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第7章 余興と奇貨の建国祭
第452話 傀儡達の巣窟へ
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「おいおい、この国の頂点であらせられるノルベルト様に愚かにも逆らった下民が来たぞ!」
「本当だ! 本来ならこのような神聖な場所に来てはいけない下民がみっともなく現れた!」
「それも、無様な姿でね!」
「「「「「ギャハハハハハハハハハッ!!!!!」」」」」」
(なにこの品の無い歓声は。この国にこんなに下品な笑い声を上げる貴族がいたの?)
「いえ、これはノルベルトが記憶を改竄したせいね」
在りし日に王都で出会った人達と、平民として暮らしていた時に出会った人達のことを思い出し、小さく溜息をついたフリージアは、目隠しを外されないまま頬に地面に擦りつけてゆっくりと立ち上がる。
すると、前から聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「来たわね、下民」
「っ!」
(この声は、ダリア! ということは、この場所はもしかしなくても……)
突き飛ばされた場所がコロッセオのメインアリーナであると察したフリージアが、不快そうに眉を顰めると、扇子を広げたダリアが不機嫌そうにフリージアを連れてきた騎士に指示を出す。
「あなた、下民に被せている目隠しを」
「ですが、麗しいダリア様のお姿を卑しい下民の目に映すのは……」
「フン、安心なさい。下民に見られた程度で、私の美しさは損なわれないわ。むしろ、下民の醜い顔が露になったことで、私の美しさが更に増すかもしれないわ」
「おぉ、さすが『才女』と謳われるダリア様! そういうことでしたら、早速外します!」
(何が『下民の顔が露になったことで美しさが増す』よ。それに『才女』って。本当、相変わらず傲慢で頭の軽い女ね)
ダリアの言葉にフリージアが静かに溜息をつくと、後ろに立った騎士からアイマスクの上に覆われていた目隠しが外される。
(うっ、眩しい!)
暗い地下牢獄に囚われたフリージアは、外の眩しさに慣れず思わず目を細める。
すると、フリージアの顔を見て、顔を歪めた貴族達から一斉に罵声が飛ぶ。
「あれが下民の顔か」
「本当に下民らしい醜い顔ね。よく私たち貴族の前で晒すことが出来たわ」
「本当、だから下民って嫌いなのよ。この国から1人残らず消えて欲しいわ」
「…………」
(下民、下民って。あなた達、平民がいないとこの国が成り立たないって知らないのかしら?)
「って、ノルベルトの傀儡達に言っても無駄ね」
外の光に目が慣れたフリージアは、聞くに堪えない罵声に溜息をつきつつ、建国祭のメイン会場であるコロッセオの中をゆっくり見回す。
(それにしても、ここに集まっている貴族達って、全員がノルベルトの腰巾着に成り下がった有力貴族達ね)
「お父様が宰相だった頃は、陛下の意向に従い、お父様と共に国を良くしようと尽力してくれた方達だったのに」
フリージアを口汚く罵る貴族達は全員、フリージアが宰相家令嬢だった頃に交流があった貴族だった。
そんな彼らの変わり果てた姿を見て、胸が痛くなったフリージアは寂しさを振り切るように首を横に振り、目の前に視線を移す。
が、目の前にいるダリアの恰好に、フリージアは言葉を失う。
「なにぃ~? もしかして、私のドレスにくぎ付けになったぁ~? 正直、下民に卑しい目を向けられるのは心底気持ち悪いけどぉ、美しい釘付けになっても仕方ないわよねぇ。だってぇ、この格好はこの国で一番のドレス職人にオーダーメイドで作らせた一級品なのだからぁ~」
「……どこからツッコめばいいのかしら?」
ダリアの恰好を見て、頭が痛くなったフリージアは、思わず素が出てしまう。
その視線の先には、肩から谷間が見える豊満な胸元まで露になったノースリーブに、膝上のミニスカート丈の宝石やフリルがふんだんにあしらわれた真っ赤なドレスを身に纏ったダリアが得意げな顔で立っていた。
(国の一大行事である建国祭に、娼婦と見間違うかのようなドレスで来るなんて! ありえな、絶対にありえないわ!)
建国祭じゃなくても大半の貴族令嬢は着ないであろうドレスを堂々と身に纏うダリアに、心底呆れたフリージアは、深く溜息をつきながらダリアに問い質す。
「あなた、慎みって言葉を知らないの?」
「はぁ? 宰相家の令嬢である私が、どうして慎みなんてもたないといけないの?」
「宰相家の令嬢だから慎みを持たないといけないじゃないの?」
(そうよ、宰相家令嬢は貴族令嬢の手本となる存在。故に、王族の次に国の顔役を担っている宰相家の令嬢がそんな破廉恥な格好をするなんて許されない!)
沸々と湧き上がる怒りを抑えるフリージアを、不快そうに顔を歪めたダリアがフリージアを蔑んだ目で見つめる。
「下民程度が何を知ったように言っているのよ」
ダリアの『下民』という言葉に、何を思い出したフリージアが刺激的な恰好をしているダリアを冷たい目を向けながら問い質す。
「あなたにとって、『宰相家令嬢』ってどういう立場なの?」
(前々から思っていた。ダリアは宰相家令嬢を何かと勘違いしているのではないかと)
それは、今までのダリアの行動を見聞きしてきたフリージアが、ずっと抱いてきた疑問だった。
フリージアから『宰相家令嬢』の地位を奪ったダリアが、今の立場をどう思っているのか?
淡々とした口調で問い質されたダリアが、笑みを深めると豊満な胸を張って堂々と答える。
「そんなの、この国で一番偉い人間に決まっているじゃない!」
「本当だ! 本来ならこのような神聖な場所に来てはいけない下民がみっともなく現れた!」
「それも、無様な姿でね!」
「「「「「ギャハハハハハハハハハッ!!!!!」」」」」」
(なにこの品の無い歓声は。この国にこんなに下品な笑い声を上げる貴族がいたの?)
「いえ、これはノルベルトが記憶を改竄したせいね」
在りし日に王都で出会った人達と、平民として暮らしていた時に出会った人達のことを思い出し、小さく溜息をついたフリージアは、目隠しを外されないまま頬に地面に擦りつけてゆっくりと立ち上がる。
すると、前から聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「来たわね、下民」
「っ!」
(この声は、ダリア! ということは、この場所はもしかしなくても……)
突き飛ばされた場所がコロッセオのメインアリーナであると察したフリージアが、不快そうに眉を顰めると、扇子を広げたダリアが不機嫌そうにフリージアを連れてきた騎士に指示を出す。
「あなた、下民に被せている目隠しを」
「ですが、麗しいダリア様のお姿を卑しい下民の目に映すのは……」
「フン、安心なさい。下民に見られた程度で、私の美しさは損なわれないわ。むしろ、下民の醜い顔が露になったことで、私の美しさが更に増すかもしれないわ」
「おぉ、さすが『才女』と謳われるダリア様! そういうことでしたら、早速外します!」
(何が『下民の顔が露になったことで美しさが増す』よ。それに『才女』って。本当、相変わらず傲慢で頭の軽い女ね)
ダリアの言葉にフリージアが静かに溜息をつくと、後ろに立った騎士からアイマスクの上に覆われていた目隠しが外される。
(うっ、眩しい!)
暗い地下牢獄に囚われたフリージアは、外の眩しさに慣れず思わず目を細める。
すると、フリージアの顔を見て、顔を歪めた貴族達から一斉に罵声が飛ぶ。
「あれが下民の顔か」
「本当に下民らしい醜い顔ね。よく私たち貴族の前で晒すことが出来たわ」
「本当、だから下民って嫌いなのよ。この国から1人残らず消えて欲しいわ」
「…………」
(下民、下民って。あなた達、平民がいないとこの国が成り立たないって知らないのかしら?)
「って、ノルベルトの傀儡達に言っても無駄ね」
外の光に目が慣れたフリージアは、聞くに堪えない罵声に溜息をつきつつ、建国祭のメイン会場であるコロッセオの中をゆっくり見回す。
(それにしても、ここに集まっている貴族達って、全員がノルベルトの腰巾着に成り下がった有力貴族達ね)
「お父様が宰相だった頃は、陛下の意向に従い、お父様と共に国を良くしようと尽力してくれた方達だったのに」
フリージアを口汚く罵る貴族達は全員、フリージアが宰相家令嬢だった頃に交流があった貴族だった。
そんな彼らの変わり果てた姿を見て、胸が痛くなったフリージアは寂しさを振り切るように首を横に振り、目の前に視線を移す。
が、目の前にいるダリアの恰好に、フリージアは言葉を失う。
「なにぃ~? もしかして、私のドレスにくぎ付けになったぁ~? 正直、下民に卑しい目を向けられるのは心底気持ち悪いけどぉ、美しい釘付けになっても仕方ないわよねぇ。だってぇ、この格好はこの国で一番のドレス職人にオーダーメイドで作らせた一級品なのだからぁ~」
「……どこからツッコめばいいのかしら?」
ダリアの恰好を見て、頭が痛くなったフリージアは、思わず素が出てしまう。
その視線の先には、肩から谷間が見える豊満な胸元まで露になったノースリーブに、膝上のミニスカート丈の宝石やフリルがふんだんにあしらわれた真っ赤なドレスを身に纏ったダリアが得意げな顔で立っていた。
(国の一大行事である建国祭に、娼婦と見間違うかのようなドレスで来るなんて! ありえな、絶対にありえないわ!)
建国祭じゃなくても大半の貴族令嬢は着ないであろうドレスを堂々と身に纏うダリアに、心底呆れたフリージアは、深く溜息をつきながらダリアに問い質す。
「あなた、慎みって言葉を知らないの?」
「はぁ? 宰相家の令嬢である私が、どうして慎みなんてもたないといけないの?」
「宰相家の令嬢だから慎みを持たないといけないじゃないの?」
(そうよ、宰相家令嬢は貴族令嬢の手本となる存在。故に、王族の次に国の顔役を担っている宰相家の令嬢がそんな破廉恥な格好をするなんて許されない!)
沸々と湧き上がる怒りを抑えるフリージアを、不快そうに顔を歪めたダリアがフリージアを蔑んだ目で見つめる。
「下民程度が何を知ったように言っているのよ」
ダリアの『下民』という言葉に、何を思い出したフリージアが刺激的な恰好をしているダリアを冷たい目を向けながら問い質す。
「あなたにとって、『宰相家令嬢』ってどういう立場なの?」
(前々から思っていた。ダリアは宰相家令嬢を何かと勘違いしているのではないかと)
それは、今までのダリアの行動を見聞きしてきたフリージアが、ずっと抱いてきた疑問だった。
フリージアから『宰相家令嬢』の地位を奪ったダリアが、今の立場をどう思っているのか?
淡々とした口調で問い質されたダリアが、笑みを深めると豊満な胸を張って堂々と答える。
「そんなの、この国で一番偉い人間に決まっているじゃない!」
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