69 / 73
アフターストーリー 2
コムギさん、即席おやつで体力アップ?
しおりを挟む
ガルスの即席おやつの種を植え、しばらく待っていると外で見回りをしていたクウも小屋の中に戻ってきた。
クウは俺とコムギさんが一つの植木鉢をじっと眺めていることがおかしく見えたようで――
「――植木鉢を眺めるのが面白いのか~? 何だか怪しいぞ~」
などと首を傾げながら、なぜか俺とコムギさん相手に警戒心を高めていた。
「変でも何でもいいニャ。トージのスキルは目に見えないものなのニャ。クウが理解出来なくても、私は理解出来てるから全然怪しくなんかないニャ」
そんなクウに俺は笑うしか出来なかったが、コムギさんはクウの言葉を聞いても怒ることなく落ち着いているようだった。
「ふ~ん、そうなのか。コムギがいいならいいや。外は心配ないし、おいら、洞窟に行ってくるぞ~。トージが安心出来るようにしてくるからな~」
「そっか。気をつけてね!」
クウは俺の猫さんというわけでもなくダンジョンで出会った探検猫さんなので、俺がすることに関してはほとんど気にしてこない。
とはいえ、自分の村に帰ることが彼の目的でもあるので、それが達成するまでは手助け出来るところだけはするという話だった。
強制されないしするつもりもないけど、協力する時もあるという意味ではとことん気まぐれ猫さんな感じだ。
「そろそろかニャ~?」
気まぐれなクウとは別に、コムギさんは俺を中心に考えてくれているので、つくづく最高のパートナーと言えるし可愛すぎる相棒猫さんと言っても過言じゃない。
「トージトージ! お花ニャ~」
「え、花?」
「大きくな~れ~大きくな~れ~ニャ~!」
植木鉢を見てみると、コムギさんが言うように急速に蕾が伸びたかと思ったら、何かの花のようなものが咲こうとしている。
「あれ、おやつなんじゃなかったっけ……」
魔導師が作った種だから単なる花として育つわけじゃないと思うけど、どうなるんだろ。
野菜と穀物の種は花が咲いてもおかしくないけど、即席おやつで花が咲くとなると何とも不思議な気がしてならない。
「ニャッ!? どんどんどんどん膨れてきてるニャ! だ、大丈夫かニャ?」
「ほ、本当だね。コムギさんのお願いが効いたかな」
コムギさんと俺とで期待と不安が入り混じる中、膨れ上がった蕾が今にも花開こうとしている。
――直後、小屋全体が揺れたような気がしたうえ、視界全体が白っぽくかすんだような気がした。
眩しさはなかったものの少しずつ目を開けようとすると、
「ニャニャニャニャ~!! 鳥のささみの味がするニャ~! 美味しいニャ~」
俺より先に、コムギさんが喜びまくっていた。
しかもすでに食べてる!?
慌てて目を開けると、そこで見えたのはかつおぶしがまるで花びらのように小屋の中にひらひらと降りまくっている光景だった。
コムギさんが鳥のささみがとか言ってるものの、俺に見えているのはかつおぶしの乱舞である。
「コ、コムギさん? それ、かつおぶしだよね?」
「ニャ~! 見た目はかつおぶしニャ。だけど、味は鳥のささみとかサーモンとかまぐろが感じられるニャ!」
「そうなんだ」
「美味しいニャ美味しいニャ~!!」
何とも大げさな仕掛けだが、これも魔導師の仕業だと思えばそこまで驚くものでもない。
それよりもコムギさんが物凄く嬉しそうにしているので、これだけでも魔導師ガルスに感謝したい。猫に限るおやつというだけあって好物を厳選した感じがある。
即席おやつの種、恐るべし。
「コムギさんが喜んでくれて良かったよ!」
「トージのスキルがなければ食べられなかったから、トージはもっと誇っていいと思うニャ!」
「ははは。そうだね」
「ニャ~美味しかったニャ!」
それほど時間も経っていないのに、コムギさんはあっさりとおやつを食べ終え舌をぺろりと出して満足そうにしている。大量に見えたけど、かつおぶしの量はそれほどでもなかったかも。
「膨らんでいた蕾から出たかつおぶしはそんなに多くなかったんだね」
「色んな味があったから充分ニャ! クウは惜しいことをしたニャ」
「でも、誰かにごちそうになったって言ってたから、今は必要なかったかもしれないね」
クウは植木鉢や種に関心がない猫さんだったけど、食べるものは自分で何とかするタイプなのかも。
「何だか少し眠くなってきたような、そうでないようなだるさがあるニャ……」
美味しいおやつに満足したのか、コムギさんが眠たそうにしている。
「大丈夫? 眠いなら寝ちゃってもいいんだよ?」
「ウウニャ……違う、違うニャ……」
「んん?」
「お腹……ううん、体がぽかぽかしてとってもあったかいニャ。これが何なのか分からないニャ」
具合が悪くなったようには見えないけど、さっきまで喜びを露わにしていたコムギさんとは打って変わってだるそうにしているような。
もしかして、即席おやつの効果が関係してるとか?
せっかく元気になったのに、コムギさんはテーブルの上で横になってだるそうにしている。
「ニャニャニャニャ!? な、何だかみなぎってきたニャ……」
だるそうにしていたかと思っていたらコムギさんが突然起き上がり、テーブルの上から降りて、俺のいるところを耳をピンと立たせながら落ち着かない様子でぐるぐると回り始めた。
「コ、コムギさん? どうしたの……?」
様子を見る限り悪い感じではなさそうだけど、何が起きているのか。しばらくぐるぐると回り続けたところで、コムギさんがピタリと止まったかと思ったら――
「――力が溢れてきたニャ~!!!」
などと、そんなことを言い放っていた。
クウは俺とコムギさんが一つの植木鉢をじっと眺めていることがおかしく見えたようで――
「――植木鉢を眺めるのが面白いのか~? 何だか怪しいぞ~」
などと首を傾げながら、なぜか俺とコムギさん相手に警戒心を高めていた。
「変でも何でもいいニャ。トージのスキルは目に見えないものなのニャ。クウが理解出来なくても、私は理解出来てるから全然怪しくなんかないニャ」
そんなクウに俺は笑うしか出来なかったが、コムギさんはクウの言葉を聞いても怒ることなく落ち着いているようだった。
「ふ~ん、そうなのか。コムギがいいならいいや。外は心配ないし、おいら、洞窟に行ってくるぞ~。トージが安心出来るようにしてくるからな~」
「そっか。気をつけてね!」
クウは俺の猫さんというわけでもなくダンジョンで出会った探検猫さんなので、俺がすることに関してはほとんど気にしてこない。
とはいえ、自分の村に帰ることが彼の目的でもあるので、それが達成するまでは手助け出来るところだけはするという話だった。
強制されないしするつもりもないけど、協力する時もあるという意味ではとことん気まぐれ猫さんな感じだ。
「そろそろかニャ~?」
気まぐれなクウとは別に、コムギさんは俺を中心に考えてくれているので、つくづく最高のパートナーと言えるし可愛すぎる相棒猫さんと言っても過言じゃない。
「トージトージ! お花ニャ~」
「え、花?」
「大きくな~れ~大きくな~れ~ニャ~!」
植木鉢を見てみると、コムギさんが言うように急速に蕾が伸びたかと思ったら、何かの花のようなものが咲こうとしている。
「あれ、おやつなんじゃなかったっけ……」
魔導師が作った種だから単なる花として育つわけじゃないと思うけど、どうなるんだろ。
野菜と穀物の種は花が咲いてもおかしくないけど、即席おやつで花が咲くとなると何とも不思議な気がしてならない。
「ニャッ!? どんどんどんどん膨れてきてるニャ! だ、大丈夫かニャ?」
「ほ、本当だね。コムギさんのお願いが効いたかな」
コムギさんと俺とで期待と不安が入り混じる中、膨れ上がった蕾が今にも花開こうとしている。
――直後、小屋全体が揺れたような気がしたうえ、視界全体が白っぽくかすんだような気がした。
眩しさはなかったものの少しずつ目を開けようとすると、
「ニャニャニャニャ~!! 鳥のささみの味がするニャ~! 美味しいニャ~」
俺より先に、コムギさんが喜びまくっていた。
しかもすでに食べてる!?
慌てて目を開けると、そこで見えたのはかつおぶしがまるで花びらのように小屋の中にひらひらと降りまくっている光景だった。
コムギさんが鳥のささみがとか言ってるものの、俺に見えているのはかつおぶしの乱舞である。
「コ、コムギさん? それ、かつおぶしだよね?」
「ニャ~! 見た目はかつおぶしニャ。だけど、味は鳥のささみとかサーモンとかまぐろが感じられるニャ!」
「そうなんだ」
「美味しいニャ美味しいニャ~!!」
何とも大げさな仕掛けだが、これも魔導師の仕業だと思えばそこまで驚くものでもない。
それよりもコムギさんが物凄く嬉しそうにしているので、これだけでも魔導師ガルスに感謝したい。猫に限るおやつというだけあって好物を厳選した感じがある。
即席おやつの種、恐るべし。
「コムギさんが喜んでくれて良かったよ!」
「トージのスキルがなければ食べられなかったから、トージはもっと誇っていいと思うニャ!」
「ははは。そうだね」
「ニャ~美味しかったニャ!」
それほど時間も経っていないのに、コムギさんはあっさりとおやつを食べ終え舌をぺろりと出して満足そうにしている。大量に見えたけど、かつおぶしの量はそれほどでもなかったかも。
「膨らんでいた蕾から出たかつおぶしはそんなに多くなかったんだね」
「色んな味があったから充分ニャ! クウは惜しいことをしたニャ」
「でも、誰かにごちそうになったって言ってたから、今は必要なかったかもしれないね」
クウは植木鉢や種に関心がない猫さんだったけど、食べるものは自分で何とかするタイプなのかも。
「何だか少し眠くなってきたような、そうでないようなだるさがあるニャ……」
美味しいおやつに満足したのか、コムギさんが眠たそうにしている。
「大丈夫? 眠いなら寝ちゃってもいいんだよ?」
「ウウニャ……違う、違うニャ……」
「んん?」
「お腹……ううん、体がぽかぽかしてとってもあったかいニャ。これが何なのか分からないニャ」
具合が悪くなったようには見えないけど、さっきまで喜びを露わにしていたコムギさんとは打って変わってだるそうにしているような。
もしかして、即席おやつの効果が関係してるとか?
せっかく元気になったのに、コムギさんはテーブルの上で横になってだるそうにしている。
「ニャニャニャニャ!? な、何だかみなぎってきたニャ……」
だるそうにしていたかと思っていたらコムギさんが突然起き上がり、テーブルの上から降りて、俺のいるところを耳をピンと立たせながら落ち着かない様子でぐるぐると回り始めた。
「コ、コムギさん? どうしたの……?」
様子を見る限り悪い感じではなさそうだけど、何が起きているのか。しばらくぐるぐると回り続けたところで、コムギさんがピタリと止まったかと思ったら――
「――力が溢れてきたニャ~!!!」
などと、そんなことを言い放っていた。
23
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる