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魔導世界
第34話 アズリゼ王国の魔導師姉妹 ③
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「何を……と言われても、何を求められているのかによるのかなと」
「それもそうね。それじゃあ質問を変えるわ。エルフの王国に来て気づいたことは何?」
エルフ王国の前のケットシータウンもそうだったが、霧の力で外から遮断しているのが気になった。それだけに外のことをあまり知らないようにも。
「深い霧……ですね」
「他には?」
「人間を恐れているとか、なぜ二人が王族で魔導師なのか……とかですかね」
そういえば日本ツアーに参加した魔導師は残り二人だったが、この二人が?
「人間なんて恐れてはいないわ。あたくしとマリヤが魔導師なのは、同じ学びを受けて独立したからに過ぎないの」
ああ、自分の意思で行動するからか。
「もしかしてですが、魔導師ルーナと一緒に日本は行きましたか?」
「日本? それが何なのか知らないけれど、外の世界なの?」
「……気にしないでください」
外にまともに出てないということは、この二人は姉妹の魔導師ってだけだな。行動範囲も同じく霧で守られた猫妖精の町だけだし。
「ところで、魔導師ルーナとはどういう関係ですか?」
「旧友よ。魔導師同士はあまり付き合いがないのだけれど、向こうからまれに訪れることがあるからその時に話すくらいね。あたくしから会うことはないわね」
……なるほど。
拠点を町や村にして賑やかにしているのは、魔導師が人と関わりたいかどうかによるわけか。人間と関わりを持たないルーナやエルフ姉妹だけ見たら、魔導師という存在は孤高って感じだが。
「トージさま。トージさまは望みのものを何でも売ってくれるというのは本当なのですか?」
「何でも、というのは個人差があります。でも出来る限りご希望には応えたいと思っていますよ。マリヤさんは何が欲しいですか?」
「……もっと魔法を強くしたい、です」
そうきたか。
物じゃなくて強さとなると、魔導師の方が知識を持っていそうなんだが。
「あら、そういうのでいいのなら、あたくしはスキルが欲しいわ。商人……いえ、トージなら出来るのよね?」
「そ……そうですね」
「フフッ。そうじゃなければこの国に入ってこないはずだもの。いくらコムギの雇用主だからって甘くするつもりはないのよ?」
「……はい」
魔法の強さとスキルを販売か。亜空間を使ったネット倉庫なら出来なくもなさそうなんだよな。
「ちなみにエルフの住人たちには自由に販売してもいいんですよね?」
「あたくしたちは滅多に姿を見せないの。そんなあたくしたちが彼らにどうこう言えるはずなんてないのよ。それより、トージ。マリヤも楽しみに待っているのだけれど?」
強い魔法とスキルの販売となると……。
「マリヤさん。強い魔法はどういうものを希望するとか、ありますか?」
「わたし、風は得意です。でも反属性は苦手です……」
「風の反属性は色々あると思うんですが、氷……ですかね?」
昔遊んだことがあるゲームの敵は少なくともそうだった。もちろんゲームによって違うから一概には言えないのだが。
「氷なら、この霧を何とかできますか?」
もしかして王国を覆っている霧を何とかしたいのか。そうなると、魔法を強くするだけの問題じゃなくなるような気がするが。
「ど、どうでしょうね……ただ、もし氷を強くするのであれば、それだけしか出来ないと思います。二種類の属性は流石に……」
属性相関は異世界ごとに違うし、迂闊に答えられない問題だがマリヤの方もよほど悩んでいるのか、ぶつぶつと呟きながら近くを歩き回っている。
「へぇ……亜空間倉庫というものがありながら購入は一つまでだなんて、結構厳しいのね? 人間の商人はそれが普通なの?」
「い、いえ、そもそも亜空間倉庫は私だけしか使えませんから」
魔導世界とはいえ、こうなると何が普通なのか分からないな。
「ところで、コムギ。あなたは間近でトージの力を見てきているわ。果たして、あたくしたちの希望に応えられると思う?」
退屈そうに欠伸をしていたコムギさんに俺のことを訊くなんて、でも彼女は俺のことをどう評価してくれているんだろうか。
「……ウニャ? トージの力は凄いニャ。凄い力を求めるのは別にいいニャ。だけど、ジーナはそれに相応しい報酬を与えられるのかニャ? それが出来なきゃ売るも何もないニャ」
おお!
ちゃんと見てくれていたんだ。それだけで何か嬉しい。
「相変わらず生意気ね、あなた! そんなの分かっているわ。妹もそうなのだけれど、もし本当に形のない魔法やスキルを顕現させることが出来るのなら、この先トージが困っていた時にエルフは全面的に力を貸すわ!」
「本当かニャ~? 外に出たくないエルフが出来るのかニャ~」
「いいわ! 何でも協力してやろうじゃない!!」
……俺の知らないところで盛り上がらないでほしい。スキルは一度注文出来ているから可能だとしても、強い魔法属性は発注出来るのかも怪しいからな。
「あぁ~もうっ! トージ! この生意気な小娘と話し合いをするわ。だからあなた、この間に民たちを満足させていらっしゃい! あたくしは希望するスキルを決めておくわ!」
「え~っと……城を出て行ってきていいんですか?」
「早くなさい!!」
「わ、分かりました!」
コムギさんのおかげでエルフ姉妹の希望は先延ばしになった、か。だったら住人が多くいるところに戻って、普通の商品を売りまくるだけだな。
「それもそうね。それじゃあ質問を変えるわ。エルフの王国に来て気づいたことは何?」
エルフ王国の前のケットシータウンもそうだったが、霧の力で外から遮断しているのが気になった。それだけに外のことをあまり知らないようにも。
「深い霧……ですね」
「他には?」
「人間を恐れているとか、なぜ二人が王族で魔導師なのか……とかですかね」
そういえば日本ツアーに参加した魔導師は残り二人だったが、この二人が?
「人間なんて恐れてはいないわ。あたくしとマリヤが魔導師なのは、同じ学びを受けて独立したからに過ぎないの」
ああ、自分の意思で行動するからか。
「もしかしてですが、魔導師ルーナと一緒に日本は行きましたか?」
「日本? それが何なのか知らないけれど、外の世界なの?」
「……気にしないでください」
外にまともに出てないということは、この二人は姉妹の魔導師ってだけだな。行動範囲も同じく霧で守られた猫妖精の町だけだし。
「ところで、魔導師ルーナとはどういう関係ですか?」
「旧友よ。魔導師同士はあまり付き合いがないのだけれど、向こうからまれに訪れることがあるからその時に話すくらいね。あたくしから会うことはないわね」
……なるほど。
拠点を町や村にして賑やかにしているのは、魔導師が人と関わりたいかどうかによるわけか。人間と関わりを持たないルーナやエルフ姉妹だけ見たら、魔導師という存在は孤高って感じだが。
「トージさま。トージさまは望みのものを何でも売ってくれるというのは本当なのですか?」
「何でも、というのは個人差があります。でも出来る限りご希望には応えたいと思っていますよ。マリヤさんは何が欲しいですか?」
「……もっと魔法を強くしたい、です」
そうきたか。
物じゃなくて強さとなると、魔導師の方が知識を持っていそうなんだが。
「あら、そういうのでいいのなら、あたくしはスキルが欲しいわ。商人……いえ、トージなら出来るのよね?」
「そ……そうですね」
「フフッ。そうじゃなければこの国に入ってこないはずだもの。いくらコムギの雇用主だからって甘くするつもりはないのよ?」
「……はい」
魔法の強さとスキルを販売か。亜空間を使ったネット倉庫なら出来なくもなさそうなんだよな。
「ちなみにエルフの住人たちには自由に販売してもいいんですよね?」
「あたくしたちは滅多に姿を見せないの。そんなあたくしたちが彼らにどうこう言えるはずなんてないのよ。それより、トージ。マリヤも楽しみに待っているのだけれど?」
強い魔法とスキルの販売となると……。
「マリヤさん。強い魔法はどういうものを希望するとか、ありますか?」
「わたし、風は得意です。でも反属性は苦手です……」
「風の反属性は色々あると思うんですが、氷……ですかね?」
昔遊んだことがあるゲームの敵は少なくともそうだった。もちろんゲームによって違うから一概には言えないのだが。
「氷なら、この霧を何とかできますか?」
もしかして王国を覆っている霧を何とかしたいのか。そうなると、魔法を強くするだけの問題じゃなくなるような気がするが。
「ど、どうでしょうね……ただ、もし氷を強くするのであれば、それだけしか出来ないと思います。二種類の属性は流石に……」
属性相関は異世界ごとに違うし、迂闊に答えられない問題だがマリヤの方もよほど悩んでいるのか、ぶつぶつと呟きながら近くを歩き回っている。
「へぇ……亜空間倉庫というものがありながら購入は一つまでだなんて、結構厳しいのね? 人間の商人はそれが普通なの?」
「い、いえ、そもそも亜空間倉庫は私だけしか使えませんから」
魔導世界とはいえ、こうなると何が普通なのか分からないな。
「ところで、コムギ。あなたは間近でトージの力を見てきているわ。果たして、あたくしたちの希望に応えられると思う?」
退屈そうに欠伸をしていたコムギさんに俺のことを訊くなんて、でも彼女は俺のことをどう評価してくれているんだろうか。
「……ウニャ? トージの力は凄いニャ。凄い力を求めるのは別にいいニャ。だけど、ジーナはそれに相応しい報酬を与えられるのかニャ? それが出来なきゃ売るも何もないニャ」
おお!
ちゃんと見てくれていたんだ。それだけで何か嬉しい。
「相変わらず生意気ね、あなた! そんなの分かっているわ。妹もそうなのだけれど、もし本当に形のない魔法やスキルを顕現させることが出来るのなら、この先トージが困っていた時にエルフは全面的に力を貸すわ!」
「本当かニャ~? 外に出たくないエルフが出来るのかニャ~」
「いいわ! 何でも協力してやろうじゃない!!」
……俺の知らないところで盛り上がらないでほしい。スキルは一度注文出来ているから可能だとしても、強い魔法属性は発注出来るのかも怪しいからな。
「あぁ~もうっ! トージ! この生意気な小娘と話し合いをするわ。だからあなた、この間に民たちを満足させていらっしゃい! あたくしは希望するスキルを決めておくわ!」
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