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12 別話. 子作り
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悠介さんが触手人間になっちゃった。由貴くんの運命や、いかに。両思いな二人の話。
ーーーーーーーーーー
「由貴くぅ~ん、どぉこぉ?寂しいよぉ」
そう呼びかけるのは、悠介さん…だった生き物。全くもって意味がわからない。俺はクローゼットの中に隠れ、息を潜めている。
そいつが着ているシャツの下からは、ウニョウニョと大量の触手がわき出ていて。あんなのに捕まったら殺される…!
悠介さんとは、ついさっきまでソファに座っておしゃべりをしていた。
「喉渇いちゃったぁ」と悠介さんに擦り寄って甘えてみたら、「待ってて♡何か持ってくるよ」と。ちょっとそこまでの距離なのに、永遠の別れみたいな熱いキスをされた。
少し怒ったところで、悠介さんはようやく立ち上がって、冷蔵庫の方へ歩いて行く。
すると突然、部屋の戸が勢いよく開いて、何かが悠介さんに飛びかかった。響き渡る悲鳴、広がる無数の…触手。俺は叫び声を上げて逃げ出した。
「由貴くぅん…ボクと一緒に子作りしようよぉ。赤ちゃんをたぁくさん産んで欲しいなぁ」
ひぃぃぃ…たっ、助けてぇぇえ…!!
クローゼットのわずかな隙間から、祈るようにして外の様子をうかがう。クンクンと、そいつが何やら嗅いでいるのが見えた。
次第にその足は、こちらの方へと向かって来るではないか。こっ、来ないで…そんな祈りも虚しく、とうとう、クローゼットの前で立ち止まってしまった。
「由貴くんの甘い匂いが止まってる…ここかなぁ?」
・
・
・
ガチャリ。と開けたそこには、ヒトの男の子が丸まっていました。わぁ…か、可愛い。
この子は由貴くんというようです。くんくん……砂糖菓子のようにあまぁい匂い。もう随分と恋焦がれた相手のように感じます。
ボク達ウニョウニョ族は、子孫繁栄のためにこの惑星へとやって来ました。
ヒトの中に住み着いて、ヒトのように生きてゆきます。できたら性欲の強い者が望ましい。ボクの器となった男は、並大抵のそれではありませんでした。
すぐに飛び付き、わーい ボクのおうち~ンンッ、こっ、これは…番の匂いだ。運命の…香り……ぽっ♡
けれど、由貴くんはどこかへ飛び出してしまいました。ボクは追いかけます。あの子とエッチがしたいなぁ…にゅふふふ。
ボクらとまぐわったヒトは、身体の自由が利かなくなります。ウニョウニョ族は嫉妬深く、愛情深い。そうやってそばに置いて、伴侶のことを大切に大切にします。
「いっ、いやっ!たすけてっ!やっ、やァ!」
彼は恥ずかしがりやさんのようで、とっても可愛いです。ぬふっ♡隠されると見たくなっちゃうよぉ…
触手でぬるぬる、あぁんなところやこぉんなところまで絡め取ってしまいます。な、なんていやらしい姿だ…こんなやらしい子はしまっちゃわないと。ボク以外の子種を植え付けられたら大変です。
窮屈そうな穴がヒクヒクと、ボクを誘惑します。ぬぷりっ、ぬぷぷ……堪らず触手を挿れてゆけば、彼は気持ち良さそうにしていました。ボク達は愛し合っています。
そうしてじきに、彼は妊婦さんになりました。ぽっこりお腹は食べてしまいたい程可愛いです。四本の手足と無数の触手で、ぎゅ~っと抱きしめます。
片時も離れないでいると、いよいよその時はやってきました。赤ちゃんはお尻の穴から出てきます。苦しそうな彼を必死で元気づけ、ようやく産まれたのは…一匹の赤ちゃん。ウニョウニョとしたミミズのよう。とっても感激しました。ボク達の愛の結晶だ!
「わッ」
ところが、ボクの手の上からぴょんと、赤ちゃんは逃げ出してしまいました。「ま、まってぇ」それで、あろうことか…グッタリしている彼のちんちんに絡みつき、喜び始めたではありませんか。
頭に血が上り、ボクはその寄生獣をサッとひっぺがします。そうして床に叩きつけ、足ですり潰しました。…親に欲情する愚息は死んだ方がいいでしょう。
・
・
・
「……っていう夢を見たんだッ!」
めっ、めちゃくちゃ怖かったぁ……汗びっしょり、喉からから。俺ってば、ソファでうたた寝していたみたい。
悠介さんに揺り起こされ、「大丈夫?随分うなされてたけど…」って。よしよしと俺の頭を撫でてくれた。
「それは怖かったねぇ…待ってて、何か持ってくるよ」
悠介さんは優しい声で言う。きゅん、と密かに胸をときめかせていたら、その顔が急に近づいてきた。「ンンっ」ぱくりと唇を咥えられ、ちゃっかり舌まで。ちょ、ちょっと…っ…
「悠介さんッ!」
少し怒ると、悠介さんはようやく立ち上がった。笑いながら冷蔵庫の方へと歩いて行く。火照った顔をパタパタと扇いで、ん…?と俺は首を傾げた。
あれ……この感じ。なんか、見覚えがあるような。
ーーーーーーーーーー
ありがとうございました( ◜灬◝ )♡
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「由貴くぅ~ん、どぉこぉ?寂しいよぉ」
そう呼びかけるのは、悠介さん…だった生き物。全くもって意味がわからない。俺はクローゼットの中に隠れ、息を潜めている。
そいつが着ているシャツの下からは、ウニョウニョと大量の触手がわき出ていて。あんなのに捕まったら殺される…!
悠介さんとは、ついさっきまでソファに座っておしゃべりをしていた。
「喉渇いちゃったぁ」と悠介さんに擦り寄って甘えてみたら、「待ってて♡何か持ってくるよ」と。ちょっとそこまでの距離なのに、永遠の別れみたいな熱いキスをされた。
少し怒ったところで、悠介さんはようやく立ち上がって、冷蔵庫の方へ歩いて行く。
すると突然、部屋の戸が勢いよく開いて、何かが悠介さんに飛びかかった。響き渡る悲鳴、広がる無数の…触手。俺は叫び声を上げて逃げ出した。
「由貴くぅん…ボクと一緒に子作りしようよぉ。赤ちゃんをたぁくさん産んで欲しいなぁ」
ひぃぃぃ…たっ、助けてぇぇえ…!!
クローゼットのわずかな隙間から、祈るようにして外の様子をうかがう。クンクンと、そいつが何やら嗅いでいるのが見えた。
次第にその足は、こちらの方へと向かって来るではないか。こっ、来ないで…そんな祈りも虚しく、とうとう、クローゼットの前で立ち止まってしまった。
「由貴くんの甘い匂いが止まってる…ここかなぁ?」
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ガチャリ。と開けたそこには、ヒトの男の子が丸まっていました。わぁ…か、可愛い。
この子は由貴くんというようです。くんくん……砂糖菓子のようにあまぁい匂い。もう随分と恋焦がれた相手のように感じます。
ボク達ウニョウニョ族は、子孫繁栄のためにこの惑星へとやって来ました。
ヒトの中に住み着いて、ヒトのように生きてゆきます。できたら性欲の強い者が望ましい。ボクの器となった男は、並大抵のそれではありませんでした。
すぐに飛び付き、わーい ボクのおうち~ンンッ、こっ、これは…番の匂いだ。運命の…香り……ぽっ♡
けれど、由貴くんはどこかへ飛び出してしまいました。ボクは追いかけます。あの子とエッチがしたいなぁ…にゅふふふ。
ボクらとまぐわったヒトは、身体の自由が利かなくなります。ウニョウニョ族は嫉妬深く、愛情深い。そうやってそばに置いて、伴侶のことを大切に大切にします。
「いっ、いやっ!たすけてっ!やっ、やァ!」
彼は恥ずかしがりやさんのようで、とっても可愛いです。ぬふっ♡隠されると見たくなっちゃうよぉ…
触手でぬるぬる、あぁんなところやこぉんなところまで絡め取ってしまいます。な、なんていやらしい姿だ…こんなやらしい子はしまっちゃわないと。ボク以外の子種を植え付けられたら大変です。
窮屈そうな穴がヒクヒクと、ボクを誘惑します。ぬぷりっ、ぬぷぷ……堪らず触手を挿れてゆけば、彼は気持ち良さそうにしていました。ボク達は愛し合っています。
そうしてじきに、彼は妊婦さんになりました。ぽっこりお腹は食べてしまいたい程可愛いです。四本の手足と無数の触手で、ぎゅ~っと抱きしめます。
片時も離れないでいると、いよいよその時はやってきました。赤ちゃんはお尻の穴から出てきます。苦しそうな彼を必死で元気づけ、ようやく産まれたのは…一匹の赤ちゃん。ウニョウニョとしたミミズのよう。とっても感激しました。ボク達の愛の結晶だ!
「わッ」
ところが、ボクの手の上からぴょんと、赤ちゃんは逃げ出してしまいました。「ま、まってぇ」それで、あろうことか…グッタリしている彼のちんちんに絡みつき、喜び始めたではありませんか。
頭に血が上り、ボクはその寄生獣をサッとひっぺがします。そうして床に叩きつけ、足ですり潰しました。…親に欲情する愚息は死んだ方がいいでしょう。
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「……っていう夢を見たんだッ!」
めっ、めちゃくちゃ怖かったぁ……汗びっしょり、喉からから。俺ってば、ソファでうたた寝していたみたい。
悠介さんに揺り起こされ、「大丈夫?随分うなされてたけど…」って。よしよしと俺の頭を撫でてくれた。
「それは怖かったねぇ…待ってて、何か持ってくるよ」
悠介さんは優しい声で言う。きゅん、と密かに胸をときめかせていたら、その顔が急に近づいてきた。「ンンっ」ぱくりと唇を咥えられ、ちゃっかり舌まで。ちょ、ちょっと…っ…
「悠介さんッ!」
少し怒ると、悠介さんはようやく立ち上がった。笑いながら冷蔵庫の方へと歩いて行く。火照った顔をパタパタと扇いで、ん…?と俺は首を傾げた。
あれ……この感じ。なんか、見覚えがあるような。
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ありがとうございました( ◜灬◝ )♡
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