王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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「無事に完売!」
「無料配布していただけだ。完売じゃない。」
「…セス様は私には色々言いますよね。」

そういえば、セドリックは私に恋人がいるのを信じないと言ってたよね。だったらこれはチャンスだわ!!

「セス様!私の恋人をご紹介します。」

適当に誰かに頼めばいいよね!これで、婚約者候補は同列よ。

「関係なくなった。」
「え?」
「父上に真面目に考えろ…と言われた。」
「…さすがですわ。それでこそセス様のお父様。」
「…面倒になっただけだ。」
「面倒…?」
「いや、何でもない。」

何でも無い事はないよね。私は候補の1人なんだもの。会った時から『誰でもいい』…って言ってたし、本当にどうでもいいのね。
これからこの人は、誰の言う事でも聞いて生きるのかしら。

「どうでもいいだなんて、一生懸命生きている人を侮辱していると思わないの?したくない事をしないと生きていけない、食べていけない人は山ほどいるのよ。自分の立場を考えて言葉を使うべきよ。」

「…リズは何故そこまで怒れるんだ?」

「どういう意味ですか?」

「どれだけ正しい事を言っても、目に見えて間違えている方に進んでいく。どんなに頑張ってもその力に逆らえない。」

「正しい事を言える地位にいる、戦える位置にいるのに諦めるのは卑怯だわ。」

「…正論だ。」

「そうね…偉そうに言ってしまったけど、私だって何かを出来ている訳でもないわ。けど、誰かをさげすむ心しかない人にはなりたくないの。」

「リズは王妃に向いてるかもしれないな。」

「…婚約者を通り越して『王妃』ですか。」

「兄とそうなるべきだ。」

「ロビン様と?」

「…せいぜい婚約者に選ばれないように頑張れ。」

何だか様子がおかしい気がするわ。
まだパーティーでの怪我の事を気にしているのかしら…。
「リズ…1つ答えてくれないか?」
「答えられる事であれば。」
『花を売ってたか?』って確認かもしれないわ。焦らないようにしないと!!


「首の赤い痣は生まれた時からあるのか?」
痣…?
「ありましたけど。」
「そうか…。」

私に痣がある事、花を買った時に気づいてたのかしら…?じゃなきゃそんな質問ありえないもの。
これは、足の傷を見られたら言い逃れ出来ないわ。傷だけなら『昔硝子の破片を踏んでしまった』とか言えるけど、2つの証拠が揃ってしまったら無理よね。

「痣が何か?」
「…会いたい人にも痣があった。」

…会いたい人?

「好いた方でもいらっしゃるのですか?」
「違う…。」
もしかして、その人を探してて、私の事は関係ないのかしら。
けど、足を見せてほしい…って言ってたもの、探しているのは私よね。

私は彼をあの時の少年だと思った。セドリックも私じゃないかと思った。条件は同じだけれど、天にいる人は地獄に来ない…。やっぱりありえないわ。
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