フットサル、しよ♪

本郷むつみ

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敗戦した後です♪

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「あ~、もう悔しい、悔しい、悔しい! 理不尽なイエローカードをもらった気分だよ!」

 昨日のスクラッチとの試合の負けを未だに引きずっている志保。練習をする為に部室で着替えながらイライラしていた。

「本当に悔しいですわ。結局1回目は0対1。2回目の対戦は0対3。屈辱ですわ。この私の初試合が敗北で終わるなんて。屈辱以外、何物でもありませんわ」

 亜紀も志保と同じようにイライラしていた。ストレスを貯める志保と亜紀に理沙が落ち着くように言い聞かせる。

「しょうがないだろ。私もあれだけの差があるとは思わなかった。だから、着替えたら昨日の反省会を先にしよう。それを練習に生かそう」

「ホワイトボード、大活躍だね」

 着替え終わった理沙がホワイトボードを出すと志保が落書きをし始める。が、理沙に無言で後ろから殴られた。

「痛い~」

 志保が半泣きでしゃがみこんで痛がると、その様子を見ていた亜紀が「またコントの練習ですか?」と、興味がなさそうな口調で冷静に言い放ち、ベンチに座った。舞と柚季も練習着に着替え終わりベンチに座る。

「昨日は完敗でしたね。あそこまで差があるとは思っていなかった。ゴールを守りきれなくてごめんなさい」

 そう言って舞がみんなに頭を下げた。いきなり謝る舞に理沙が慌てて

「舞さんのせいじゃないですよ。チームみんなの責任ですから」

 と言って舞の頭を上げさせる。

「そうですわ。この借りは5倍返しですわ。当面の目標はあのチームに勝つことですわね。幸いな事にリベンジのチャンスは、この先いくらでもありそうですし。次に対戦する時はギッタギタですわ」

 亜紀も舞にフォローを入れつつ、目は闘志に燃えていた。しかし、柚季が冷静な口調で横槍を入れる。

「でも、完璧に戦術で負けたの。帰宅してから兄貴に敗因を聞いたの。そうしたら『戦術と戦略』って言われたの」

 短く要点だけをみんなに伝える柚季。しかし、その言葉はメンバーたちを黙らせるだけの説得力があった。

「戦術と戦略か。かなり難しい話になってくるな」

「そうですわね。私たちじゃ、戦術のせの字もわかりませんわ」

 理沙の考えに亜紀が同調した。

「まあ、この件に関しては練習が終わってから考えよう。まずは基礎だ。やっぱり試合でも技術は絶対必要だと感じたし」

 そう言って理沙が話を締めて体育館に脚を進めようとした。しかし、理沙たちを志保が呼び止める。

「待って。もっと重要な事を決めなくちゃならない」

 志保の真剣な顔にメンバー達にも緊張の糸が張り詰めた。一呼吸置いて、理沙が恐る恐る志保に尋ねる。

「志保、もっと重要な事ってなんだ?」

 静まり返る部室。そんな厳かな空気の中、志保が口を開いた。


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