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アフターストーリー 1
探検猫さん、トージの家にお邪魔する
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ううむ、これ以上進むともっと厄介な魔物が出てくるかもしれないな。そうなるとまともなスキルが使えない俺をコムギさんが守りながら進むことになる――か。
「コムギさん。ここまで来てなんだけど、外に戻ろうか?」
「ニャ? 疲れちゃった?」
疲れはまだないけど、いっぺんに事を済ませるのは良くないだろうしここらで戻るのが自分の為にもいいかもしれないな。
今まで移動で楽をしてきたから体力が無いというのもあるし。
「そ、そうだね」
「ふんふん。トージがそうしたいならそれがいいニャ。いきなり無理することはないからニャ~」
ダンジョンを見つけた嬉しさはあるけど、突然消えてなくなることもないだろうし。まずは落ち着いた行動を心掛けないと。
「――って、あれっ? ここの道って分かれてたっけ?」
「ニャニャ?」
「とにかく奥へ奥へと突き進んできちゃってたけど、道が分かれてるなんてなかったはず……」
俺もコムギさんも勢いで歩いていただけに、戻ろうとする道が二手に分かれているなんて流石に予想外すぎる。
「ふむむ~……私も調子に乗って進んでたからマーキングしてなかったニャ……」
「いや、俺も印をつけておくべきだったよ。ごめんね、コムギさん」
「ごめんニャ……」
来た道を戻るだけだと思っていたのに気づいたら迷っていたなんて――などと、俺とコムギさんで反省していると――
「――あ~いたいた! まだこの辺にいてくれて助かったぞ~!」
薄暗い中、元気のいい声が聞こえてきた。
「クウくん? あれ、どうして?」
「ウニャ? あれれ? 外に出たんじゃなかったのニャ?」
俺とコムギさんの前に現れたのは、外に出ると言っていなくなったクウだった。
「おいら、外に出た。だけど、人間のニオイがしたからおいらだけじゃ無理だって分かった。だから、トージについてきてもらおうと思って戻ってきたんだ」
……なるほど。
俺とコムギさん同様に、クウも勢い任せに外に出たはいいけど一人では不安になって戻ってきたわけか。
その判断が俺とコムギさんを救うことになるなんて、彼も思っていなかっただろうな。
「今度は君に救われたね」
「助けられたニャ~」
「何だかよく分からないけど、おいらもトージに救われたからおあいこだ~!」
お互いに救い合ったということで、クウに説明した。
「そっか~! じゃあ、トージ。おいらと一緒に外に出てくれ! おいらが案内するぞ~」
「うん、お願いするよ」
「よろしく頼むニャ!」
「任せろ~!」
俺とコムギさんはクウの案内で、何とか地上の小屋に戻ることが出来た。外はまだ日差しがあるものの、あと数時間もすれば夕暮れに差し掛かりそうなので運よく外に出られたと考えるべきかもしれない。
そういえば。
「ところで、人間の気配がしたって言ってたけど、小屋の外の話かな?」
もし小屋の中だったら冒険者の可能性もあるし、別の誰かだとしたら奥のダンジョンに入ってきてもおかしくない話だから、その辺をはっきりさせておかないと。
「んあ? あぁ! おいらが感じたニオイは森のずっと向こうの話だぞ。この小屋には人間が近づいたニオイは全くなかったから安心しろ~!」
「そっか。ありがとうね、クウくん」
そう言ってついついクウを撫でてしまった。
「フニャ~……か、勘違いしたら駄目だぞ? クウを撫でても何も出ないんだからな! だけど、トージは恩人。トージだけ撫でるのを許してやる!」
「ごめんごめん、でもそうだね。不用意に撫でるのは良くないね」
「いや、許すぞ!」
猫さんだから癖で撫でてしまったけど、別の猫さんに出合った時は注意しとかないとな。
……ん?
「トージは私のご主人様なのニャ! 忘れないでほしいニャ」
もちろん揺るぎないものだけど、クウを撫でてしまったことに嫉妬を抱かせてしまったのかな。
「んん? 言われなくてもおいらの主人じゃないぞ? コムギ」
「そんなの分かってるニャ!! フゥゥ~!」
あぁ、そうか。これはクウに対しての言葉じゃなくて俺への怒りだ。
そういうことなら――
「――ウニャ? ニャゥゥ……大好きニャ~」
「うんうん」
小屋の中にいるうちにということで、不意打ちながらコムギさんを抱っこして思いきりなでなでしてあげた。
コムギさんが落ち着いたので、クウを連れてメルバ漁村に戻ることにする。
「さぁ、クウくん。ここが俺とコムギさんの家だよ」
「仕方ないニャ。トージは甘いからニャ」
俺にたっぷり甘えたコムギさんは、クウに対する嫉妬心がすっかり消えて部屋に入るなり自由にくつろぎ始めていた。
「お邪魔するぞ~!」
コムギさんを先に部屋へ入れたすぐ後にクウを招き入れると、彼は物珍しそうにこれまでコムギさんが拾ってきた小皿や花瓶、壺なんかを興味深く眺めていた。
「ほほ~? これ全部、おいらが歩いてきた洞窟の物なのか~?」
「ん~、まぁそうじゃないのもあるだろうけど、大体の物はそうかな」
「そっか~。おいら、物は興味がないんだ。でもこういうのが落ちてるんなら、おいらの村に持ち帰りたいかもしれないぞ~」
「クウくんの村はここから遠いのかな?」
ダンジョン探検の猫さんといっても、故郷とか暮らしてる村は流石にあるんだよな。何か理由があって探検してるなら別だろうけど、そうでもなさそうだし。
「そんなことないぞ!」
もしかしてダンジョンの別の入り口から割と近くなのかな。
「トージ。クウの村はダンジョンの奥深くの先だと思うニャ。彼の感覚はあまり当てにならないと思うニャ」
「う、うん」
俺の家に招待したのはいいけど、彼は自分の村に帰るつもりがあるのだろうか。
「よし、決めた。トージ! おいら、トージたちを手伝う! トージを手伝えば、ここにあるような物を見つけられるもんな。おいら、道案内する! いいか?」
ダンジョンの道案内をしてくれるのは有難い話かも。
「コムギさん、彼の提案は――」
「別にいいけどニャ。でも、クウには悪いけどそんなに毎日行くわけじゃないからそこは勘違いしちゃ駄目ニャ。それでもいいなら私は何も言わないニャ」
意外だ。
ダンジョンを見つけて喜んでいたのはコムギさんなのに、ダンジョンを進みたいわけじゃないんだ。
「俺はコムギさんがそう言うならそれでいいよ。どうかな、クウくん」
「それでいいぞ~。そうと決まれば、おいらはこの村の人間に挨拶してくる!」
「えっ、ちょっと待って!」
声をかけるも、クウはペットドアを使ってすぐに部屋の外に出て行ってしまった。猫の姿で声をかけても言葉なんか通じるはずないのに。
「トージは何も心配しなくていいニャ」
「へ? どうして?」
「クウは人間になれるからニャ~」
俺の心配をよそに、コムギさんが得意げな顔を見せて言い放った。
「コムギさん。ここまで来てなんだけど、外に戻ろうか?」
「ニャ? 疲れちゃった?」
疲れはまだないけど、いっぺんに事を済ませるのは良くないだろうしここらで戻るのが自分の為にもいいかもしれないな。
今まで移動で楽をしてきたから体力が無いというのもあるし。
「そ、そうだね」
「ふんふん。トージがそうしたいならそれがいいニャ。いきなり無理することはないからニャ~」
ダンジョンを見つけた嬉しさはあるけど、突然消えてなくなることもないだろうし。まずは落ち着いた行動を心掛けないと。
「――って、あれっ? ここの道って分かれてたっけ?」
「ニャニャ?」
「とにかく奥へ奥へと突き進んできちゃってたけど、道が分かれてるなんてなかったはず……」
俺もコムギさんも勢いで歩いていただけに、戻ろうとする道が二手に分かれているなんて流石に予想外すぎる。
「ふむむ~……私も調子に乗って進んでたからマーキングしてなかったニャ……」
「いや、俺も印をつけておくべきだったよ。ごめんね、コムギさん」
「ごめんニャ……」
来た道を戻るだけだと思っていたのに気づいたら迷っていたなんて――などと、俺とコムギさんで反省していると――
「――あ~いたいた! まだこの辺にいてくれて助かったぞ~!」
薄暗い中、元気のいい声が聞こえてきた。
「クウくん? あれ、どうして?」
「ウニャ? あれれ? 外に出たんじゃなかったのニャ?」
俺とコムギさんの前に現れたのは、外に出ると言っていなくなったクウだった。
「おいら、外に出た。だけど、人間のニオイがしたからおいらだけじゃ無理だって分かった。だから、トージについてきてもらおうと思って戻ってきたんだ」
……なるほど。
俺とコムギさん同様に、クウも勢い任せに外に出たはいいけど一人では不安になって戻ってきたわけか。
その判断が俺とコムギさんを救うことになるなんて、彼も思っていなかっただろうな。
「今度は君に救われたね」
「助けられたニャ~」
「何だかよく分からないけど、おいらもトージに救われたからおあいこだ~!」
お互いに救い合ったということで、クウに説明した。
「そっか~! じゃあ、トージ。おいらと一緒に外に出てくれ! おいらが案内するぞ~」
「うん、お願いするよ」
「よろしく頼むニャ!」
「任せろ~!」
俺とコムギさんはクウの案内で、何とか地上の小屋に戻ることが出来た。外はまだ日差しがあるものの、あと数時間もすれば夕暮れに差し掛かりそうなので運よく外に出られたと考えるべきかもしれない。
そういえば。
「ところで、人間の気配がしたって言ってたけど、小屋の外の話かな?」
もし小屋の中だったら冒険者の可能性もあるし、別の誰かだとしたら奥のダンジョンに入ってきてもおかしくない話だから、その辺をはっきりさせておかないと。
「んあ? あぁ! おいらが感じたニオイは森のずっと向こうの話だぞ。この小屋には人間が近づいたニオイは全くなかったから安心しろ~!」
「そっか。ありがとうね、クウくん」
そう言ってついついクウを撫でてしまった。
「フニャ~……か、勘違いしたら駄目だぞ? クウを撫でても何も出ないんだからな! だけど、トージは恩人。トージだけ撫でるのを許してやる!」
「ごめんごめん、でもそうだね。不用意に撫でるのは良くないね」
「いや、許すぞ!」
猫さんだから癖で撫でてしまったけど、別の猫さんに出合った時は注意しとかないとな。
……ん?
「トージは私のご主人様なのニャ! 忘れないでほしいニャ」
もちろん揺るぎないものだけど、クウを撫でてしまったことに嫉妬を抱かせてしまったのかな。
「んん? 言われなくてもおいらの主人じゃないぞ? コムギ」
「そんなの分かってるニャ!! フゥゥ~!」
あぁ、そうか。これはクウに対しての言葉じゃなくて俺への怒りだ。
そういうことなら――
「――ウニャ? ニャゥゥ……大好きニャ~」
「うんうん」
小屋の中にいるうちにということで、不意打ちながらコムギさんを抱っこして思いきりなでなでしてあげた。
コムギさんが落ち着いたので、クウを連れてメルバ漁村に戻ることにする。
「さぁ、クウくん。ここが俺とコムギさんの家だよ」
「仕方ないニャ。トージは甘いからニャ」
俺にたっぷり甘えたコムギさんは、クウに対する嫉妬心がすっかり消えて部屋に入るなり自由にくつろぎ始めていた。
「お邪魔するぞ~!」
コムギさんを先に部屋へ入れたすぐ後にクウを招き入れると、彼は物珍しそうにこれまでコムギさんが拾ってきた小皿や花瓶、壺なんかを興味深く眺めていた。
「ほほ~? これ全部、おいらが歩いてきた洞窟の物なのか~?」
「ん~、まぁそうじゃないのもあるだろうけど、大体の物はそうかな」
「そっか~。おいら、物は興味がないんだ。でもこういうのが落ちてるんなら、おいらの村に持ち帰りたいかもしれないぞ~」
「クウくんの村はここから遠いのかな?」
ダンジョン探検の猫さんといっても、故郷とか暮らしてる村は流石にあるんだよな。何か理由があって探検してるなら別だろうけど、そうでもなさそうだし。
「そんなことないぞ!」
もしかしてダンジョンの別の入り口から割と近くなのかな。
「トージ。クウの村はダンジョンの奥深くの先だと思うニャ。彼の感覚はあまり当てにならないと思うニャ」
「う、うん」
俺の家に招待したのはいいけど、彼は自分の村に帰るつもりがあるのだろうか。
「よし、決めた。トージ! おいら、トージたちを手伝う! トージを手伝えば、ここにあるような物を見つけられるもんな。おいら、道案内する! いいか?」
ダンジョンの道案内をしてくれるのは有難い話かも。
「コムギさん、彼の提案は――」
「別にいいけどニャ。でも、クウには悪いけどそんなに毎日行くわけじゃないからそこは勘違いしちゃ駄目ニャ。それでもいいなら私は何も言わないニャ」
意外だ。
ダンジョンを見つけて喜んでいたのはコムギさんなのに、ダンジョンを進みたいわけじゃないんだ。
「俺はコムギさんがそう言うならそれでいいよ。どうかな、クウくん」
「それでいいぞ~。そうと決まれば、おいらはこの村の人間に挨拶してくる!」
「えっ、ちょっと待って!」
声をかけるも、クウはペットドアを使ってすぐに部屋の外に出て行ってしまった。猫の姿で声をかけても言葉なんか通じるはずないのに。
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「へ? どうして?」
「クウは人間になれるからニャ~」
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