王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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今日は待ちに待った10日!

「私をミリオン侯爵の別邸へ連れて行ってほしいの。」
「それは出来かねます。」

…まさか断られるなんて。これは誰かの命令?それとも私への嫌がらせかしら?

どっちでも構わないわ。私は1人ででも行くから。私は温室スタイルに着替えて窓から外へ。
庭師のふりをして堂々と庭を抜けて邸をでた。まさか、こんなにも簡単だなんて。
護衛だなんていっても、私がお嬢様らしい服を着ていなければエリザベスだって気がつかないよね。…護衛の質が悪いだけなのか、わざとなのか、まぁどちらでもいいわ!

私は急いで辻馬車が集まる道に行った。

「この街にあるミリオン侯爵の邸はわかる?」
「この街で知らねぇ奴はいないさ。貴族にしてはいいオッサンだからな。何だお前、その格好、あの邸の庭師か何かか?」

オッサン…。まぁ、人柄をけなしてる訳ではないし、よしとするわ。

「ええ。それより、何故いい侯爵だってわかるの?」
「身分とかあんま気にしねぇ、変なオッサンで有名だからさ。ここで貧乏人でも人扱いする貴族なんざ、あのオッサンだけだからな。」
「…どういう事?」
「ここだけの話だけど、10年くらい前、ボロ雑巾みたいな死にかけの子どもを助けたらしい。たまたまコチの周辺走ってたジジイが見てて、ミリオン侯爵の娘はその子じゃないかって。バカらしい話さ。」
「………」
「どうした?」
「働いてたけど初耳だったから…。」
「そりゃそうさ、そんな訳ねぇんだから。」
「そうね。」

…私を拾ったのを見てた人はいるだろうけど、こんな事を言われてるなんて初めて知ったわ。それはそうよね…。貴族わたしたちは、辻馬車に乗る事もなければ、街の人と親しく話をする人なんて殆んどいないもの。

もしかして、街ではかなり前からそういう話をされているのかもしれないわ。

……これ、誘拐の一味の耳に入ったらどうなるかしら。私は幸せすぎて忘れていたのよ。情報っていうのは街の人が持ってるもので、貴族が知る事なんてくだらない事ばかりなのよ。

お父様に相談する…?
でも『気にするな』って言うわ。私に『無理せず好きなように生きていい』と言ってくれる人だもの。

これからも色々な人に聞かれる話かもしれない。だからと言って簡単にミリオン家に手を出せるものじゃないわ。けれど、誘拐が組織なのであれば、お父様を脅すネタになってしまう…。

やはり私が捕まえるわ。何を言われたって警察を手伝う。
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