王太子様お願いです。今はただの毒草オタク、過去の私は忘れて下さい

シンさん

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出口のない迷路2

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「…気を失ってると痛みはあるのか、その辺は解らないな。」

左手に持っている両刃のナイフが俺の顔をうつした。
血だらけだ。

メスは持っているけれど、ここで心臓を取り出す時間もない。
だから刺そう。

もうすぐセドリックが来る。
彼女を目の前で殺したらどんな顔をするだろう。その顔を見てからエリザベスの後を追うのも悪くない。

俺は何処へいってもセドリックだ。
けれどセドリックじゃない。

セドリックにつけた火傷の痕は×
あれは、お前が偽物なんだ…って印だ。

「トビー止めろっ!!」

「……」

何も楽しい事がない…、セドリックは成長するたびにそんな顔をしてた。
なのにエリザベスが来てから前と違う。
『どうでもいい』という、無気力さがなくなった。

だからエリザベスに興味を持った。毒草オタクだというから、俺の方が話が合うと思った。


「止めない。エリザベスはお前のものじゃない。」
「そっくりそのまま返してやる。エリザベスは誰のものでもない!!」
「そうだとしたなら、俺が心を奪う。」

「止めろ!止めてくれっ!!」

「そこで見てればいい。」



「……大切な……ま…る…ら……でも…する」

セドリックが何か言ったように思ったが、木が燃える音で小さな音は聞こえなかった。


パンパンパンパンッ

「っっ!?…」

次に大きな音が聞こえた時、腹から血が出てるのに気がついた。

視界が暗くぼやけていく中で見たもの。
涙を浮かべたセドリックが、エリザベスの名を呼んで抱き締めてるところ。

「エリザベスっ!!起きろっ!!」


俺は馬鹿だと思う。

さっさとエリザベスを殺せば、それでよかったのに…
それをしなかった。

エリザベスがセドリックを好きなのは直ぐにわかった。俺を偽物だと確信して、躊躇いもなく顔面を殴った。
もしかして本物だったらどうしよう。…なんて頭を過らなかったんだ。


心臓をくりぬいたって、エリザベスは手に入らない。そう思うと、空しくなった。

何でも力で押さえつけて、縛って動けなくしてから殺してきた。簡単だったし楽しかった。

エリザベスにもそうしたかった。

そうするつもりだった。

何で出来なかったんだ。

よくわからない。

何が欲しくて何が要らなかったのか。

もう正解を知る事は出来ない

…まるで出口のない迷路だ。
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