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第6章 待ち望んだ再会と星降る夜の語らい
第386話 愛娘を救うために
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木こりの平民であるフリージアが、建国祭の余興として公開処刑される。
インホルトからもたらされた情報に、カトレア・ラピス・ロスペルがその事実に言葉を失う。
そんな中、レクシャがいつになく険しい顔でインホルトを問い質す。
「……それは、本当か?」
(平民嫌いの奴が建国祭という華やかな大舞台に、余興として平民を……それも、フリージアを公開処刑するとは思えないのだが)
インホルトの報告を通して、レクシャはフリージアが悪徳騎士達から平民を守っていたのは知っていた。
だが、平民嫌いのノルベルトが平民に……フリージアに関心を持つとは思えなかった。
だからこそ、レクシャはインホルトの報告を『嘘だ』と思いたかった。
けれど、眉を顰めたインホルトは鋭い眼光を向けている主の期待を裏切るように小さく頷いた。
「はい、確かな情報筋から入手したものでございます」
「くっ!!」
バン!!!
「父上!!」
(クソッ! どうして、どうしてフリージアが殺されないといけないだ!)
ノルベルトに全てを奪われたあの日から愛娘に会っていないレクシャは、フリージアに迫る理不尽な運命に、思わずテーブルに拳を叩きつけた。
普段は冷静沈着なレクシャが怒りで顔を歪ませいる姿に、カトレアとラピスが揃って肩を震わせいると、ロスペルがそっと父の肩に手を置いた。
「父上」
「……分かっている。ここで、感情に身を任せて私が動いてしまっては全て水の泡だ」
(もしここで、私が娘を助けたい一心でノルベルトに正体を明かしたら、奴の手からこの国を取り返すチャンスを失ってしまう。だから、ここで動いてはいけない。分かっている、分かっているが……)
娘の一大事をこの手で救うことが出来ないことに、歯がゆい思いのレクシャは、大きく息を吐くと心を落ち着けて思考を巡らせる。
「サザランス公爵様?」
「サザランス公爵殿?」
「父上?」
(落ち着け。私の手で救うことが出来なくても、フリージアを救う方法はあるはずだ)
3人が不安そうに見守る中、『切れ者宰相』と言わしめた優れた頭脳をフル回転させたレクシャは、短時間で考えを纏めて少しだけ苦い顔をすると、対面にいるカトレアとメストに目を向けた。
「カトレア嬢とラピス君。1つ頼まれてくれないだろうか?」
「は、はい! 何でしょうか?」
有無を言わせない雰囲気のレクシャに、内心震えあがったカトレアとラピスは慌てて背を正す。
そんな2人にレクシャは頼みごとをした。
「今聞いたことと、これから話す建国祭での作戦を全てフリージアに話してくれないか?」
「っ!? 父さん、本気ですか?」
レクシャの頼み事を聞いて、思わず立ち上がったロスペル。
それを横目で見たレクシャは苦い顔のまま小さく頷いた。
「あぁ、このことはフリージアに聞かせた方が良い」
「ですが、あのお人好しで正義感の強いフリージアのことだ。これを聞いたら、必ず『それなら自分が囮になる』と言い出し……!!」
「分かっている!!」
「っ!!」
声を荒げたレクシャは、顔を歪めると強く拳を握った。
「分かっているから、フリージアに聞かせたいんだ」
「父さん……」
(何も聞かされず処刑場に向かわされるくらいなら、事前に伝えて『逃げる』か『囮になるか』の選択肢を与えた方が遥かにマシだ。例え、娘が囮になることを選ぶと分かっていても)
実の父として身を切る決断をしたレクシャに、静かに口を閉じたロスペルは大人しくソファーに座ると、レクシャとロスペルがカトレアとラピスに深々と頭を下げた。
「どうか、頼まれてくれないだろうか」
「僕……いや、私からも頼む」
「サザランス公爵殿! 顔をお上げください!」
「そ、そうですよ! 師匠も頭を上げて下さい」
娘の友人である2人に残酷なことを頼んでいるのは重々承知だった。
それでも、今娘と接点のある人物は2人しかいないから頼むしかなかった。
レクシャとロスペルのフリージアのことを思う気持ちが痛いほど伝わり、対面に座っていたカトレアが拳を握ると決意を固めた表情で首を縦に振った。
「分かりました。このカトレア・ティブリー。必ずやフリージアの耳にここで聞いたこと全てを伝えます」
(フリージアを誰よりも心配している2人の願いよ。これを叶えないないといけないわ!)
真剣な表情で頼み事を引き受けたカトレアの隣で、ラピスもまた覚悟を決めた表情で深く頷いた。
「私、ラピス・フォルダンも騎士の誇りに懸けて、カトレアと共にお伝えすることを誓いましょう」
フリージアのことを想う2人の決意が伝わり、立ち上がったレクシャはカトレアやラピスと握手を交わす。
「2人とも、よろしく頼んだよ」
「「はい!!」」
その後、レクシャは2人に建国祭での2つの作戦を伝える。
1つは、フリージアが『逃げる』を選んだ場合の作戦。
そして、もう1つはフリージアが『囮になる』を選んだ場合の作戦だった。
レクシャは2人に作戦を一通り伝えると、カトレアにフリージアが『逃げる』と選んだ時に必要となる手紙を渡した。
それは、数日前にレクシャのもとに届いた帝国に亡命出来る通行証だった。
そこから数日後。カトレアとラピスはフリージアが住んでいるログハウスに再び訪れた。
インホルトからもたらされた情報に、カトレア・ラピス・ロスペルがその事実に言葉を失う。
そんな中、レクシャがいつになく険しい顔でインホルトを問い質す。
「……それは、本当か?」
(平民嫌いの奴が建国祭という華やかな大舞台に、余興として平民を……それも、フリージアを公開処刑するとは思えないのだが)
インホルトの報告を通して、レクシャはフリージアが悪徳騎士達から平民を守っていたのは知っていた。
だが、平民嫌いのノルベルトが平民に……フリージアに関心を持つとは思えなかった。
だからこそ、レクシャはインホルトの報告を『嘘だ』と思いたかった。
けれど、眉を顰めたインホルトは鋭い眼光を向けている主の期待を裏切るように小さく頷いた。
「はい、確かな情報筋から入手したものでございます」
「くっ!!」
バン!!!
「父上!!」
(クソッ! どうして、どうしてフリージアが殺されないといけないだ!)
ノルベルトに全てを奪われたあの日から愛娘に会っていないレクシャは、フリージアに迫る理不尽な運命に、思わずテーブルに拳を叩きつけた。
普段は冷静沈着なレクシャが怒りで顔を歪ませいる姿に、カトレアとラピスが揃って肩を震わせいると、ロスペルがそっと父の肩に手を置いた。
「父上」
「……分かっている。ここで、感情に身を任せて私が動いてしまっては全て水の泡だ」
(もしここで、私が娘を助けたい一心でノルベルトに正体を明かしたら、奴の手からこの国を取り返すチャンスを失ってしまう。だから、ここで動いてはいけない。分かっている、分かっているが……)
娘の一大事をこの手で救うことが出来ないことに、歯がゆい思いのレクシャは、大きく息を吐くと心を落ち着けて思考を巡らせる。
「サザランス公爵様?」
「サザランス公爵殿?」
「父上?」
(落ち着け。私の手で救うことが出来なくても、フリージアを救う方法はあるはずだ)
3人が不安そうに見守る中、『切れ者宰相』と言わしめた優れた頭脳をフル回転させたレクシャは、短時間で考えを纏めて少しだけ苦い顔をすると、対面にいるカトレアとメストに目を向けた。
「カトレア嬢とラピス君。1つ頼まれてくれないだろうか?」
「は、はい! 何でしょうか?」
有無を言わせない雰囲気のレクシャに、内心震えあがったカトレアとラピスは慌てて背を正す。
そんな2人にレクシャは頼みごとをした。
「今聞いたことと、これから話す建国祭での作戦を全てフリージアに話してくれないか?」
「っ!? 父さん、本気ですか?」
レクシャの頼み事を聞いて、思わず立ち上がったロスペル。
それを横目で見たレクシャは苦い顔のまま小さく頷いた。
「あぁ、このことはフリージアに聞かせた方が良い」
「ですが、あのお人好しで正義感の強いフリージアのことだ。これを聞いたら、必ず『それなら自分が囮になる』と言い出し……!!」
「分かっている!!」
「っ!!」
声を荒げたレクシャは、顔を歪めると強く拳を握った。
「分かっているから、フリージアに聞かせたいんだ」
「父さん……」
(何も聞かされず処刑場に向かわされるくらいなら、事前に伝えて『逃げる』か『囮になるか』の選択肢を与えた方が遥かにマシだ。例え、娘が囮になることを選ぶと分かっていても)
実の父として身を切る決断をしたレクシャに、静かに口を閉じたロスペルは大人しくソファーに座ると、レクシャとロスペルがカトレアとラピスに深々と頭を下げた。
「どうか、頼まれてくれないだろうか」
「僕……いや、私からも頼む」
「サザランス公爵殿! 顔をお上げください!」
「そ、そうですよ! 師匠も頭を上げて下さい」
娘の友人である2人に残酷なことを頼んでいるのは重々承知だった。
それでも、今娘と接点のある人物は2人しかいないから頼むしかなかった。
レクシャとロスペルのフリージアのことを思う気持ちが痛いほど伝わり、対面に座っていたカトレアが拳を握ると決意を固めた表情で首を縦に振った。
「分かりました。このカトレア・ティブリー。必ずやフリージアの耳にここで聞いたこと全てを伝えます」
(フリージアを誰よりも心配している2人の願いよ。これを叶えないないといけないわ!)
真剣な表情で頼み事を引き受けたカトレアの隣で、ラピスもまた覚悟を決めた表情で深く頷いた。
「私、ラピス・フォルダンも騎士の誇りに懸けて、カトレアと共にお伝えすることを誓いましょう」
フリージアのことを想う2人の決意が伝わり、立ち上がったレクシャはカトレアやラピスと握手を交わす。
「2人とも、よろしく頼んだよ」
「「はい!!」」
その後、レクシャは2人に建国祭での2つの作戦を伝える。
1つは、フリージアが『逃げる』を選んだ場合の作戦。
そして、もう1つはフリージアが『囮になる』を選んだ場合の作戦だった。
レクシャは2人に作戦を一通り伝えると、カトレアにフリージアが『逃げる』と選んだ時に必要となる手紙を渡した。
それは、数日前にレクシャのもとに届いた帝国に亡命出来る通行証だった。
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