王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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コチ街

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週に1回、セドリックと2人きりでお茶。もちろん今は他の2人もしているわ。

やっとスタートラインにつけたというものよ。
特に話したい事もないし、ほぼ無言よ。

「リズ、まだ俺を怒っているか?」

何、その質問…。どれに対して怒ってるって聞いてるのかしら。沢山ありすぎて許すもなにも。
…何か困ってる事でもあるのかしら?すごく難しい顔をしているけど…。

「…一緒に来てほしいところがある。誘ったら来てくれるか?」
「お断りします。」

折角、この前のパーティーの事を無かった事に出来たのに、わざわざ行くわけないじゃない。

「頼む、この前のように薬を配ってほしいんだ。」
「…どういう事ですか?」
「…探してる子が来る可能性がある所に行きたいんだが…、用もないのにその場に長居する事は出来ない。」
「…この前みたいにテントで販売したいという事ですか?」
「そうだ。だが勝手が解らない。リズは慣れていたように見える。」
「……」

『既に見つけてるわよ』と、言ってあげられないのが辛いわ。こんなに一生懸命なんだもの。
探したけれど見つからなかった…それなら諦める事も出来るけど、何も出来なかったら一生後悔するよね。

「一緒に行きますが、ロビン様にも誰にも言わないと約束してください。」
「っ絶対言わない!!」
「ラッドさん、貴方もよ。」
「…もちろんです。」

嘘臭いわね。これで伝わってたら、全部ラッドさんのせいにするわ。
この件については、セドリックも誰にも知られたくないようだしね。じゃなきゃ、1人でこそこそ調べないもの。

「そのバザーはいつなのですか?」
「今週の日曜日だ。」
「……今週?」
「このバザーがあるのを知ったのが今日の朝なんだ。人探しをしているのを知っているのも、頼りになりそうなのもリズだけ…。」
「…今週って、突然言われてもそんなに薬は用意出来ませんよ。そもそも私は毒草の成分を調べてる時に、薬になりそうなものを調合してるのよ。」

「こちらでも用意する。」

「それは構いませんが、高級な薬は持ってこないでくださいね。お金持ちがいる…と気が付かれるのは危ないんです。それと、お金は頂いてください。私は領内だから無料で配ってましたけど、外ではそうはいきません。怪しまれます。」

「わかった。色々詳しくて助かる。」

本当に大丈夫かしら。不安だわ。

「場所はどこですか?」
「コチ街だ。」

コチ…

「……止めておきましょう。」

私が育った所。栄えた街には裏側があって、とても危ない人もいるのよ。でも、だからこそ行くつもりなんだわ…。場所だって何となく憶えているはずよ。

あの街には、公式にでも王族が行く事はないのよ。お金を持っていたら、殺してでも奪いに来る者が沢山いるの。この人達は実際の恐ろしさを知らないんだわ…。

皆は聞くだけで行かないんだもの。現場を知らずに『危険な所だ』…なんて、それじゃ済まないの。王太子だなんて気が付かれたら、どんな目にあうかわからない。
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