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ミリオン侯爵の力2
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その日、お父様とお母様も王都へ行く事になった。
夕刻に出れば着くのは結局明後日になる。
『明日出発して下さい』と長官と司令官は言ったけど、お父様は聞き入れなかった。
「伯爵との話を勝手に進める事は許さん。それから、馬でこれをターナー公爵へ。」
ミリオン侯爵家の封蝋のついた、ターナー公爵宛の手紙。公爵家はこの事件の被害者…。
「それから、これはスコット伯爵へ。」
スコット伯爵…コチの領主宛。
お父様…
『悪い事をやろうと思えば出来る身分』
きっと良識のある人はしない。けど今回はその人達を怒らせてしまった。
ターナーとミリオン、その名前だけで伯爵の領地の1つを潰せるのかもしれない。だからお父様は『コチくらい』と言ったのよ。
「公爵と私、少なくとも2人が揃うまでは話を進めないでもらおうか。陛下にも総帥にも伝えるのは結構だが、対応は間違えてもらっては困る。公爵家とミリオン家を完全に敵にまわしてもいいというなら自由にしてもらって結構だ。」
「仰せの通りに。」
長官が静かに返事をした。
陛下も総帥も、きっと何も出来ないんだわ。お父様は『誘拐された貴族』といったけど、公爵とお父様ならそれ以外も集められる。
国は国王を中心にしていても、それだけで動いてる訳じゃないもの。
コチを潰す…。暮らしている人の何もかもを強引に取り上げて、潰して、新しいものにしてしまう。一部の奴等のせいで、皆が全てを奪われる…。
お父様はまだ何か話していたけれど、私とお母様は、グリーと司令官直属の兵士とともに馬車に乗って先に邸をでた。
・・・・
「伯爵、君がお金を以てコックス伯爵のご令嬢と結ばれたのは誰もが知る事実。社交界の笑い者として名をあげたとしても、今回のような事がなければ君を脅かそうとするものは殆んどいなかったはずだ。1つ家を潰すという事は、そこに携わる者の生活を取り上げてしまうのと同意だからだ。」
「……」
「私達のような世界に生きる者は、信用が大切なんだ。君に手を貸してくれる誰か、それを探しておけ。私は君の息子をどうこうするつもりはないが、この事件は大きすぎた。被害者である公爵の言葉1つで全ては決まるだろう。反対しても得にならない事に、反対する者など殆んどいない。…それが貴族社会だ。公爵に被害者は皆賛同する。たとえグリーが断頭台に登る事になっても、私は覆す事はしない。自害してしまった子と君の息子は同い年だ。……親にとって子は1番の宝なんだ。」
「……」
「グリーが生きる可能性を増やす事は出来なくはない。君が洗いざらい知っている事を話す事だ。被害者の目をこの事件の核となる人物に集中させる。それしかない。地獄に息子を連れていきたいなら別だがな。」
コチを潰す、今の状況なら出来ない事じゃない。だが、公爵といい方法を考えないと…。街の住人を追い出せば、またその人達に行き場がなくなる。同じ事の繰り返し。それは公爵だって悩むはずだ。
身分社会だ。上は下を嘲る者が多い…。だから下から上にも反発がくる。私達が相手の命を軽視する。そんな相手から私達は『金』としか思われていないんだ。
夕刻に出れば着くのは結局明後日になる。
『明日出発して下さい』と長官と司令官は言ったけど、お父様は聞き入れなかった。
「伯爵との話を勝手に進める事は許さん。それから、馬でこれをターナー公爵へ。」
ミリオン侯爵家の封蝋のついた、ターナー公爵宛の手紙。公爵家はこの事件の被害者…。
「それから、これはスコット伯爵へ。」
スコット伯爵…コチの領主宛。
お父様…
『悪い事をやろうと思えば出来る身分』
きっと良識のある人はしない。けど今回はその人達を怒らせてしまった。
ターナーとミリオン、その名前だけで伯爵の領地の1つを潰せるのかもしれない。だからお父様は『コチくらい』と言ったのよ。
「公爵と私、少なくとも2人が揃うまでは話を進めないでもらおうか。陛下にも総帥にも伝えるのは結構だが、対応は間違えてもらっては困る。公爵家とミリオン家を完全に敵にまわしてもいいというなら自由にしてもらって結構だ。」
「仰せの通りに。」
長官が静かに返事をした。
陛下も総帥も、きっと何も出来ないんだわ。お父様は『誘拐された貴族』といったけど、公爵とお父様ならそれ以外も集められる。
国は国王を中心にしていても、それだけで動いてる訳じゃないもの。
コチを潰す…。暮らしている人の何もかもを強引に取り上げて、潰して、新しいものにしてしまう。一部の奴等のせいで、皆が全てを奪われる…。
お父様はまだ何か話していたけれど、私とお母様は、グリーと司令官直属の兵士とともに馬車に乗って先に邸をでた。
・・・・
「伯爵、君がお金を以てコックス伯爵のご令嬢と結ばれたのは誰もが知る事実。社交界の笑い者として名をあげたとしても、今回のような事がなければ君を脅かそうとするものは殆んどいなかったはずだ。1つ家を潰すという事は、そこに携わる者の生活を取り上げてしまうのと同意だからだ。」
「……」
「私達のような世界に生きる者は、信用が大切なんだ。君に手を貸してくれる誰か、それを探しておけ。私は君の息子をどうこうするつもりはないが、この事件は大きすぎた。被害者である公爵の言葉1つで全ては決まるだろう。反対しても得にならない事に、反対する者など殆んどいない。…それが貴族社会だ。公爵に被害者は皆賛同する。たとえグリーが断頭台に登る事になっても、私は覆す事はしない。自害してしまった子と君の息子は同い年だ。……親にとって子は1番の宝なんだ。」
「……」
「グリーが生きる可能性を増やす事は出来なくはない。君が洗いざらい知っている事を話す事だ。被害者の目をこの事件の核となる人物に集中させる。それしかない。地獄に息子を連れていきたいなら別だがな。」
コチを潰す、今の状況なら出来ない事じゃない。だが、公爵といい方法を考えないと…。街の住人を追い出せば、またその人達に行き場がなくなる。同じ事の繰り返し。それは公爵だって悩むはずだ。
身分社会だ。上は下を嘲る者が多い…。だから下から上にも反発がくる。私達が相手の命を軽視する。そんな相手から私達は『金』としか思われていないんだ。
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