ』
(ペトロート王国の偉大な主であり、背中を預けあう我が友よ。ようやく……ようやくあなた様の愛する国を取り戻せます)
大国の皇帝からの大きすぎる計らいに、『王国の盾』と呼ばれた宰相は、感謝の念を抱きながらゆっくりと首を垂れた。
「分かった。そういうことなら、こちらで職人ギルドと商業ギルドに声をかけて、貴国の平民達に魔道具を横流ししよう」
「陛下、職人ギルドだけでなく商業ギルドにも声をかけられるのですか?」
「あぁ、商業ギルドの長に話を通せば確実に届けられるだろ?」
「商業ギルドの長……あぁ、確かにおっしゃる通りですね」
(我が国の商業ギルドの長は、現エピナント公爵。だとすれば、王国と独自のパイプを持っている家の長を通して横流しした方が確実に届きますね)
皇帝の言葉を聞いて、宰相が納得したように頷いた。
すると、レクシャが深々と頭を下げた。
「何卒、よろしくお願いし……」
「陛下! 我が帝国魔法研究所も協力を……」
「いや」
玉座に戻った皇帝は、協力を申し出たマーザスに対して首を横に振った。
「お前たち魔法研究所は、転移用の魔道具の制作に集中してくれ」
「ですが、大量に横流しするとなると人手が……」
「安心しろ。既に流通している魔道具ならば、職人ギルドで大量生産の体制を整えるくらい容易いことだろ。なぁ、宰相?」
「はい。むしろ、我が国の職人達は久しぶりの大きな仕事ということで喜んで作ってくれるでしょう」
「そうだな。その場合の報酬は、ペトロート王国に支払ってもらうが良いな?」
「もちろんです。魔道具作成を含め、此度の作戦にかかる費用全額お支払い致します」
「フン、さすが切れ者宰相だな」
「恐れ入ります」
(没収するインベック家の全財産と、我がサザランス公爵家の財産でなら十分払える)
「というわけだ、マーザス。協力の申し出はありがたいが、これ以上仕事を増やしたら、俺がお前の部下達に恨まれるから、ここは宰相と職人ギルドに任せて欲しい」
「はっ、はぁ……かしこまりました」
心なしか落ち込んでいるマーザスに苦笑を漏らしたレクシャは、その場に跪くと再び深々と頭を下げた。
「何から何まで、誠にありがとうございます。皇帝陛下……」
「ただし!」
小さく肩を震わせ顔を上げたレクシャに、皇帝は楽しそうな笑みを浮かべた。
「終わったら、必ず帝国に直接報告に来い! その際、貴様は宰相としてあの腹黒国王と一緒に来い!」
「っ!?」
(それはつまり、『死ぬな』ということだろうか?)
啞然した表情のレクシャを見て、皇帝は笑みを深めた。
「どうせ、貴様のことだ。魔法陣を無効化し、帝国の悪魔共と護衛騎士達をそれぞれ帰した後、貴様1人で愚か者と対峙し、奴の魔力を無効化するつもりだろう」
「っ!? どうして、その魔法を……」
(あの魔法は、サザランス家当主にしか伝えられない、門外不出の魔法のはず)
「これでも、フィアンツ帝国の皇帝だ。無効化魔法のことはある程度は知っている……もちろん、サザランス家当主にしか使えない魔法があることも」
「…………」
静かに項垂れたレクシャに、皇帝は笑みを潜めた。
「だから、あえて言わせてもらう」
玉座から立ち上がった皇帝は、皇帝しか持つことが許されない杖を持つと、臣下に命令を下すように杖の切っ先をレクシャに向けた。
「レクシャ・サザランス! 己の失態で背負ったその罪、死んで償おうなんて思うではないぞ!」
「っ!」
威厳ある皇帝の言葉に、目を見開いたレクシャは再び顔を上げた。
そんな彼に、皇帝は続ける。
「貴様も一国の宰相なのだ。犯した罪の重さを自覚しているのならば……その罪、必ず生きて償え!」
「……かしこ、まりました。皇帝陛下」
『レクシャ、後は頼んだぞ』
(ペトロート王国の偉大な主であり、背中を預けあう我が友よ。ようやく……ようやくあなた様の愛する国を取り戻せます)
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