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最終話
しおりを挟む「そんな絵に、大金を払うのは止めてときな!」
会場がざわざわとする。
リアムはわたしを守る様に肩に腕を回し、様子を伺っている。
「伯爵令嬢だの、有難がってるけどなー、その女は、貴族なんかじゃねーぞ!
貴族の血なんか、一滴も入っていない、奴隷なんだからな!
奴隷の描いた絵じゃ、そんな大金付けねーだろ!」
男が立ち上がり、踏ん反り返る。
わたしを売った、あの男だったが、今は貴族服を身に纏い、それらしい恰好をしていた。
尤も、その言動は粗野なもので、周囲は顔を顰めていた。
男の隣には、綺麗に着飾った女性が座っている。
知らない相手だが、彼女の方は知っているのか、意地悪い笑みを浮かべていた。
男の言葉に、周囲は騒然となった。
「奴隷だって!?」
「まさか…リアム様の奥方だろう?」
「しかし、何の根拠も無く、その様な事を言えるか?」
「伯爵を怒らせる事になるんだぞ?」
顔を見合わせ、囁き合っている。
「奴隷の絵なんて聞いてないぞ!そんな物に金は出せん!
やり直してくれ!私は降りる!」
高値を付けた貴族の男が声を上げた。
リアムの隣の資産家の男も、ツンとし、知らぬ顔をしている。
結局の所、絵の値ではなく、『伯爵令息の妻』という付加価値の値段だったのだ。
ガッカリしなかったというのは嘘だが、それも当然だと、一方では思っていた。
だが、リアムは違った。
わたしの肩を離し、さっと、椅子から立ち上がった。
「この絵の価値が分からないのであれば、無理に買って頂く必要はありません!
ですが、何者であろうと、私の妻に無礼を働く権利は無いと申し上げておきます!」
リアムの言葉に、周囲は気まずそうに目を反らした。
「ここは寄付を募る場です、奴隷を差別する発言と思われたくありませんが、
誤解を解く為に言わせて頂きます。私の妻は、奴隷だった事は一度もありません!
彼女の父親は画家で、早くに亡くなりましたが、それを証言出来る者は何人もいます。
そこの貴族の服を着た、ならず者こそ、それを良く知る者だと申し上げておきます」
周囲の目が男に向かい、男は顔を顰め狼狽えた。
「いや、まー、奴隷っていうのは言い過ぎたよ、貧乏画家の汚い娘でさー」
「私は、父親を亡くした頃の彼女に会っているが、汚い所か、可愛い天使だったよ…」
リアムがわたしの手を握り微笑むので、わたしは赤くなり、周囲はポカンとなった。
「いや!口も聞けない、うじうじした娘でよ!」
「父親を亡くしたショックから、喋れなくなったのは本当です、
彼女はまだ8歳で、助けを必要としていた。
ルメール伯爵に引き取られ、大事にされ、家族の愛情を受けた事で、
再び喋れる様になった…ルメール伯爵と伯爵の家族には感謝しているよ…」
リアムはわたしの手の甲にキスを落とした。
会場のほとんどの者たちは、慈善事業で集まった者たちで、同情心も強く、
皆、この話に感動していた。
「まぁ…私、感動致しましたわ…」
「ルメール伯爵は良い方ですもの…」
「ああ、良かった、同じ様に困っている子供たちは多いだろう…」
「やはり、子供には、家族の愛情が必要だな」
周囲の空気が変わり、男は「ええ…何なんだよ、こいつ等?」と困惑していた。
予想外の反応だったらしい。
「ちょっと!私に言った事と違うじゃないの!」
「似た様なもんだろー?」
「全然違うわよ!奴隷だって露見すれば、結婚は破綻するって言うから、
協力したのに!こんな感動話だなんて聞いてないわよ!バカバカ!!」
男と隣の女性が言い合いを始め、周囲もどうやら男の話は嘘だと気づき出した。
「おい、おまえ!一体どういうつもりだ!」
「ここは、貧しい者の為に寄付を募る場だぞ!」
「伯爵子息の奥様を侮辱するなんて!」
「さては、フォーレ伯爵を失脚させるつもりだろう!」
男は周囲から責められ、不味いと思ったのか、人を押し退け、掻き分け、あたふたと退散する。
連れの女性も「ちょっと!置いて行かないでよ!」と後を追い、出て行った。
わたしは、「ほうっ」と息を吐いた。
リアムは椅子に腰を下ろすと、わたしの肩を優しく叩いた。
「ありがとうございます、リアム…」
「気にする事は無いよ、君が画家の娘だと知って貰えたし、
それに、思わぬ効果があったね…里親が増えるかもしれない」
リアムが周囲を見回し、笑みを浮かべた。
「その…前言を撤回します、210ヴァルで異存はありま…せん…」
絵を落札した者が、気まずそうに進行の者に申し出た。
だが、他の者がそれを遮った。
「いや!私は250で買う!」
「待って!私は300出すわ!」
「いや、400!」
結局、わたしの絵は、驚く程高額の値を付けられ、貴族に引き取られた。
申し訳ない気分になったが、リアムは満足そうだった。
「カリーヌ、あの男の肖像を描いて欲しい」
会場を出た所でリアムに言われ、わたしは目を丸くしてしまった。
「何故ですか!?リアムは、あの男がお好きなのですか!?」
そんな悲劇があっても良いのか…!
悲壮に駆られ、思わず縋ったわたしに、リアムは声を上げて笑った。
「まさか!例え、あの男が美男子であっても、美女であっても、あり得ないよ、
僕には君以外、目に入っていないからね!
素描でいい、あの男が二度と子供を連れ出せない様に、
孤児院に渡しておこうと思うんだ、要注意人物としてね」
「それは、素晴らしい案ですね!わたし、沢山描きますわ!
あの男の事なら、しっかりと記憶しています!」
正面だけでなく、横顔も…
思い浮かべていると、リアムが後ろから抱きしめてきた。
「その倍は、僕を描いて欲しいな」
拗ねた様子のリアムに、わたしは笑う。
彼は知らないのだ!
わたしがどれだけ、沢山、リアムを描いてきたかを。
出会ってから、ずっと…
そして、これからも、きっと数え切れない程、彼の姿を描くだろう___
「それでは、帰ったら…」
笑いながら、小さく零したわたしに、リアムは甘いキスをした。
あなたは、驚くだろうか?
わたしの愛の深さに
◇◇ アドリーヌ ◇◇
その日、アドリーヌの元に、手紙が届いた。
それは、少し大きめの封筒で、差出人は《リアム=フォーレ》と書かれていた。
「ああ!やっと返事が来たわ!全く!愚図なんだから!」
アドリーヌは異国へ来てから、リアムに手紙を送り続けていた。
目的は勿論、リアムから金を送って貰う為だ。
オベールから援助を受けてはいたが、それは必要最低限で、
派手好きで浪費家のアドリーヌを満足させるものでは、到底無かった。
何とか、オベールに気付かれずに金を稼ごうと、詐欺紛いの事や、
裕福な男の愛人になったりもしたが、どれも気付かれ…
とうとう数か月前、援助を打ち切られてしまった。
「早く早く!さぁ、私の愛の僕は、一体幾ら送って来てくれたかしら?」
封筒を破る様に開けたアドリーヌは、期待に胸を躍らせ、手紙を読もうとしたが、
それは、手紙では無かった。
中に入っていたのは、一枚のしっかりとした紙で、そこに描かれてあったのは、
水彩の肖像画だった。
リアムとアドリーヌの知らない女性が、幸せそうに寄り添い、笑い合っている…
「何なのよ、これはあああー――!!!」
アドリーヌは怒りのままに、それを裂き、ビリビリに破った。
それは、無残な紙屑となり、安宿のくすんだ床に散った。
「何て使えない男なの!!!」
アドリーヌは地団太を踏んだ。
アドリーヌがリアムに目を付けたのは、彼が伯爵家の跡継ぎで、
フォーレ家は地味な暮らしをしているが、かなりの財産を隠し持っていると噂されていたからだった。
アドリーヌは、リアムの事を調べ、近づき、興味を引き、自分に夢中にさせる事に成功した。
そこまでは計算通りだった。
だが、直ぐに、計算は狂い始めた。
フォーレ伯爵家は財産を持っているかもしれないが、
その子息であるリアムが自由に使える金は、ほとんど無かった。
その事をリアムが不服に思っていればまだ良かったのだが、
リアムは幼い頃からの教育の所為か、修道士の様な、無欲な倹約家だった。
その上、清廉潔白で理屈っぽく、アドリーヌがどの様に強請ろうと、滅多な事では金を出さない。
今思えば、誕生日の贈り物が、何の変哲も無い花束だった時に、
さっさと見切りを付ければ良かったのだ___
それでも、結婚さえすればこっちのものだと、虎視眈々狙っていたのだが…
彼の父親がそれを許さなかった。
「あの、糞伯爵さえいなきゃ、何とでもなったのに!!」
フォーレ伯爵オベールは、リアムとは違い、鋭く、堅固で、泣き落としも通じない様な相手だった。
色仕掛けで迫ろうものなら、それみた事かと声高にアドリーヌの罪状を叫びそうなので、
その方法は諦めた。
アドリーヌにとって、オベールは天敵そのものだった。
それでも、結婚さえすれば…と、アドリーヌは忍耐強く待った。
だが悪い事に、その前に、父親の悪事が露見してしまい、家は爵位剥奪、財産没収…
芋づる式に自分まで落ちぶれてしまった。
アドリーヌは証拠不十分で捕まる事は無かったが、
父ベルトラン伯爵の手先となり、貴族たちを秘密裏に斡旋していた。
リアムには良い風に言っておいたが、アドリーヌの人脈作りはその為だった。
道楽をしている貴族たちに薬を教え、薬漬けにする。
気に入らない令嬢を薬漬けにし、異国へ売った事もある。
自分よりも金持ちの貴族たちが堕ちていく姿は、アドリーヌには堪らない悦びだった。
あんな事になるまでは、アドリーヌは正に、社交界の中心だった。
元来美しいアドリーヌは、更に美しくなろうと財力を駆使した。
いつも流行の最先端のドレスを着、豪華に着飾り、
他の令嬢たちに、格の違いを思い知らせてやるのは、最高に気分が良かった。
皆が自分を羨望の眼差しで見る!
令嬢たちの憧れの存在、リアムでさえ、自分の付属品だ。
皆を自分の思いのままに操れた。
皆、アドリーヌに媚び諂い、跪く___!!
アドリーヌは、その時の高揚感が未だに忘れられなかった。
「私は社交界の花として、蘇りたいのよ!!」
その為にも、金が必要だった。
豪華に着飾れば、高位貴族の相手が出来、愛妾にもなれる!
王族の目に留まる事も夢ではない!それこそが、アドリーヌの狙いだったが…
「ああ!せめて、あの時、リアムが私を抱いていたら、子を売り付けられたのに!」
あの時…別れを告げた時だ。
あの時のリアムは、恋に破れ、正に絶望の淵にいた。
男を絶望に追いやるのは、アドリーヌの戯れの一つで、実に甘美な時間である。
だが、リアムには、まだ役に立って貰うつもりでいた…
『私は遠くから、あなたを想っているわ…』
『アドリーヌ…』
『リアム、最後に、一度でいいの…私を抱いて…』
アドリーヌは健気な女性を演じ、リアムの胸に縋り、懇願した。
リアムが息を飲んだのが分かり、アドリーヌはほくそ笑んだ。
『あなたとの愛の証よ…』
アドリーヌはリアムに熱く唇を押し付けた。
これで落ちない男はいない___!
リアムと関係さえ持てば、こっちのものだった。
『子が出来た』と言えば、優しく生真面目なリアムは、引き取らない訳にはいかないだろう。
子など、どうにでもなる、孤児院で貰って来れば良いのだ。
何の血縁も無い子を、あの憎いオベールに育てさせてやるわ!
これ程、滑稽な復讐劇は無い___!
だが、リアムは…アドリーヌの肩を掴み、自分から離した。
「あの朴念仁!なーにが、『愛の証が出来てしまったら、君と別れられなくなる』よ!
その癖、こんなに早く心変わりするなんて!!」
アドリーヌは腹いせに、酒瓶を煽った。
アドリーヌは知らない。
フォーレ伯爵令息リアムの妻カリーヌの絵は、今や貴族社会だけでなく、
平民の間でも人気が高く、素描や水彩であっても、高額の値がついているなど…
アドリーヌの望むものは、彼女の足元で、静かに風に攫われていった
《完》
補足:差出人は、リアムの名を騙ったオベールです。
リアムは、アドリーヌからの手紙はそのままオベールに渡しています。
オベールから、『いい加減、もう手紙は送ってくるな』という意味合いの手紙でした。
90
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