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第7章 余興と奇貨の建国祭
第444話 村人達の解放
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「おいおい、話し合いは終わりかい?」
「えぇ、終わったわ。あなた達の相手は、私たち3人が務めるわ」
下卑た笑みを浮かべた村長に対し、頼もしい息子に任されたティアーヌは、自信に満ち溢れた笑顔を浮かべながら使い込まれた鞭を軽くしならせる。
(フフッ、久しぶりに使うけど感覚が鈍っていなくて良かったわ)
学生時代から使ってきた相棒のコンディションに満足げな笑みを浮かべるティアーヌの少し後ろで、カトレアとラピスがロスペルを守るように前に出ると、険しい表情で得物を構えていた。
それを見た村長は、心底不愉快な表情で鼻を鳴らすと村人達に合図を送る。
「フン、女2人と男1人とは舐めやがって! お前達、あの女に正義の鉄槌を下してやれ!」
「それなら、お望み通りしてやるよ! 」
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」
持ち慣れない得物で突進してくる村人達に、ティアーヌは後ろにいるカトレアとラピスに指示を出すと鞭に緑色の魔力を流す。
「カトレアちゃん、あなたはラピスと一緒に右半分を頼むわ!」
「分かりました!」
深く頷いたカトレアは、ラピスとアイコンタクトを交わすと襲ってくる村人達に向かって魔法を放つ。
「《ウインドサイクロン》!」
「《サンダーショット》!」
「《ウインドスナップ》!」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!!」」」」
カトレアとラピスが放った風属性の上級魔法と雷属性の中級魔法の合体技は、村人達の体を痺れさせて宙を舞う。
それと同時に、ティアーヌの詠唱と共に放たれた緑色の風を纏った鞭は、しなやかに長く伸びると迫ってくる村人達全員の胴体を地面に叩きつけた。
「ううっ、鞭を持った女、一体何をやった!」
地面から顔を上げた村人の問いに、ティアーヌは不敵な笑みを浮かべる。
「『何を』って、ただ風属性の中級魔法を纏った鞭を放っただけよ」
(そう、風の魔力を纏った鞭を放っただけ。けど、さっきの上級魔法に比べれば多少痛いはずよ。だってこの鞭、特注なのだから)
ロスペルの魔法で起き上がる村人達を見て『魔法単体では簡単に起き上がってしまう』と悟ったティアーヌは、学生時代に帝国から取り寄せた特注の鞭を利用し、村人達に魔法と物理の攻撃を同時に放った。
なぜ特注かと言えば、鞭に魔力を流すと使用者の思いのままに鞭が長く伸びるというギミックが施されているからである。
「さぁ、来るならかかってきなさい! この私、ティアーヌ・サザランスの鞭を餌食になりたいのならね!」
(と言っても、それなりに魔力を使うから何発も打てないんだけど)
相手に対して決して弱みを見せず、自信に満ち溢れた笑顔で毅然と立つその姿は、かつて『社交界の華』と呼ばれた貴族夫人に相応しいものだった。
「「「「「くっ!!!!!!」」」」
威風堂々とした彼女に、村人達は顔を歪めつつもゆっくりと起き上がる。
それを見て、3人が警戒するように目を細めて得物を構えて直した時、3人の後ろから膨大な魔力を纏った男の声が聞こえた。
「3人とも、準備が出来ました。ですので、3人はそこから動かないで下さいね。特に母上。間違っても、鞭を振るってはいけませんよ」
「分かっているわよ」
不快そうに眉を顰める母をよそに、ロスペルは構えていた杖の先を地面に突き立てる。
すると、ロスペルの足元に真っ白な魔法陣が現れた。
「な、なんだ! あれは!」
「怯むな! 今のうちに攻め込め!」
狼狽える村人達に村長が発破をかけた瞬間、静かに彼を見据えたロスペルが彼らを呪縛から解き放つ。
「これで正気に戻ってくださいね。《ディスペル》!」
力強く唱えた稀代の天才魔法師の魔法は、自分達を取り囲んでいた村人達の頭を一斉に抱えさせて阿鼻叫喚を上げさせた。
「「「「「「うわ――――――!!!!!」」」」」
「「「「「ぎゃ――――――!!!!」」」」
「く、苦しい!」
「た、助けてくれ!!」
ノルベルトにかけられた改竄魔法が解かれ、頭に凄まじい激痛が走った村人達は、しばらくの間、その場悶え苦しむと糸が切れたようにその場に倒れた。
「だ、大丈夫なのよね? ロスペル?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
(記憶の整理をするために、本能的に眠っているだけだから)
ピクリとも動かない村人達をティアーヌが心配そうに見つめると、ロスペルの懐からインホルトの声が聞こえた。
『ロスペル様、そちらの状況は?』
「今終わったよ」
そう言うと、ロスペルは懐から通信魔法が付与された魔道具を取り出す。
『分かりました。ではロスペル様は奥様と共にシュタール辺境伯家の皆様と合流していただき、カトレア様とラピス様は持ち場に戻り、魔法陣の奪還作戦に加わってください』
「分かった」
通信魔法を切ったロスペルに、眉を顰めたティアーヌが話しかける。
「ということですので、母上は私と一緒に辺境伯家の皆様と合流しましょう」
「分かったわ」
険しい顔をしながら深く頷く母親を見て、ロスペルは視線をカトレアとラピスに移すと銀色の杖に魔力を流す。
「カトレア嬢にラピス君。今から2人を兄弟子がいる場所に転移させます。良いですね?」
「了解です」
「わ、分かりました! けど、魔力の方は大丈夫ですか? 解呪魔法と連続で使うことになりますが」
「問題ありません。このくらい大したことはありません」
(さすが師匠です!)
目を輝かせるカトレアと、毅然とした表情のラピスに、笑みを零したロスペルは2人を転移させる。
そして、すぐさまロスペルはティアーヌと共にシュタール辺境伯家が任された北に転移した。
その時、旧都の方から建国祭の式典の合図の告げる祝砲が聞こえた。
「えぇ、終わったわ。あなた達の相手は、私たち3人が務めるわ」
下卑た笑みを浮かべた村長に対し、頼もしい息子に任されたティアーヌは、自信に満ち溢れた笑顔を浮かべながら使い込まれた鞭を軽くしならせる。
(フフッ、久しぶりに使うけど感覚が鈍っていなくて良かったわ)
学生時代から使ってきた相棒のコンディションに満足げな笑みを浮かべるティアーヌの少し後ろで、カトレアとラピスがロスペルを守るように前に出ると、険しい表情で得物を構えていた。
それを見た村長は、心底不愉快な表情で鼻を鳴らすと村人達に合図を送る。
「フン、女2人と男1人とは舐めやがって! お前達、あの女に正義の鉄槌を下してやれ!」
「それなら、お望み通りしてやるよ! 」
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」
持ち慣れない得物で突進してくる村人達に、ティアーヌは後ろにいるカトレアとラピスに指示を出すと鞭に緑色の魔力を流す。
「カトレアちゃん、あなたはラピスと一緒に右半分を頼むわ!」
「分かりました!」
深く頷いたカトレアは、ラピスとアイコンタクトを交わすと襲ってくる村人達に向かって魔法を放つ。
「《ウインドサイクロン》!」
「《サンダーショット》!」
「《ウインドスナップ》!」
「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!!」」」」
カトレアとラピスが放った風属性の上級魔法と雷属性の中級魔法の合体技は、村人達の体を痺れさせて宙を舞う。
それと同時に、ティアーヌの詠唱と共に放たれた緑色の風を纏った鞭は、しなやかに長く伸びると迫ってくる村人達全員の胴体を地面に叩きつけた。
「ううっ、鞭を持った女、一体何をやった!」
地面から顔を上げた村人の問いに、ティアーヌは不敵な笑みを浮かべる。
「『何を』って、ただ風属性の中級魔法を纏った鞭を放っただけよ」
(そう、風の魔力を纏った鞭を放っただけ。けど、さっきの上級魔法に比べれば多少痛いはずよ。だってこの鞭、特注なのだから)
ロスペルの魔法で起き上がる村人達を見て『魔法単体では簡単に起き上がってしまう』と悟ったティアーヌは、学生時代に帝国から取り寄せた特注の鞭を利用し、村人達に魔法と物理の攻撃を同時に放った。
なぜ特注かと言えば、鞭に魔力を流すと使用者の思いのままに鞭が長く伸びるというギミックが施されているからである。
「さぁ、来るならかかってきなさい! この私、ティアーヌ・サザランスの鞭を餌食になりたいのならね!」
(と言っても、それなりに魔力を使うから何発も打てないんだけど)
相手に対して決して弱みを見せず、自信に満ち溢れた笑顔で毅然と立つその姿は、かつて『社交界の華』と呼ばれた貴族夫人に相応しいものだった。
「「「「「くっ!!!!!!」」」」
威風堂々とした彼女に、村人達は顔を歪めつつもゆっくりと起き上がる。
それを見て、3人が警戒するように目を細めて得物を構えて直した時、3人の後ろから膨大な魔力を纏った男の声が聞こえた。
「3人とも、準備が出来ました。ですので、3人はそこから動かないで下さいね。特に母上。間違っても、鞭を振るってはいけませんよ」
「分かっているわよ」
不快そうに眉を顰める母をよそに、ロスペルは構えていた杖の先を地面に突き立てる。
すると、ロスペルの足元に真っ白な魔法陣が現れた。
「な、なんだ! あれは!」
「怯むな! 今のうちに攻め込め!」
狼狽える村人達に村長が発破をかけた瞬間、静かに彼を見据えたロスペルが彼らを呪縛から解き放つ。
「これで正気に戻ってくださいね。《ディスペル》!」
力強く唱えた稀代の天才魔法師の魔法は、自分達を取り囲んでいた村人達の頭を一斉に抱えさせて阿鼻叫喚を上げさせた。
「「「「「「うわ――――――!!!!!」」」」」
「「「「「ぎゃ――――――!!!!」」」」
「く、苦しい!」
「た、助けてくれ!!」
ノルベルトにかけられた改竄魔法が解かれ、頭に凄まじい激痛が走った村人達は、しばらくの間、その場悶え苦しむと糸が切れたようにその場に倒れた。
「だ、大丈夫なのよね? ロスペル?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
(記憶の整理をするために、本能的に眠っているだけだから)
ピクリとも動かない村人達をティアーヌが心配そうに見つめると、ロスペルの懐からインホルトの声が聞こえた。
『ロスペル様、そちらの状況は?』
「今終わったよ」
そう言うと、ロスペルは懐から通信魔法が付与された魔道具を取り出す。
『分かりました。ではロスペル様は奥様と共にシュタール辺境伯家の皆様と合流していただき、カトレア様とラピス様は持ち場に戻り、魔法陣の奪還作戦に加わってください』
「分かった」
通信魔法を切ったロスペルに、眉を顰めたティアーヌが話しかける。
「ということですので、母上は私と一緒に辺境伯家の皆様と合流しましょう」
「分かったわ」
険しい顔をしながら深く頷く母親を見て、ロスペルは視線をカトレアとラピスに移すと銀色の杖に魔力を流す。
「カトレア嬢にラピス君。今から2人を兄弟子がいる場所に転移させます。良いですね?」
「了解です」
「わ、分かりました! けど、魔力の方は大丈夫ですか? 解呪魔法と連続で使うことになりますが」
「問題ありません。このくらい大したことはありません」
(さすが師匠です!)
目を輝かせるカトレアと、毅然とした表情のラピスに、笑みを零したロスペルは2人を転移させる。
そして、すぐさまロスペルはティアーヌと共にシュタール辺境伯家が任された北に転移した。
その時、旧都の方から建国祭の式典の合図の告げる祝砲が聞こえた。
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