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アフターストーリー 2
滑り落ちた先はダンジョンの隠し部屋?
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……ゴゴゴゴ。
どこかで聞こえてくる地鳴りとすぐ近くで感じる振動は、自然的な揺れというより、採掘がきっかけで起こっているような気がする。
これは本格的にまずいのでは?
コムギさんの冴えた鼻利きで今まで気づけなかった採掘ポイントを掘れるようになったのはいいけど、まさかレアな宝石を見つけたことで何かが起きるとかないよね。
「……うっ!? し、沈んでる……?」
気のせいでも何でもなく、地面が徐々に沈んでいくような感覚がある。ひたすら掘りまくっているコムギさんは覚醒でもしたかのように凄い勢いで掘りまくっていて、その勢いで別の穴を見つけてしまいそう。
「ニャニャニャッ……!? ト、トージ……落ちるニャ、落ちちゃうニャ~!!」
「へ?」
「フギャニャ~!? 滑り落ちるニャ!! 助けてニャ~!!」
「コムギさん、待ってて! 今すぐ助けに――っ!」
穴掘りをしまくっていたコムギさんが、異変を感じたのか掘るのをやめると同時に、大きな穴でも開けてしまったのか俺に助けを求めている。
地面が沈み込んでいる感覚があったが、もしやそれのことでは?
「す、滑るニャ~!!!」
「コムギさんっっ!」
彼女を助けようと近づくと、俺も一緒に掘っていた場所に出来た穴へと滑り落ちてしまった。
「わわわわっ!?」
「ニャニャニャニャ!!」
俺は焦っていたコムギさんをすぐにキャッチして、抱き抱えながら一緒に落ちて行く。落下していくわけではなく、どちらかというと滑り台で滑り落ちるような感じで落とされていく感じだ。
「た、助かったニャ」
「ふぅ、危なかった。大丈夫?」
「さすがは私のご主人様なのニャ~」
コムギさんはゴロゴロと喉を鳴らしつつ、俺にしがみついている。俺としては至福の時間なのだが、なんにしてもどこまで滑り落ちていくのかが問題だ。
滑り台のように傾斜になってるし、人工的なダンジョンとしか思えないが。
「ニャニャ? トージトージ! 明るくなってきたニャ!」
「……本当だね。地下深くのはずなのに明るいなんて」
その明るさは自然の光というより、村で借りている部屋の照明に近い明るさだ。この滑り台もそうだけど、穴掘りから落ちた時から俺とコムギさんに傷を負わせないような設計になってる感じがした。
ということは、この先で待っているのは。
「ニャ? 着いたかニャ?」
「そ、そうみたいだね」
色々考えていたら終点にたどり着いていた。そこから先は日本でよく見たような地下通路に似た構造になっていて、コンクリートで出来た壁が奥まで続いている感じだ。
しかし寒さなどは感じられず、そうかといって熱い感じもない。
「ぽかぽかニャ~」
「え? そ、そう?」
「過ごしやすい感じがするニャ」
どうやら猫さんにとって快適な温度を保っているらしく、コムギさんが嬉しそう。
「トージ。私だけ先に行ってみるニャ!」
「あっ」
抱き抱えていたコムギさんが俺の腕から飛び出して、明るい通路の先の方に向かって走って行く。
滑り落ちたのは驚いたけど、快適な温度に明るい通路――この時点で脅威が感じられないと判断したのか、コムギさんがその先へと行ってしまった。
この先に何が待っているのか。あるいは実はこのダンジョン自体、誰かの手によって作られたものなのか、恐らくその答えが待っているはず。
先行したコムギさんの声は聞こえてこないが、彼女が向かった通路の先へと急いだ。
そうしてなるべく急ぎ足で先の方へ進むと、通路の明るさよりもさらに明るい空間に着いた。そこは天井が高く、数枚のプロペラのような羽根が回っている。
部屋の物はあまり見当たらないが、部屋の中央には日本にあるようなこたつが――
「――こたつ!?」
しかもよく見たら、天井にあるのはシーリングファン?
随分と洒落た部屋だな。色々混ざってて統一感がないけど。
「おっ! トージ? そこにいるのはトージか~?」
……ん、この声。
「あれっ? クウくん? え、何でここに?」
こたつに近づこうとすると、そこから顔を見せたのはコムギさんではなくクウだった。
確かダンジョンの先の方に探検しに行ってるはずだったのに。
「おいら、とにかく奥の方へ進みまくろうとしてたんだ」
「うんうん」
やっぱりかなり最奥まで進んでいたんだな。
「だけど、やっぱり途中でどうしても進めなくなって、あちこち迷いながら歩いていたんだ。そしたら、小さな横穴が見えたからそこに入って進んでいたんだ。そしたら変な部屋に出て、これがあったから入って休んでいたら寝てた」
こたつがあったから入って休んでいたってことか。こたつ布団はまた違った気持よさがあるし仕方ないかも。
「ちなみにどこからここに?」
「あそこだぞ」
クウが指差すところを見ると、猫なら入れそうな換気扇の穴があった。換気口カバーはついていないようで、そこがどこかに繋がっている感じに見える。
「クウくん。コムギさんを見なかった?」
「コムギ? おいら、寝てたから分からないぞ。コムギもここに来たのか~?」
「そのはずなんだけどね。この部屋よりも先の方に行っちゃったのかな?」
彼女が無意味に他へ進むとは思えないし、続いてる部屋へ行ってみるしかなさそうだ。
「おいらはこの部屋から出てないけど、部屋は何個か続いてるようだったぞ。コムギならきっと別の部屋にいるはずだぞ」
ひょんなことから隠し部屋が出てきたけど、クウにも再会出来たし、まずはコムギさんの行方を探さないと。
「おいら、コムギのニオイをたどってトージを案内する! トージ、行くぞ~!」
どこかで聞こえてくる地鳴りとすぐ近くで感じる振動は、自然的な揺れというより、採掘がきっかけで起こっているような気がする。
これは本格的にまずいのでは?
コムギさんの冴えた鼻利きで今まで気づけなかった採掘ポイントを掘れるようになったのはいいけど、まさかレアな宝石を見つけたことで何かが起きるとかないよね。
「……うっ!? し、沈んでる……?」
気のせいでも何でもなく、地面が徐々に沈んでいくような感覚がある。ひたすら掘りまくっているコムギさんは覚醒でもしたかのように凄い勢いで掘りまくっていて、その勢いで別の穴を見つけてしまいそう。
「ニャニャニャッ……!? ト、トージ……落ちるニャ、落ちちゃうニャ~!!」
「へ?」
「フギャニャ~!? 滑り落ちるニャ!! 助けてニャ~!!」
「コムギさん、待ってて! 今すぐ助けに――っ!」
穴掘りをしまくっていたコムギさんが、異変を感じたのか掘るのをやめると同時に、大きな穴でも開けてしまったのか俺に助けを求めている。
地面が沈み込んでいる感覚があったが、もしやそれのことでは?
「す、滑るニャ~!!!」
「コムギさんっっ!」
彼女を助けようと近づくと、俺も一緒に掘っていた場所に出来た穴へと滑り落ちてしまった。
「わわわわっ!?」
「ニャニャニャニャ!!」
俺は焦っていたコムギさんをすぐにキャッチして、抱き抱えながら一緒に落ちて行く。落下していくわけではなく、どちらかというと滑り台で滑り落ちるような感じで落とされていく感じだ。
「た、助かったニャ」
「ふぅ、危なかった。大丈夫?」
「さすがは私のご主人様なのニャ~」
コムギさんはゴロゴロと喉を鳴らしつつ、俺にしがみついている。俺としては至福の時間なのだが、なんにしてもどこまで滑り落ちていくのかが問題だ。
滑り台のように傾斜になってるし、人工的なダンジョンとしか思えないが。
「ニャニャ? トージトージ! 明るくなってきたニャ!」
「……本当だね。地下深くのはずなのに明るいなんて」
その明るさは自然の光というより、村で借りている部屋の照明に近い明るさだ。この滑り台もそうだけど、穴掘りから落ちた時から俺とコムギさんに傷を負わせないような設計になってる感じがした。
ということは、この先で待っているのは。
「ニャ? 着いたかニャ?」
「そ、そうみたいだね」
色々考えていたら終点にたどり着いていた。そこから先は日本でよく見たような地下通路に似た構造になっていて、コンクリートで出来た壁が奥まで続いている感じだ。
しかし寒さなどは感じられず、そうかといって熱い感じもない。
「ぽかぽかニャ~」
「え? そ、そう?」
「過ごしやすい感じがするニャ」
どうやら猫さんにとって快適な温度を保っているらしく、コムギさんが嬉しそう。
「トージ。私だけ先に行ってみるニャ!」
「あっ」
抱き抱えていたコムギさんが俺の腕から飛び出して、明るい通路の先の方に向かって走って行く。
滑り落ちたのは驚いたけど、快適な温度に明るい通路――この時点で脅威が感じられないと判断したのか、コムギさんがその先へと行ってしまった。
この先に何が待っているのか。あるいは実はこのダンジョン自体、誰かの手によって作られたものなのか、恐らくその答えが待っているはず。
先行したコムギさんの声は聞こえてこないが、彼女が向かった通路の先へと急いだ。
そうしてなるべく急ぎ足で先の方へ進むと、通路の明るさよりもさらに明るい空間に着いた。そこは天井が高く、数枚のプロペラのような羽根が回っている。
部屋の物はあまり見当たらないが、部屋の中央には日本にあるようなこたつが――
「――こたつ!?」
しかもよく見たら、天井にあるのはシーリングファン?
随分と洒落た部屋だな。色々混ざってて統一感がないけど。
「おっ! トージ? そこにいるのはトージか~?」
……ん、この声。
「あれっ? クウくん? え、何でここに?」
こたつに近づこうとすると、そこから顔を見せたのはコムギさんではなくクウだった。
確かダンジョンの先の方に探検しに行ってるはずだったのに。
「おいら、とにかく奥の方へ進みまくろうとしてたんだ」
「うんうん」
やっぱりかなり最奥まで進んでいたんだな。
「だけど、やっぱり途中でどうしても進めなくなって、あちこち迷いながら歩いていたんだ。そしたら、小さな横穴が見えたからそこに入って進んでいたんだ。そしたら変な部屋に出て、これがあったから入って休んでいたら寝てた」
こたつがあったから入って休んでいたってことか。こたつ布団はまた違った気持よさがあるし仕方ないかも。
「ちなみにどこからここに?」
「あそこだぞ」
クウが指差すところを見ると、猫なら入れそうな換気扇の穴があった。換気口カバーはついていないようで、そこがどこかに繋がっている感じに見える。
「クウくん。コムギさんを見なかった?」
「コムギ? おいら、寝てたから分からないぞ。コムギもここに来たのか~?」
「そのはずなんだけどね。この部屋よりも先の方に行っちゃったのかな?」
彼女が無意味に他へ進むとは思えないし、続いてる部屋へ行ってみるしかなさそうだ。
「おいらはこの部屋から出てないけど、部屋は何個か続いてるようだったぞ。コムギならきっと別の部屋にいるはずだぞ」
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