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俺、アランはミルフィーユ公爵家の三男
それなりに綺麗な顔をしているらしく夜会では引く手数多な俺だが婚約者はまだいない。
俺が結婚相手として狙ってるのは幼馴染のルフレ王太子。
ただ、アイツには婚約者がいる。
数日前に決まったルフレの婚約は俺には青天の霹靂だった。
「クソ!何で俺ではなくイリスが婚約者なんだ?!」
「まぁ…仕方ないですよね?あのお二人はお互い愛しあっておられますから…」
「愛し合ってるってなんだよ!政略結婚に愛はいらない!侯爵家より公爵家の方がいいだろ?絶対!」
俺が侍従のギルに怒りをぶつけるとあきれた顔をされた。
「…自分の愛嬌の無さを恨んでください」
先日の夜会では二人の仲睦まじい姿を見せつけられているばかりで何一つ面白くなかった。
このままでは俺はルフレと結婚できない!
王妃になれない!!
「こうなったらイリスを婚約者の座から引きずり下ろずしかないな」
「もしかして変なこと考えてるんですか?アラン様はそんな酷いことできないでしょう?中途半端な事をするくらいならやめたほうがいいですよ?」
俺がヤケになって投げまくり部屋に散らばったクッションを拾いながら言ってくるギルは侍従とは思えない態度だ。
子供の頃から一緒にいるからか?どうも本人は身分の差を忘れる時がある。俺だから許してるが他の家でそんな態度だとすぐにクビになるぞ?!
「俺はやれば何でも出来るんだよ!まずはイリスの評判を落としていこう。悪役宜しくなくらい悪い噂を流してやれ!」
王太子ルフレの婚約者イリスの評判を落とす。
そしてイリスと婚約破棄させて俺が王太子妃として婚約者の席に座る。
完璧な計画だ。
「………。」
「ギル!返事!!」
「…畏まりました。努力いたします」
ギルの返事を聞き気分が良くなった俺は色んな意地悪案が浮かんでくる。
「誰かイリスに虐められたとか。傲慢な態度で偉そうにしてるとか?」
「イリス様がそのような悪いことをするはずがないので…噂を無理に流したとしても皆は信じませんよ?」
「やってみないとわからないだろ?」
ギルは俺の指示通り、ありとあらゆるイリスの悪い噂を流した。男をとっかえひっかえしてる。裏では賭博に嵌って破産寸前。ルフレ王太子のことを騙してるなんて話まで流した。
ギルが上手く動いたようで噂は学園中に広がりきっと王太子ルフレにも届いている。
「ルフレ。お前の婚約者の話聞いたか?とんでもない話が広がっているぞ?このままイリスと結婚するなんてお前が困る事になるだけだぞ!」
「…あぁ噂は知っている。でもイリスがそんな事するはずがない。どこからかイリスの悪い噂が流れてきてるんだ。いまは…噂の発生場所を調査中だよ」
学園の教室で話しかけたルフレは疲れた様子で俺に返してくる。俺の予想とは違いイリスの事を疑う様子も手放すつもりもなかった。ルフレがイリスを手放さない限り婚約破棄は実行されない。
「こんなに色んな噂が流れてるのに…まだイリスの事を信じてるのか?」
「もちろん。イリスは俺の婚約者だし彼のことを愛してるからね。俺が信じなくてどうするんだよ」
曇りない眼。イリスの事を信じ切っている。
何故イリスなんだ?
愛してるだけでそこまで信じられるのか?
俺がルフレと結婚する予定だった。
長い間、王太子妃となるべく頑張ってきたのに…
「ずっと一緒にいた俺よりイリスが大事なのか?」
「そんなの比べられない。イリスもアランもオレにとっては大事な人だよ」
…ルフレの気持ちはイリスから離れない。
じゃあ俺はどうすればいいんだ?
未来の王太子妃として育てられてきたのに?
王太子妃じゃない俺って…何をするんだよ。
ルフレと話した後、階段の上にいたイリスを見つけた俺は妙案が浮んだ。
イリスに押されて俺が階段から落ちて怪我をしたらそれこそイリスの評判は地に落ちるのではないか?!学園の放課後のロビーは人も多いので目撃者には困らない。
思いついたらすぐに行動!と俺はイリスに近づいた。
「イリス!!」
「あ!アラン様!どうした…」
階段の上にいたイリスに声を掛け近づく。振り返ったイリスの手が当たった瞬間を狙い俺は体を後ろに倒していく。何段か階段を落ちたら大袈裟に痛がる予定だったが思いのほか落ちる勢いが止まらない。
ドッ!ダダダダダ……
学園の大階段の最上段にいた俺は予定より多く階段を滑り落ちた…。
その場にいた生徒の悲鳴が響き渡る。
階段下の床に倒れた俺に近くにいた生徒たちが声をかけてくるが返事ができない。声が出せない。
痛い……体が動かない…
周りの声もどんどん遠くに聞こえてくる…
俺は…死ぬのか…?
イリスが階段を降りてきたのか倒れた俺の近くで声をかけてくる。うるさい。お前がルフレを取らなきゃこんな事にならなかったんだ。
「…馬鹿なんですか?」
ギルの冷たい視線と言葉が突き刺さる。
あのあと意識を失った俺は医師の診察を受け自宅療養となった。そして世話をされながらずっとギルの小言を聞かされている。
「大怪我を負って打ちどころが悪かったら死んでたんですよ!これからはこんな馬鹿なこと二度としないでください!」
イリスを見つけたあの時はとてもいい案だと思って行動した。まさかこんな大怪我を負うとは…俺だって予定外の事に焦ってるんだ。あまり言わないで欲しい。
階段から落ちた俺は腕と足の骨折に全身打撲と言う診断がくだった。そしてルフレが見舞いに来た時イリスに押された。と泣きついたが…信じてもらえなかった。
俺は…体まで張ったのに…
「はぁ…俺はなんでこんなくだらない事してるんだろ」
ケガした腕を眺めながらつぶやくが、考えてはいけない。なんとかしてイリスが王太子妃を辞退する案を考えなければ…
「俺は必ず王太子妃になるんだから!」
それなりに綺麗な顔をしているらしく夜会では引く手数多な俺だが婚約者はまだいない。
俺が結婚相手として狙ってるのは幼馴染のルフレ王太子。
ただ、アイツには婚約者がいる。
数日前に決まったルフレの婚約は俺には青天の霹靂だった。
「クソ!何で俺ではなくイリスが婚約者なんだ?!」
「まぁ…仕方ないですよね?あのお二人はお互い愛しあっておられますから…」
「愛し合ってるってなんだよ!政略結婚に愛はいらない!侯爵家より公爵家の方がいいだろ?絶対!」
俺が侍従のギルに怒りをぶつけるとあきれた顔をされた。
「…自分の愛嬌の無さを恨んでください」
先日の夜会では二人の仲睦まじい姿を見せつけられているばかりで何一つ面白くなかった。
このままでは俺はルフレと結婚できない!
王妃になれない!!
「こうなったらイリスを婚約者の座から引きずり下ろずしかないな」
「もしかして変なこと考えてるんですか?アラン様はそんな酷いことできないでしょう?中途半端な事をするくらいならやめたほうがいいですよ?」
俺がヤケになって投げまくり部屋に散らばったクッションを拾いながら言ってくるギルは侍従とは思えない態度だ。
子供の頃から一緒にいるからか?どうも本人は身分の差を忘れる時がある。俺だから許してるが他の家でそんな態度だとすぐにクビになるぞ?!
「俺はやれば何でも出来るんだよ!まずはイリスの評判を落としていこう。悪役宜しくなくらい悪い噂を流してやれ!」
王太子ルフレの婚約者イリスの評判を落とす。
そしてイリスと婚約破棄させて俺が王太子妃として婚約者の席に座る。
完璧な計画だ。
「………。」
「ギル!返事!!」
「…畏まりました。努力いたします」
ギルの返事を聞き気分が良くなった俺は色んな意地悪案が浮かんでくる。
「誰かイリスに虐められたとか。傲慢な態度で偉そうにしてるとか?」
「イリス様がそのような悪いことをするはずがないので…噂を無理に流したとしても皆は信じませんよ?」
「やってみないとわからないだろ?」
ギルは俺の指示通り、ありとあらゆるイリスの悪い噂を流した。男をとっかえひっかえしてる。裏では賭博に嵌って破産寸前。ルフレ王太子のことを騙してるなんて話まで流した。
ギルが上手く動いたようで噂は学園中に広がりきっと王太子ルフレにも届いている。
「ルフレ。お前の婚約者の話聞いたか?とんでもない話が広がっているぞ?このままイリスと結婚するなんてお前が困る事になるだけだぞ!」
「…あぁ噂は知っている。でもイリスがそんな事するはずがない。どこからかイリスの悪い噂が流れてきてるんだ。いまは…噂の発生場所を調査中だよ」
学園の教室で話しかけたルフレは疲れた様子で俺に返してくる。俺の予想とは違いイリスの事を疑う様子も手放すつもりもなかった。ルフレがイリスを手放さない限り婚約破棄は実行されない。
「こんなに色んな噂が流れてるのに…まだイリスの事を信じてるのか?」
「もちろん。イリスは俺の婚約者だし彼のことを愛してるからね。俺が信じなくてどうするんだよ」
曇りない眼。イリスの事を信じ切っている。
何故イリスなんだ?
愛してるだけでそこまで信じられるのか?
俺がルフレと結婚する予定だった。
長い間、王太子妃となるべく頑張ってきたのに…
「ずっと一緒にいた俺よりイリスが大事なのか?」
「そんなの比べられない。イリスもアランもオレにとっては大事な人だよ」
…ルフレの気持ちはイリスから離れない。
じゃあ俺はどうすればいいんだ?
未来の王太子妃として育てられてきたのに?
王太子妃じゃない俺って…何をするんだよ。
ルフレと話した後、階段の上にいたイリスを見つけた俺は妙案が浮んだ。
イリスに押されて俺が階段から落ちて怪我をしたらそれこそイリスの評判は地に落ちるのではないか?!学園の放課後のロビーは人も多いので目撃者には困らない。
思いついたらすぐに行動!と俺はイリスに近づいた。
「イリス!!」
「あ!アラン様!どうした…」
階段の上にいたイリスに声を掛け近づく。振り返ったイリスの手が当たった瞬間を狙い俺は体を後ろに倒していく。何段か階段を落ちたら大袈裟に痛がる予定だったが思いのほか落ちる勢いが止まらない。
ドッ!ダダダダダ……
学園の大階段の最上段にいた俺は予定より多く階段を滑り落ちた…。
その場にいた生徒の悲鳴が響き渡る。
階段下の床に倒れた俺に近くにいた生徒たちが声をかけてくるが返事ができない。声が出せない。
痛い……体が動かない…
周りの声もどんどん遠くに聞こえてくる…
俺は…死ぬのか…?
イリスが階段を降りてきたのか倒れた俺の近くで声をかけてくる。うるさい。お前がルフレを取らなきゃこんな事にならなかったんだ。
「…馬鹿なんですか?」
ギルの冷たい視線と言葉が突き刺さる。
あのあと意識を失った俺は医師の診察を受け自宅療養となった。そして世話をされながらずっとギルの小言を聞かされている。
「大怪我を負って打ちどころが悪かったら死んでたんですよ!これからはこんな馬鹿なこと二度としないでください!」
イリスを見つけたあの時はとてもいい案だと思って行動した。まさかこんな大怪我を負うとは…俺だって予定外の事に焦ってるんだ。あまり言わないで欲しい。
階段から落ちた俺は腕と足の骨折に全身打撲と言う診断がくだった。そしてルフレが見舞いに来た時イリスに押された。と泣きついたが…信じてもらえなかった。
俺は…体まで張ったのに…
「はぁ…俺はなんでこんなくだらない事してるんだろ」
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