神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第392話

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 女神様が神託で「秋だな、秋はさつま芋だろ、葡萄、梨、あぁサンマもいいなぁ」と呟いた。

「秋の味覚ダンジョンに行けばいいんじゃないですか? 運が良ければSランク食材手に入りますよ?」
「神子様ぁぁ」

 さつま芋なら聖なるさつま芋が我が家の庭にたわわに実っていますので、今すぐ納品可能です。

「調理が面倒なら王宮からシェフ連れて行けばいいだけのような気がします」
「樹ちゃぁん」

 腐っても皇后という立場ですし、専属調理人ぐらいいるんじゃない?
 たとえいなくてもドリちゃんの分身体がいるでしょう?

「涼玉貸しますか?」
「意地悪言わないでよぉん」

 真横で神託を使っておねだりしてきた女神様が腕に絡んできて鬱陶しいです、引き離そうとしたら「ママお願ぁい」と猫なで声で迫ってきました。
 今日はどうやっても引き下がるつもりがないようだ。

 仕方がないので急遽秋の味覚狩りツアーを刀雲に申請しました。
 帝国領土にあるのだから、帝国の騎士団使ってくださいよ。と思ったけど、あっちはまだまだお堅いから扱い辛いのかもしれない。
 単に我儘が通るかどうかの差の気もするけど。

「アカーシャに伝令飛ばした」
『涼ちゃん何読んでるの?』
「葡萄図鑑、行くなら葡萄音頭踊ろうと思って」
「私、ネヴォラ誘ってきますね」

 僕が折れたのを見て、子供達がそれぞれ動き出す。
 うちの子もたいがい女神様のワガママに慣れてるよね、お付き合いありがとう。

 そういう訳で秋の味覚ダンジョンに弾丸ツアー決行です。
 転移の使い手としてアー君に誘われたらしく、刀雲と騎士団と一緒に騎士様が現地にいました。

「じゃあ俺たちは行ってくるから、樹はここで待っててね」
「涼玉とシャムスは置いていくから、大人しくしているように」

 飛ぶマグロとか仲間に出来たらいいなぁとか思っていたら、敷かれた絨毯の上にアー君によって強引に座らされました。
 強制お留守番のようです。

『ぷくー』
「かあちゃを見守っている!」

 僕が誘ったのにダンジョン周回には置いて行かれました。
 今日は魔物倒して肉も手に入れたいので、僕とシャムが大暴れして仲間にされては困るそうです。何も言えないですね。

 僕と見守っているとアー君に宣言した涼玉は、アー君が他のメンバーとダンジョンに入ってすぐ、その場でくるくると踊ってトレントを呼び寄せた。
 保護者マールスはえっちゃんと焚き火台を設置したり、フライパンを用意したりと手早くキャンプの用意をしております。

「葡萄音頭、いっくぜー!」
『わーい』
「総員、収穫用意」

 いつの間にか隣にはアカーシャが立っていて、カゴを抱えた人達に指示を飛ばしていた。

「ぶどう、ぶどう、あきーのみかっくぅ!」
『いぇー!』
「小さい粒のデラウェア、大きい粒の巨峰!」

 腰に手を当て、尻尾をフリフリ。
 傍から見れば小さなドラゴンが踊っているただただ可愛いだけの光景だけど、うちの涼玉は豊穣ドラゴン、しかも踊ることで気分を上げ、効果を倍増させる異能の持ち主。

 覚悟を決めて周囲を見回したら、涼玉に呼ばれて集まっていたトレントが一緒に踊っていた。

「白い葡萄はマスカット、爽やかな香りのロザリオ・ロッソ~」
「はいはい、困惑している暇があったら皆さんも収穫してください、収穫量で報酬金額が変わりますよー」

 ノリノリで踊るトレント、実っては弾けて空を飛ぶ葡萄各種。
 ダッシュで葡萄を追いかける現地雇用の冒険者。

 あの、アー君がダンジョンに入ってまだ十分も経っていないのに、何でこんな愉快な事になっているんですか?
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