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暴れません2
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翌日朝6時、私は裏庭にいる。
「ヘックショイ、あ~、寒い。」
「お嬢様、もう少し可愛いくしゃみをしてください。」
「くしゃみに可愛いものなんてないわよ。それにしても、事件の手がかりっぽい物は何もないわね。」
「お嬢様が見つける前に警察が持って帰ってます。」
「…ルネ、証拠というのは物だけではないのよ。ほら、この辺りを見て。最近誰かが踏んでるわ。コロフウセンが踏み潰されてる。」
「あ、本当ですね。」
「これは花を咲かせた後、楕円形の風船のような姿になるの。軽いから風で飛ばされるか、割れて種子がポロポロ落ちるか。でもそれは、真冬になってからの話よ。今はまだ枝にしっかりくっついてるのに、沢山落ちているのは不自然だわ。」
「動物では?」
「それ、匂いを嗅いでみるといいわ。」
ルネはコロフウセンに顔を近付けた。
「……クサっ!!」
「ふふ、でしょ。青いうちは臭くて動物は口にしないわよ。」
「という事は、誰かは来てますね。」
「そうね。きっと男だわ。女の人なら大概避けるもの。」
「けど、さすがにハッキリとした足跡っぽい物はありませんね。」
「いいのよ。ルネ、明日は何がある日なのか思い出して。」
「パーティーですね。」
「ええ、ここに何か保管してたのよ。明日の為にそれを取りに来た。」
「でも、部外者なら絶対に見つかりますよ。」
「ルネは駄目ね。道と認識してる場所からしか出入りしないって概念は捨てないと。結構奥まで行くと溝があるの。そういう所を通って来ないとも限らないのよ。」
「さすがにそれは…」
「これは例えばよ。出入りするのに1番いいのは制服を1着手に入れる事ね。卒業生なら持っているし、それが警備員の服なら完璧よ。」
「そんな簡単なものでしょうか。わざわざここに植えたり隠したりする必要はないと思います。どこでも育つ毒草であれば尚更です。」
ルネの言うとおり、わざわざリスクを背負う必要はないし、私が来るかも知れないのにここを選ぶ必要はない。
「だとしても最近ここに誰かは来てる。それは確かなのよ。私の箱庭にね。」
「お嬢様、箱庭って何かご存知ですか?」
「ええ、だから箱は学校よ。大きな私の箱庭よ。」
「学校を箱だなんて呼べませんよ…」
「ルネは融通がきかなぃ…ックショイ!」
「お嬢様、今日はもう帰りましょう。体調不良にでもなれば『医師に診せる!』とか、セドリック様が大騒ぎしますから。」
「そうね。」
その日は7時10分に帰った。
「どこへ行ってたんだ。」
「…ちょっとそこまで。」
「そんな薄着で風邪をひいたらどうするんだ!」
「ごめんなさい…。」
寮に帰るとセドリックに物凄く怒られた。
「ヘックショイ、あ~、寒い。」
「お嬢様、もう少し可愛いくしゃみをしてください。」
「くしゃみに可愛いものなんてないわよ。それにしても、事件の手がかりっぽい物は何もないわね。」
「お嬢様が見つける前に警察が持って帰ってます。」
「…ルネ、証拠というのは物だけではないのよ。ほら、この辺りを見て。最近誰かが踏んでるわ。コロフウセンが踏み潰されてる。」
「あ、本当ですね。」
「これは花を咲かせた後、楕円形の風船のような姿になるの。軽いから風で飛ばされるか、割れて種子がポロポロ落ちるか。でもそれは、真冬になってからの話よ。今はまだ枝にしっかりくっついてるのに、沢山落ちているのは不自然だわ。」
「動物では?」
「それ、匂いを嗅いでみるといいわ。」
ルネはコロフウセンに顔を近付けた。
「……クサっ!!」
「ふふ、でしょ。青いうちは臭くて動物は口にしないわよ。」
「という事は、誰かは来てますね。」
「そうね。きっと男だわ。女の人なら大概避けるもの。」
「けど、さすがにハッキリとした足跡っぽい物はありませんね。」
「いいのよ。ルネ、明日は何がある日なのか思い出して。」
「パーティーですね。」
「ええ、ここに何か保管してたのよ。明日の為にそれを取りに来た。」
「でも、部外者なら絶対に見つかりますよ。」
「ルネは駄目ね。道と認識してる場所からしか出入りしないって概念は捨てないと。結構奥まで行くと溝があるの。そういう所を通って来ないとも限らないのよ。」
「さすがにそれは…」
「これは例えばよ。出入りするのに1番いいのは制服を1着手に入れる事ね。卒業生なら持っているし、それが警備員の服なら完璧よ。」
「そんな簡単なものでしょうか。わざわざここに植えたり隠したりする必要はないと思います。どこでも育つ毒草であれば尚更です。」
ルネの言うとおり、わざわざリスクを背負う必要はないし、私が来るかも知れないのにここを選ぶ必要はない。
「だとしても最近ここに誰かは来てる。それは確かなのよ。私の箱庭にね。」
「お嬢様、箱庭って何かご存知ですか?」
「ええ、だから箱は学校よ。大きな私の箱庭よ。」
「学校を箱だなんて呼べませんよ…」
「ルネは融通がきかなぃ…ックショイ!」
「お嬢様、今日はもう帰りましょう。体調不良にでもなれば『医師に診せる!』とか、セドリック様が大騒ぎしますから。」
「そうね。」
その日は7時10分に帰った。
「どこへ行ってたんだ。」
「…ちょっとそこまで。」
「そんな薄着で風邪をひいたらどうするんだ!」
「ごめんなさい…。」
寮に帰るとセドリックに物凄く怒られた。
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