王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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毒草じゃなくても2

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何が起きたの?数時間いなくなってただけなのに、誘拐事件!?
どしゃ降りだから、今まで呼ばれてたのに気がつかなかったわ。

1番近くにいる人が私を見つけて駆け寄ってきた。
「エリザベス様!!大丈夫ですかっ?」
「…はい。」
「よかった、とりあえず、校舎へ…」

1番近くにある教室でやはり質問される。
「何処へ行ってたのですか?」
「あ、そこの迷…」
バンッ
「リズっ!!」
「…うわっ!?」
勢いよく扉を開いて私の言葉がかきけされた。
「よかった…無事で…。すまない、俺のせいだ…」
「あの…セドリック様のせいではありませんが…」
「いや、俺が『外でやれ』と言わなければ、こんな事に…。」

そう言って、頬に触れられた。

「もう外に行かなくていい…。専用の部屋を用意する。警備も置く。」

隔離…

「…そこまでして頂かなくても…」
「趣味を否定するつもりはない。」 

肯定…

「毒草…ですよ?」
「それなら尚更だ。」

尚更隔離…

オタクで嫌われる作戦が台無しだわ。隔離されたら今回のような攻撃方法が出来なくなるもの。部屋に全部おいて、そこから持ち出すな…作業するならそこでやれって事だよね。
これは、先手を打たれたのよ。

こんな大事になっていなければ、嫌われる方向に持っていけてたはずよ…。

私は『嫌われオタク令嬢』になって、学校中から鬱陶しがられて、それで選ばれない…という流れも難しくなったわ。

「リズ、今まで何処にいた?」

恥ずかしいけど言うしかないよね。

「……ぃろ」

「……ろ?」

「……迷路」

「…………」

「…以外と難しくて」

「…っくく……アハハハっ」

「……」

そりゃ笑うよね…、ありえないもの。

「エリザベス様、着替えを用意致しました。」

セドリック様の付き人のラッドさんが新しい制服を持ってきてくれた。

「ありがとうございます。……セドリック様、授業に戻らなくてもいいのですか?」

「いや、もう少しここにいよう。」

戻ってくれないかしら。

・・・・


リズは体を温めてから教室に戻る。俺は先に教室に戻った。

「何を笑ってるんだ。」

ラッドが俺を見てニコニコしている。

「久しぶりにセドリック様の笑い声を聞いたと思いまして。嬉しいんですよ。」

「は?」

「ここ数年、笑わなくなりましたからねぇ。」

「…何が言いたい。」

「やっと思春期卒業ですかね。」

「何を言ってるんだ、お前は…」


・・・・


あの迷路の事があってから、お部屋を用意してくれたのは嬉しいの。けど、マイナスの方が大きいのよね。

「セドリック様、何故ここにいるのでしょうか?」
「ちょっと、毒草がどんな物か見てみたくなっただけだ。」
「そうですか…」

おそれていた事が…。
興味を持たれるのが1番困るの!『俺も一緒に研究する』とか『育てる』とか言い出したら…恐怖だわ。

「花や草ではなくて、何故毒草なんだ?」
聞こえなかった振りをしようかしら…。もう1度質問されれば答える事になるんだから同じだよね。
「毒で死んだ人を知ってるからです。」
「尚更毒草を選びたくなくなるんじゃないか?」
「私は変人なんです。という事で、婚約者には適しませんわ。」

…弟がそれを食べて数秒後に死んでしまったから。知っていれば止められた。どんな毒を持つのか知っていたら、食べてしまった時どんな対応をすればよかったのか解る。
毒草や毒花は本当におそろしい物だと知ってほしいから、その為にたくさん研究して、それを皆に解るように本にしたい。

だから絶対に婚約者にはならないわ。

「お話中申し訳ございません。セドリック様、エリザベス様、授業が始まります。」
「わかった。リズ、教室へいくぞ。」
「はい…」

…1日ずっとここにいたいわ。けど、ミリオン侯爵の娘がサボりは駄目よ。

「婚約者選び、あれは1年がたってから最終的に発表されるんでしょうか?」
「そうだ。」

じゃあ、まだ時間がないわけでもないわね。新しい作戦考えないと…。

「またくだらない事を考えているんだろ。」

くだらない…確かに、この婚約者選びほどくだらないものなんてないよね。

「…私には恋人がいます。」
「どこの誰なのか教えなければ信じない事にした。」

…事にしないでもらえるかしら。

「ルーシー様、リリー様、どちらかが別れた場合、その人と婚約してください。お友達を不幸にしたくなくても、そのお友達が不幸にならない状態なら文句はないでしょうから。」

「別れさせるつもりか?」

「そんな事をするつもりはありません。」

けど、つつけばボロを出しそうなんだよね。スタンは…。
あの人、ルーシー様が好きというよりも、打算的に見えるのよね。何かあれば王太子と公爵令嬢に泣きついて…、『俺には2人がついているんだぞ!』みたいな感じにしか見えないもの。
ミリオン侯爵の娘に、『貴様』と言えたのも、2人がいるからよ。


少し、どんな感じなのか観察して行動するわ。
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