68 / 73
アフターストーリー 2
トージの亜空間な植木鉢 ②
しおりを挟む
「コムギさん、クウくん、ごめんね」
コムギさんとクウが麻痺から回復したようなので、原因を作った責任としてふたりの頭を撫でつつ頭を下げた。
「ニャ?」
「なんだ~どうした~?」
すると、俺の突然の謝罪にふたりは可愛い首傾げをして驚いてみせた。
「トージがどうして謝るのニャ?」
「うん、それはね……そこに見える植木鉢を床に落としてしまったからなんだよ」
「ふんふん?」
コムギさんは俺の話に耳をぴくぴく動かしながら聞いてくれているが、
「おいらはトージに怒られるかと思ってたから気にしないぞ~」
クウはそこまで関心が無いのか、小屋の中を自由に動き回っている。この辺は猫さんらしいというかなんというか。
「鑑定してみたら麻痺効果のある種だったんだけど、それを調べる前に植えちゃってそれを落としたせいで……」
「そういうことだったのニャ~! 麻痺は初めてでもないけど、驚いちゃったニャ」
「だ、だよね」
興奮状態だったし、喧嘩が今にも始まりそうだったから訳が分からなかったんだろうなぁ。
「でも、もう心配はいらないニャ。クウはどうか分からないけど、私は強いのニャ! だからもう二度と麻痺になることはないからトージは何も心配いらないニャ~」
言いながらコムギさんは俺にすりすりしてくる。そんなコムギさんを俺は遠慮なく甘やかした。
それにしても亜空間スキル付きの植木鉢か。ここに持ってきた植木鉢全てがそうじゃないとはいえ、きちんと調べて使えるものを確かめてみないとだな。
「コムギさん。とりあえず俺は植木鉢を全部調べてみるよ。亜空間の植木鉢がどれくらいあるか分かれば、種の使い道も分かってくるだろうからね」
「分かったニャ。それじゃあ私はクウと一緒に小屋の外を見回ってくるニャ」
「うん。気をつけてね」
「ウニャ」
暇そうにしていたクウを連れて、コムギさんは小屋の外へと出て行った。そうなると俺がやるべきことは、植木鉢を全て磨いたうえで鑑定をしてみることだ。
植木鉢さえ綺麗にすれば、後は種を鑑定するだけになる。
――そうして土被りの植木鉢をテーブルに並べながら一通り磨いてみると、やはり亜空間な植木鉢はただの一つで、残りは火属性や水属性といった属性付きの植木鉢が混ざっていることが分かった。
植木鉢は主に磁器の植木鉢で、それ以外には土師器の植木鉢、木製植木鉢などがあった。
そうなると後は種を鑑定して属性植木鉢に組み合わせれば、何らかの物が育つ可能性が期待出来そう。
植木鉢は全部で十個。その中には欠けていた植木鉢もあったのでレストアスキルで直すことに成功したが、それくらいではコムギさんの負担にはならないように思えた。
後は種を鑑定して植えてみるだけだが、コムギさんにも見てもらおうかな?
「トージ~! そろそろいいかニャ?」
コムギさんだけでも呼ぼうと思っていたら、彼女も種の鑑定に興味があるのか小屋の中に戻ってきた。
「あれ、クウくんは?」
戻ってこないかな、なんて思っていたけど戻ってきたのはコムギさんだけでクウは中に入ってきていない。
……あまり植木鉢とか種とかに興味なさげではあったけど。
「見回りニャ。そうそう、それとトージに教えておくニャ」
「うん? 何かな?」
「クウの魔法と私の魔法を使って、小屋に魔法防御をかけておいたニャ。これなら普通の人間や低級の魔物なんかは入ってこれないニャ。だから安心していいニャ~」
おぉ!
クウの魔法は教えてもらってないからその効果は分からないけど、コムギさんは聖属性の力を有している。その魔法を使ってくれたなら、不審な者が入ってくることはないはず。
何気なく外に出て行ったと思っていたけど、その辺りは流石コムギさんだ。
「えっと、それじゃあ種を鑑定してみようか」
「楽しみニャ~」
小袋にいくつも入っている種を適当に掴み、コムギさんを抱っこしてテーブルの上に乗せ、彼女にも見える位置で種をいくつか手に取って鑑定してみた。
鑑定結果は俺しか見えないはずなので、コムギさんにはすぐに教えることにする。
すると。
【ガルスの穀物】
【ガルスの野菜】
【ガルスの即席おやつ:猫に限る】
などなどが見えた。
「ガルスって何だろうね? どこかで聞いた覚えがあるんだけど……」
「魔導師の名前ニャ。一年も前だから忘れちゃうのは仕方がないけどニャ」
「え、魔導師? あっ……そういえばそんな人いたような」
コムギさんと一緒に暮らすようになってから、猫魔導師以外の魔導師に出会ったことがなかった。そのせいか、旅の途中で出会った魔導師の名前をど忘れしていた。
そうか、魔導師ガルスか。
確か俺が教えた即席麺を再現しようとしてた人だった。そんな人の名前が種の名前で出てくるなんて、やっぱりクウに種をくれた人って――。
「トージトージ! 即席おやつの種を植えてみてほしいニャ!」
「あぁ、猫に限るってやつ? すぐにおやつが出てくるなら重宝しそうだよね」
「トージの植木鉢から鳥のささみが生えてくるかもしれないニャ?」
「え? 鳥のささみ? い、いやぁ、それはどうかなぁ……」
何だかよく分からないものの、期待の眼差しをするコムギさんとともに即席おやつの種を植木鉢に植えてみた。
コムギさんとクウが麻痺から回復したようなので、原因を作った責任としてふたりの頭を撫でつつ頭を下げた。
「ニャ?」
「なんだ~どうした~?」
すると、俺の突然の謝罪にふたりは可愛い首傾げをして驚いてみせた。
「トージがどうして謝るのニャ?」
「うん、それはね……そこに見える植木鉢を床に落としてしまったからなんだよ」
「ふんふん?」
コムギさんは俺の話に耳をぴくぴく動かしながら聞いてくれているが、
「おいらはトージに怒られるかと思ってたから気にしないぞ~」
クウはそこまで関心が無いのか、小屋の中を自由に動き回っている。この辺は猫さんらしいというかなんというか。
「鑑定してみたら麻痺効果のある種だったんだけど、それを調べる前に植えちゃってそれを落としたせいで……」
「そういうことだったのニャ~! 麻痺は初めてでもないけど、驚いちゃったニャ」
「だ、だよね」
興奮状態だったし、喧嘩が今にも始まりそうだったから訳が分からなかったんだろうなぁ。
「でも、もう心配はいらないニャ。クウはどうか分からないけど、私は強いのニャ! だからもう二度と麻痺になることはないからトージは何も心配いらないニャ~」
言いながらコムギさんは俺にすりすりしてくる。そんなコムギさんを俺は遠慮なく甘やかした。
それにしても亜空間スキル付きの植木鉢か。ここに持ってきた植木鉢全てがそうじゃないとはいえ、きちんと調べて使えるものを確かめてみないとだな。
「コムギさん。とりあえず俺は植木鉢を全部調べてみるよ。亜空間の植木鉢がどれくらいあるか分かれば、種の使い道も分かってくるだろうからね」
「分かったニャ。それじゃあ私はクウと一緒に小屋の外を見回ってくるニャ」
「うん。気をつけてね」
「ウニャ」
暇そうにしていたクウを連れて、コムギさんは小屋の外へと出て行った。そうなると俺がやるべきことは、植木鉢を全て磨いたうえで鑑定をしてみることだ。
植木鉢さえ綺麗にすれば、後は種を鑑定するだけになる。
――そうして土被りの植木鉢をテーブルに並べながら一通り磨いてみると、やはり亜空間な植木鉢はただの一つで、残りは火属性や水属性といった属性付きの植木鉢が混ざっていることが分かった。
植木鉢は主に磁器の植木鉢で、それ以外には土師器の植木鉢、木製植木鉢などがあった。
そうなると後は種を鑑定して属性植木鉢に組み合わせれば、何らかの物が育つ可能性が期待出来そう。
植木鉢は全部で十個。その中には欠けていた植木鉢もあったのでレストアスキルで直すことに成功したが、それくらいではコムギさんの負担にはならないように思えた。
後は種を鑑定して植えてみるだけだが、コムギさんにも見てもらおうかな?
「トージ~! そろそろいいかニャ?」
コムギさんだけでも呼ぼうと思っていたら、彼女も種の鑑定に興味があるのか小屋の中に戻ってきた。
「あれ、クウくんは?」
戻ってこないかな、なんて思っていたけど戻ってきたのはコムギさんだけでクウは中に入ってきていない。
……あまり植木鉢とか種とかに興味なさげではあったけど。
「見回りニャ。そうそう、それとトージに教えておくニャ」
「うん? 何かな?」
「クウの魔法と私の魔法を使って、小屋に魔法防御をかけておいたニャ。これなら普通の人間や低級の魔物なんかは入ってこれないニャ。だから安心していいニャ~」
おぉ!
クウの魔法は教えてもらってないからその効果は分からないけど、コムギさんは聖属性の力を有している。その魔法を使ってくれたなら、不審な者が入ってくることはないはず。
何気なく外に出て行ったと思っていたけど、その辺りは流石コムギさんだ。
「えっと、それじゃあ種を鑑定してみようか」
「楽しみニャ~」
小袋にいくつも入っている種を適当に掴み、コムギさんを抱っこしてテーブルの上に乗せ、彼女にも見える位置で種をいくつか手に取って鑑定してみた。
鑑定結果は俺しか見えないはずなので、コムギさんにはすぐに教えることにする。
すると。
【ガルスの穀物】
【ガルスの野菜】
【ガルスの即席おやつ:猫に限る】
などなどが見えた。
「ガルスって何だろうね? どこかで聞いた覚えがあるんだけど……」
「魔導師の名前ニャ。一年も前だから忘れちゃうのは仕方がないけどニャ」
「え、魔導師? あっ……そういえばそんな人いたような」
コムギさんと一緒に暮らすようになってから、猫魔導師以外の魔導師に出会ったことがなかった。そのせいか、旅の途中で出会った魔導師の名前をど忘れしていた。
そうか、魔導師ガルスか。
確か俺が教えた即席麺を再現しようとしてた人だった。そんな人の名前が種の名前で出てくるなんて、やっぱりクウに種をくれた人って――。
「トージトージ! 即席おやつの種を植えてみてほしいニャ!」
「あぁ、猫に限るってやつ? すぐにおやつが出てくるなら重宝しそうだよね」
「トージの植木鉢から鳥のささみが生えてくるかもしれないニャ?」
「え? 鳥のささみ? い、いやぁ、それはどうかなぁ……」
何だかよく分からないものの、期待の眼差しをするコムギさんとともに即席おやつの種を植木鉢に植えてみた。
31
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる