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第8章 波乱と因縁の建国祭
第475話 僕も行こう(前編)
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――それは、ロスペルとティアーヌが村人達を改竄魔法から解放してしばらく経った時のこと。
ペトロート王国西側に設置された魔法陣の正常化していたヴィルマン侯爵家直属の騎士団は、帝国から派遣されたサザランス侯爵一族の護衛をしつつ、魔法陣内の黒い魔力の無効化の作業中に溢れ出た黒い魔力で現れた魔物の討伐をしていた。
「はああっ!!」
「グガガッ!!」
騎士達が魔物討伐をしている中、ペトロート王国第一王子ジルベールも騎士達に交じって剣を振って魔物を屠っていた。
もちろん、彼の傍にはサザランス公爵家次期当主リュシアンもいた。
「殿下、くれぐれも無茶しないでくださいね。あなたに何かがあれば、私や父の首が吹き飛びますから」
背中越しにリュシアンから注意され、ジルベールは思わず笑みを零す。
「大丈夫だ。なにせ、最強剣士のお前がいるのだから」
「何ですか、その根拠もない理由は!」
幼少の頃から剣を学び、お互い切磋琢磨してきたジルベールとリュシアンは今、周囲の動きを見ながら互いに背中を預けつつも息の合った動きで戦っていた。
すると、狼のような四足歩行の大型魔物が2人に向かって大きく口を開け、赤い魔法陣を展開した。
「リュシアン!」
「分かっています!」
ジルベールの言葉ですぐさま彼の前に出たリュシアンが、魔法文字が刻まれた銀色の大剣に透明な魔力を纏わせると切っ先を魔物に向ける。
「《直接干渉》!」
リュシアンが無効化魔法を放ったことで、魔物が展開していた赤い魔法陣があっさり打ち消された。
突然のことに魔物が狼狽えている隙に、後ろにいたジルベールが足に強化魔法をかけ、リュシアンの頭上を軽く飛び越えると、魔物の頭部に剣を突き刺す。
すると、一瞬だけ呻き声を上げた魔物が魔石に変わった。
「さすが、殿下。お見事です」
「お前が言うと心底嫌味にしか聞こえないのだけど」
リュシアンからの心のこもっていない賛辞を聞いて、ジルベールが呆れたその時、辺り一帯に響いていた喧騒が一気に静まった。
「殿下、もしかして……」
「あぁ、間違いない」
(なにせ、ここは最後の魔法陣みたいだからな)
水を打つような静けさにジルベールが目を細めると、鎧を纏った男が馬に乗って駆けてきた。
そして、2人の前に立ち止まると、馬上から降りた男はジルベールの前で跪いた。
「殿下、ご報告がございます」
「ヴィルマン侯爵」
ジルベールの前に跪いた男は、レクシャから西側の総指揮を任され、後方で前線の状況を見つつ、他地域の情報を纏めていたメストの父でありヴィルマン侯爵家当主ディロイス・ヴィルマン侯爵だった。
そんな彼に気づき、騎士達がすぐさま集まると、ディロイスは先程レクシャから届いた吉報を臣下としてジルベールに伝える。
「先程、サザランス公爵様から『ペトロート王国にある全ての魔法陣の正常化が終わった。魔法陣は無事に我らの手でノルベルトから奪還した』と報告がございました」
「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」
熱を感じないディロイスの淡々とした口調で『魔法陣の奪還が成功した』と告げられた瞬間、周囲に集まっていた騎士達が、一斉に雄叫びを上げて互いに健闘とたたえた。
その様子に笑みを零したジルベールは、硬い表情のまま深々と頭を下げているディロイスに視線を戻す。
「そうか、ようやくノルベルトの手から取り戻せたんだね」
(本当に、良かった)
周りにいた騎士達が喜んでいるところを見て、ジルベールは1人、喜びと安堵を噛み締めていた。
ペトロート王国西側に設置された魔法陣の正常化していたヴィルマン侯爵家直属の騎士団は、帝国から派遣されたサザランス侯爵一族の護衛をしつつ、魔法陣内の黒い魔力の無効化の作業中に溢れ出た黒い魔力で現れた魔物の討伐をしていた。
「はああっ!!」
「グガガッ!!」
騎士達が魔物討伐をしている中、ペトロート王国第一王子ジルベールも騎士達に交じって剣を振って魔物を屠っていた。
もちろん、彼の傍にはサザランス公爵家次期当主リュシアンもいた。
「殿下、くれぐれも無茶しないでくださいね。あなたに何かがあれば、私や父の首が吹き飛びますから」
背中越しにリュシアンから注意され、ジルベールは思わず笑みを零す。
「大丈夫だ。なにせ、最強剣士のお前がいるのだから」
「何ですか、その根拠もない理由は!」
幼少の頃から剣を学び、お互い切磋琢磨してきたジルベールとリュシアンは今、周囲の動きを見ながら互いに背中を預けつつも息の合った動きで戦っていた。
すると、狼のような四足歩行の大型魔物が2人に向かって大きく口を開け、赤い魔法陣を展開した。
「リュシアン!」
「分かっています!」
ジルベールの言葉ですぐさま彼の前に出たリュシアンが、魔法文字が刻まれた銀色の大剣に透明な魔力を纏わせると切っ先を魔物に向ける。
「《直接干渉》!」
リュシアンが無効化魔法を放ったことで、魔物が展開していた赤い魔法陣があっさり打ち消された。
突然のことに魔物が狼狽えている隙に、後ろにいたジルベールが足に強化魔法をかけ、リュシアンの頭上を軽く飛び越えると、魔物の頭部に剣を突き刺す。
すると、一瞬だけ呻き声を上げた魔物が魔石に変わった。
「さすが、殿下。お見事です」
「お前が言うと心底嫌味にしか聞こえないのだけど」
リュシアンからの心のこもっていない賛辞を聞いて、ジルベールが呆れたその時、辺り一帯に響いていた喧騒が一気に静まった。
「殿下、もしかして……」
「あぁ、間違いない」
(なにせ、ここは最後の魔法陣みたいだからな)
水を打つような静けさにジルベールが目を細めると、鎧を纏った男が馬に乗って駆けてきた。
そして、2人の前に立ち止まると、馬上から降りた男はジルベールの前で跪いた。
「殿下、ご報告がございます」
「ヴィルマン侯爵」
ジルベールの前に跪いた男は、レクシャから西側の総指揮を任され、後方で前線の状況を見つつ、他地域の情報を纏めていたメストの父でありヴィルマン侯爵家当主ディロイス・ヴィルマン侯爵だった。
そんな彼に気づき、騎士達がすぐさま集まると、ディロイスは先程レクシャから届いた吉報を臣下としてジルベールに伝える。
「先程、サザランス公爵様から『ペトロート王国にある全ての魔法陣の正常化が終わった。魔法陣は無事に我らの手でノルベルトから奪還した』と報告がございました」
「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」
熱を感じないディロイスの淡々とした口調で『魔法陣の奪還が成功した』と告げられた瞬間、周囲に集まっていた騎士達が、一斉に雄叫びを上げて互いに健闘とたたえた。
その様子に笑みを零したジルベールは、硬い表情のまま深々と頭を下げているディロイスに視線を戻す。
「そうか、ようやくノルベルトの手から取り戻せたんだね」
(本当に、良かった)
周りにいた騎士達が喜んでいるところを見て、ジルベールは1人、喜びと安堵を噛み締めていた。
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