506 / 606
第8章 波乱と因縁の建国祭
第474話 作戦成功と新たな脅威
しおりを挟む
――時は、メスト達がリアンに対峙する少し前まで遡る。
王都から建国祭の式典開始の合図を告げる祝砲が鳴ってしばらく、レクシャのいる拠点に待ちに待った知らせが届いた。
「旦那様。先程、東西南北にある拠点から全ての魔法陣から黒い魔力が無効化され、マーザス様から頂戴しました応急処置用の魔道具により崩壊寸前だった魔法陣が修復されました」
「そうか」
(ようやく、ようやく、ノルベルトの魔の手から魔法陣を奪還することが出来た)
忠臣であるインホルトから報告を受けたレクシャは、連絡役の騎士達が安堵する中、目を閉じて深く溜息をつくと背もたれに背中を預ける。
(これで、ノルベルトの改竄魔法がこれ以上国民に影響を及ぼすようなことは無いだろう)
「旦那様。一先ず、作戦の半分が成功しましたね」
「あぁ、そうだな」
全てを奪われたあの日から、レクシャと共に今日という日に備えて水面下で準備をしてきたインホルト。
そんな彼の安堵した声を聞いて、再び深く息を吐いたレクシャは気を引き締めるとインホルトとその場にいた騎士に指示を出す。
「では各拠点には魔法陣奪還作戦が成功したことと、現地にいる協力者達に合図があるまで交代で魔法陣の警備の指示を」
「「「「「ハッ!!!!」」」」
レクシャの指示に従い、連絡役の騎士達が一斉に現地にいる協力者達にレクシャの指示を伝える。
すると、魔道具越しから協力者達の歓声が聞こえてきた。
(皆、ここまで本当によく頑張ってくれた)
国に反旗を翻していると知りつつも、国のためにとレクシャに手を貸してくれた協力者達の歓声が、通信魔法の付与された魔道具越しから聞こえてきて、思わず笑みを零したレクシャは、気を引き締めると傍にいたインホルトに指示を出す。
「そしてインホルト、お前はここで私の代理として全体の指揮を頼む」
「かしこまりました」
深く頷いたインホルトを見て、レクシャが椅子から立ち上がった時、連絡役の騎士の1人が慌てた様子でレクシャに声をかけた。
「レクシャ様! 王族護衛を監視していた部隊から至急の伝令が!」
「なに?」
(もしかして、もう動いたのか?)
険しい顔をするレクシャに、騎士はメモ書きを読み上げる。
「旧都に繋がる街道の道中にリアン・インベックが姿を現したとの報告が!」
「っ!」
(やはり、目的は王族の暗殺だったか!)
作戦立案中、レクシャはノルベルトがコロッセオにいる観衆の前で国王を殺し、自分が新たな王と宣言すると同時に改竄魔法でこの国の民を全員廃人にし、帝国に攻め入ると考え、そのためにリアンを派遣して、彼が操る魔物を使って攫うと考えていた。
しかし、フリージアが公開処刑されると聞いて、ノルベルトは国王ごと暗殺し、フリージアを公開処刑した後、改竄魔法で国民全員を廃人にし、帝国に攻め入るのではないかと思い立った。
そして、それは図らずも当たってしまったのだ。
こみ上げてくる怒りを抑えながら、レクシャは騎士に問い質す。
「王族は今どこにいる?」
「王都を出て、今街道に入りました!」
「では、王族とノルベルトの倅が対敵する時間は?」
「あちらが動かなければ、恐らく30分後には対敵するかと」
「っ!」
騎士の推測を聞いて、眉間の皺を寄せて苦い顔をしたレクシャがインホルトと騎士に指示を出す。
「インホルト、大至急ロスペルに今聞いたことと、妻やカトレア嬢、ラピス君を拾ってこちらに来るように伝えてくれ」
「かしこまりました」
「王族監視部隊は引き続き監視を。そして、旧都にいる監視部隊に街道に現れたリアンの監視に人を回して欲しい」
「ハッ! 只今!」
レクシャの指示でインホルトと騎士が動いたのを見届けたレクシャは、視線をペトロート王国が乗った作戦用の地図に落とす。
(大方、倅の召喚魔法で召喚した魔物を使って、護衛役の騎士ごと馬車にいる王族全員を殺すつもりなのだろう)
「全く、どこまで堕ちれば気が済むんだ!」
声を荒げながらきつく拳を握ったレクシャが机に拳を叩きつけ、辺りがシンと静まり返った時、ロスペルに報告を終えたインホルトがそっとレクシャの肩に手を置く。
「旦那様。悔しい気持ちは痛いほど分かりますが、今は感情的にならず、陛下を助けることを最優先にした方が良いかと。あなた様がそのようでは全体の士気にも関わりますし……何より、囮役のフリージアお嬢様がいつまで2人の気を引いているか分かりませんので」
「そう、だな……すまない、インホルト」
「いえ、『優秀な執事ならば常に冷静に物事に対処せよ。そして、時として主人を諫めよ』という養父の言葉に従っただけです」
「そう、か。確かに、エドガスなら言いそうなことだな」
(そうだ。私が熱くなってしまっては、ここまで頑張った皆の士気に関わる。それに、こうしている間にもフリージアはコロッセオでたった1人、囮役としてノルベルトとダリア嬢の機を引いている。ならば、急いで陛下を救出しなければ)
「皆、すまない。取り乱してしまった」
インホルトの言葉で、今は亡きエドガスのことと、遠い場所で1人孤独に頑張っている娘のことを思い出し、冷静になったレクシャが謝罪をするとインホルトに視線を向ける。
「では、ロスペル達が来次第、私たちは王族のもとに駆けつけ……」
「それなら」
「っ!!」
部屋の入り口から聞こえてきた声に、レクシャ達は思わず息を呑んだ。
その視線の先には、鎧を纏った2人の男を連れ立った金髪碧眼の麗しい表情をした男がいた。
「僕も行って構わないよね?」
「ジルベール殿下!」
王都から建国祭の式典開始の合図を告げる祝砲が鳴ってしばらく、レクシャのいる拠点に待ちに待った知らせが届いた。
「旦那様。先程、東西南北にある拠点から全ての魔法陣から黒い魔力が無効化され、マーザス様から頂戴しました応急処置用の魔道具により崩壊寸前だった魔法陣が修復されました」
「そうか」
(ようやく、ようやく、ノルベルトの魔の手から魔法陣を奪還することが出来た)
忠臣であるインホルトから報告を受けたレクシャは、連絡役の騎士達が安堵する中、目を閉じて深く溜息をつくと背もたれに背中を預ける。
(これで、ノルベルトの改竄魔法がこれ以上国民に影響を及ぼすようなことは無いだろう)
「旦那様。一先ず、作戦の半分が成功しましたね」
「あぁ、そうだな」
全てを奪われたあの日から、レクシャと共に今日という日に備えて水面下で準備をしてきたインホルト。
そんな彼の安堵した声を聞いて、再び深く息を吐いたレクシャは気を引き締めるとインホルトとその場にいた騎士に指示を出す。
「では各拠点には魔法陣奪還作戦が成功したことと、現地にいる協力者達に合図があるまで交代で魔法陣の警備の指示を」
「「「「「ハッ!!!!」」」」
レクシャの指示に従い、連絡役の騎士達が一斉に現地にいる協力者達にレクシャの指示を伝える。
すると、魔道具越しから協力者達の歓声が聞こえてきた。
(皆、ここまで本当によく頑張ってくれた)
国に反旗を翻していると知りつつも、国のためにとレクシャに手を貸してくれた協力者達の歓声が、通信魔法の付与された魔道具越しから聞こえてきて、思わず笑みを零したレクシャは、気を引き締めると傍にいたインホルトに指示を出す。
「そしてインホルト、お前はここで私の代理として全体の指揮を頼む」
「かしこまりました」
深く頷いたインホルトを見て、レクシャが椅子から立ち上がった時、連絡役の騎士の1人が慌てた様子でレクシャに声をかけた。
「レクシャ様! 王族護衛を監視していた部隊から至急の伝令が!」
「なに?」
(もしかして、もう動いたのか?)
険しい顔をするレクシャに、騎士はメモ書きを読み上げる。
「旧都に繋がる街道の道中にリアン・インベックが姿を現したとの報告が!」
「っ!」
(やはり、目的は王族の暗殺だったか!)
作戦立案中、レクシャはノルベルトがコロッセオにいる観衆の前で国王を殺し、自分が新たな王と宣言すると同時に改竄魔法でこの国の民を全員廃人にし、帝国に攻め入ると考え、そのためにリアンを派遣して、彼が操る魔物を使って攫うと考えていた。
しかし、フリージアが公開処刑されると聞いて、ノルベルトは国王ごと暗殺し、フリージアを公開処刑した後、改竄魔法で国民全員を廃人にし、帝国に攻め入るのではないかと思い立った。
そして、それは図らずも当たってしまったのだ。
こみ上げてくる怒りを抑えながら、レクシャは騎士に問い質す。
「王族は今どこにいる?」
「王都を出て、今街道に入りました!」
「では、王族とノルベルトの倅が対敵する時間は?」
「あちらが動かなければ、恐らく30分後には対敵するかと」
「っ!」
騎士の推測を聞いて、眉間の皺を寄せて苦い顔をしたレクシャがインホルトと騎士に指示を出す。
「インホルト、大至急ロスペルに今聞いたことと、妻やカトレア嬢、ラピス君を拾ってこちらに来るように伝えてくれ」
「かしこまりました」
「王族監視部隊は引き続き監視を。そして、旧都にいる監視部隊に街道に現れたリアンの監視に人を回して欲しい」
「ハッ! 只今!」
レクシャの指示でインホルトと騎士が動いたのを見届けたレクシャは、視線をペトロート王国が乗った作戦用の地図に落とす。
(大方、倅の召喚魔法で召喚した魔物を使って、護衛役の騎士ごと馬車にいる王族全員を殺すつもりなのだろう)
「全く、どこまで堕ちれば気が済むんだ!」
声を荒げながらきつく拳を握ったレクシャが机に拳を叩きつけ、辺りがシンと静まり返った時、ロスペルに報告を終えたインホルトがそっとレクシャの肩に手を置く。
「旦那様。悔しい気持ちは痛いほど分かりますが、今は感情的にならず、陛下を助けることを最優先にした方が良いかと。あなた様がそのようでは全体の士気にも関わりますし……何より、囮役のフリージアお嬢様がいつまで2人の気を引いているか分かりませんので」
「そう、だな……すまない、インホルト」
「いえ、『優秀な執事ならば常に冷静に物事に対処せよ。そして、時として主人を諫めよ』という養父の言葉に従っただけです」
「そう、か。確かに、エドガスなら言いそうなことだな」
(そうだ。私が熱くなってしまっては、ここまで頑張った皆の士気に関わる。それに、こうしている間にもフリージアはコロッセオでたった1人、囮役としてノルベルトとダリア嬢の機を引いている。ならば、急いで陛下を救出しなければ)
「皆、すまない。取り乱してしまった」
インホルトの言葉で、今は亡きエドガスのことと、遠い場所で1人孤独に頑張っている娘のことを思い出し、冷静になったレクシャが謝罪をするとインホルトに視線を向ける。
「では、ロスペル達が来次第、私たちは王族のもとに駆けつけ……」
「それなら」
「っ!!」
部屋の入り口から聞こえてきた声に、レクシャ達は思わず息を呑んだ。
その視線の先には、鎧を纏った2人の男を連れ立った金髪碧眼の麗しい表情をした男がいた。
「僕も行って構わないよね?」
「ジルベール殿下!」
8
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~
ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。
騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。
母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。
そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。
望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。
※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。
※表紙画像はAIで作成したものです
追放された落ちこぼれ令嬢ですが、氷血公爵様と辺境でスローライフを始めたら、天性の才能で領地がとんでもないことになっちゃいました!!
六角
恋愛
「君は公爵夫人に相応しくない」――王太子から突然婚約破棄を告げられた令嬢リナ。濡れ衣を着せられ、悪女の烙印を押された彼女が追放された先は、"氷血公爵"と恐れられるアレクシスが治める極寒の辺境領地だった。
家族にも見捨てられ、絶望の淵に立たされたリナだったが、彼女には秘密があった。それは、前世の知識と、誰にも真似できない天性の《領地経営》の才能!
「ここなら、自由に生きられるかもしれない」
活気のない領地に、リナは次々と革命を起こしていく。寂れた市場は活気あふれる商業区へ、痩せた土地は黄金色の麦畑へ。彼女の魔法のような手腕に、最初は冷ややかだった領民たちも、そして氷のように冷たいはずのアレクシスも、次第に心を溶かされていく。
「リナ、君は私の領地だけの女神ではない。……私だけの、女神だ」
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる