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不機嫌な王子3
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「君は今まで何処にいたんだ?」
「心配してくださるかと思いましたが、知りたいのは場所なのですね。」
「…すまない。」
「構いませんわ。捨てられたような状態でしたもの、私がどんな苦痛を受けていたとしても、痛くも痒くもないでしょう。」
「……」
性格悪いニーナを演じられてるわ。これで嫌われれば最高よ。
「会いたくもない婚約者でも、いなければ困りますのね。」
「…君はニナじゃないのか?」
ついこの間は逆を聞いてたじゃない…。
「その女性と間違われて連れてこられたのです。」
ここから交渉開始よ。
「殿下、婚約を解消して下さい。」
「……」
「放置されて、強盗につかまって(嘘)、けれど誰も助けてはくれなかった。挙げ句の果てに『ニナ』という女性と間違えて、婚約者である私をつれてきた。無礼にも程があるでしょう。シャロン様とも仲良くしているのでしょう?最初から私は必要ない女だったのです。」
こちらだけ利用されるなんて嫌よ!
「世継ぎはそちらで解決して下さい。そして私とは別居を。結婚するならそれを条件とします。」
最終的に…何があっても別居だけは譲らないわ。
「わかった。婚約は破棄の方向で進める。」
え…
うそ……っ!
やったーーっ!!
こんなにあっさり言ってくれるなら、最初から言えばよかったわ。
「こちらとしても、条件を課す。」
貴方がそれを言える立場じゃ無いでしょ…。まぁいいわ。結婚から脱出だもの。
「何でしょう?」
「話し合いには時間がかかる。」
「勿論そうでしょうね。」
「その間はボナースと言う孤児院で生活してもらう。」
どういう事?
私にとっては嬉しい条件よ。
けど、伯爵令嬢であるニーナにボナースへ行けって、それって嫌がらせに近いよね。
私だから楽しく暮らせてただけよ。
ボナースでの私を見ようと思ってるとか?ニナかもしれない…って、疑ってる?
嘘でしょ…。いま話してた内容がニーナである証になるよね。
ニナがニーナだと疑って、ニーナをニナだと疑うなら、永遠に私は見つからないわよ…。
私からすれば『婚約破棄』の言葉が聞けたならそれでいいの。
…これは何かの罠?
「そこで暮らす意味はなんですの?」
「人手が足りてないみたいだから、助けてあげてほしいんだ。」
普通、人を雇うでしょ。
「婚約破棄出来ませんでした。という返答は 100%無いのであれば。」
「それは今は断言出来ない。」
「わかりました。近々陛下にもお会いする事になるでしょうし、そこでお待ちしてお待ちしております。」
「心配してくださるかと思いましたが、知りたいのは場所なのですね。」
「…すまない。」
「構いませんわ。捨てられたような状態でしたもの、私がどんな苦痛を受けていたとしても、痛くも痒くもないでしょう。」
「……」
性格悪いニーナを演じられてるわ。これで嫌われれば最高よ。
「会いたくもない婚約者でも、いなければ困りますのね。」
「…君はニナじゃないのか?」
ついこの間は逆を聞いてたじゃない…。
「その女性と間違われて連れてこられたのです。」
ここから交渉開始よ。
「殿下、婚約を解消して下さい。」
「……」
「放置されて、強盗につかまって(嘘)、けれど誰も助けてはくれなかった。挙げ句の果てに『ニナ』という女性と間違えて、婚約者である私をつれてきた。無礼にも程があるでしょう。シャロン様とも仲良くしているのでしょう?最初から私は必要ない女だったのです。」
こちらだけ利用されるなんて嫌よ!
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最終的に…何があっても別居だけは譲らないわ。
「わかった。婚約は破棄の方向で進める。」
え…
うそ……っ!
やったーーっ!!
こんなにあっさり言ってくれるなら、最初から言えばよかったわ。
「こちらとしても、条件を課す。」
貴方がそれを言える立場じゃ無いでしょ…。まぁいいわ。結婚から脱出だもの。
「何でしょう?」
「話し合いには時間がかかる。」
「勿論そうでしょうね。」
「その間はボナースと言う孤児院で生活してもらう。」
どういう事?
私にとっては嬉しい条件よ。
けど、伯爵令嬢であるニーナにボナースへ行けって、それって嫌がらせに近いよね。
私だから楽しく暮らせてただけよ。
ボナースでの私を見ようと思ってるとか?ニナかもしれない…って、疑ってる?
嘘でしょ…。いま話してた内容がニーナである証になるよね。
ニナがニーナだと疑って、ニーナをニナだと疑うなら、永遠に私は見つからないわよ…。
私からすれば『婚約破棄』の言葉が聞けたならそれでいいの。
…これは何かの罠?
「そこで暮らす意味はなんですの?」
「人手が足りてないみたいだから、助けてあげてほしいんだ。」
普通、人を雇うでしょ。
「婚約破棄出来ませんでした。という返答は 100%無いのであれば。」
「それは今は断言出来ない。」
「わかりました。近々陛下にもお会いする事になるでしょうし、そこでお待ちしてお待ちしております。」
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