フットサル、しよ♪

本郷むつみ

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フットサル部が始動します♪

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「何かありましたか、お嬢様?」(プルプル)

「誰っ? って、お嬢様ぁ~?」

「遅いですわよ、三橋」

「いや、こっちは早過ぎて驚いているんだがな」
 
 唖然とする他の5人を完全に無視し、亜紀が三橋と呼ばれた正装した男性に声をかける。

「これを元にジャージとユニホームを作りなさい。そうですわね。サイズはここにいるメンバーの分、3着ずつ。新入部員が来るといけないからサイズは各6着。もちろん、破れ難く、通気性の良い素材で……」

 次々に指示を出す亜紀。他の5人は黙ってその状況を見守る。指示を出し終わった亜紀が「ふう~」とため息を付くと三橋と呼ばれたおじいさんが丁寧に、そして震えながらお辞儀をして、部室から出て行った。

「これで良いですわ」

 亜紀が満足したように頷く。

「本当にいいのか、亜紀?」

「大丈夫ですわ。相原財閥次期党首の私に出来ない事は少ないですわ」

 心配そうに聞いた理沙に亜紀は自信満々に答える。

「とりあえず、ジャージが出来るまではみんなでルールを覚えましょう」

(コクコク)

 舞がそう言うと柚季も同意し、頷いた。

「そうだな。明日から部室で、みんなで勉強しようか?」

「えっ、そんな暇ないと思いますわ。ルールは各個人で今日の夜に覚えると言うことで」

 理沙の言葉を亜紀はすぐさま否定し、ゆかりが買ってきた本を手に取った。志保が不思議そうに亜紀に「なんで?」と聴いた瞬間、部室のドアが開いた。先ほど部室を出て行った三橋と呼ばれた男性が揺れながら入ってきた。

「お嬢様、先ほどの物。出来上がりましたので、お持ちいたしました」

 そう言った三橋が指を鳴らすと宅急便の服を着た男性が3人、部室に入って来た。そして3人はダンボールを持っていて机の上に置くとそそくさと出て行く。亜紀が男性が持ってきたダンボールの中身を確認した。

「いいでしょう。相変わらず良い仕事ですわ、三橋」

「ありがとうございます。ついでに、皆様のサイズに合わせ、屋内用、屋外用のフットサルシューズも用意させていただきました。では、私はこれで」(プルプル)

 三橋は震えながらも、亜紀以外の5人に頭を下げ、部室から出て行った。

「早っ! い、いつ、靴のサイズまで……つ、次は何に突っ込んでいけばいいんだ?」

「あの首の取れそうなおじいちゃんからじゃないかな?」

「何をごちゃごちゃと言っていますの。ジャージとユニホーム、シューズまで届きましたわ。サイズを合わせて持って行きなさいですわ。これは私からフットサル部に寄付ですわ」

 そのセリフを聞いた4人がダンボールに駆け寄る。

「おぉ~~」

「凄いな、ほんとにいいのか、亜紀?」

「私の書いたデザインがジャージになってる~」

「これ、可愛いの」

 思い思いにジャージやユニホームを手に取る4人。

「って言うか……出来上がるの、早過ぎないか?」
 
 理沙がそう言うと亜紀は高笑いをしながら

「お~ほっほっほ。これぐらい、相原財閥には簡単すぎて赤子の手の平を返すのと同じぐらいのレベルですわ」

 どこから持ってきたのか、扇子をあおぎ、片手を腰に当てながらそう言った。

「もう、本当に突っ込みところが多すぎて……」

「理沙ちゃん、もういいじゃない。これで明日から練習できるし、ね」

 舞が理沙を慰める。

「そうですね。んじゃ、ジャージとユニホームは各自持って帰ること。そして、ネットでも本でも何でもいいからフットサルのルールを調べて覚えてくること。今日はこの2つ。練習方法は私と志保で考えてくるから」

 そう言って理沙が場を閉める。

「分かりましたわ」

「了解です」

(コクコク)

「えぇ~私が練習方法を考えるの~?」

 志保以外の3人は納得する返事をするが、志保だけは非難の声を上げる。
 そんな志保に理沙は両拳を志保のこめかみに当て、グリグリと押す。

「お前が作ったフットサル部だろうが~」

「痛い、痛い、痛い~、ごめんなさい~」

 部室の中にみんなの笑いと志保の悲鳴がこだました。


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