アイドルのマネージャーになったら

はぴたん

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マネージャーになる

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「咲夜、マネージャーになってくれないか?」

お世話になっている叔父に呼ばれて行けば、唐突にそう告げられた。

「えっ?」

「まぁ、本当はアイドルをやらせたい所だが、、咲夜の嫌がる事はさせたくないからな。
丁度人手不足で困っていたんだ。
引き受けてくれるか?」

大手芸能プロダクションの社長を務める俺の叔父、こと篠本政しのもとまさし
そんな彼から告げられた言葉に驚いたがお世話になっている事もあり、疑問も持たずすぐに「はい。」と返事をしていた。

どうせ今過ごしている大学生活も特になりたいものも分からずただただ過ぎていく日々だったので、特に通えなくなっても困らない。

「そうか。そう言ってくれると思っていたよ。
さっそくだが担当してほしいアイドルグループはNoiseノイズと言ってな、みんな同じ寮で過ごしている。
サポートするのに違う家だと大変だろうから、咲夜にも同じ寮に住んでもらう。
まぁ、詳しい事は佐々木ささきに聞いてくれ。」

「え、、、、あ、はい、分かりました。」

またも唐突に告げられる事に若干困惑しているが、ひとまず返事をし佐々木さんを見つめる。

「鍵はお預かりしておりますので、ひとまず寮へ向かいましょうか。
道中で詳しく仕事内容などをご説明させていただきます。」

どうみても俺より年上なのにいつも丁寧な言葉で接してくれる佐々木さんは、叔父の秘書である。

では行きましょう。と進む佐々木さんに慌ててついて行く。


颯爽と歩く佐々木さんについて行く俺、こと冴島咲夜さえじまさくやは叔父がアイドルをやらせたくなるのも頷けるほどの美貌の持ち主である。
というのも、芸能界きっての大俳優であった父譲りの艶やかな黒髪、すっと通った鼻。
そして元スターアイドルの母に似た印象的な色素の薄い瞳にカールがかったまつ毛、赤く色づいた唇。
だがこの美貌と肩書きのせいで様々なトラブルに巻き込まれてきたので正直俺は全然嬉しくない。

今は分厚い眼鏡により誰にも気にも止められずひっそりと暮らしている。
過去のトラブルのせいで引き籠もり、ゲームばかりしていたため急激に視力が悪くなり、眼鏡をかけ始めたのが返って良かった。

過労が祟ったのか早くに亡くなってしまった父と、誰にでも優しくお人好しだが一つの事しか見えなくなってしまう天然気質な母。
俺をトラブルから救い出してくれたのはいつも父の兄である叔父だった。
ちなみに叔父は父より彫りを深くしたイケメンである。
鍛えており、今でも筋肉ムキムキなイケおじだ。

、、そんなお世話になっている叔父からの頼み事とあれば断る事なんてやはり出来ない。



そんな事を考えていると駐車場についていたようで、佐々木さんに車に乗るように促され従う。

やるからにはしっかりと務めを果たし、叔父の顔に泥を塗る様なことはしないようにしよう。と座席に座り決心した所で車が走り出した。


「寮に着くまでにまずはメンバーの紹介をいたしますね。
先程お渡した資料をご覧下さい。」

仕事用にと渡された資料をぺらりと捲る。

「まずは、リーダーの斗哉とおや
みんなを引っ張るリーダーであり、人一倍責任感もあります。ファンからは時折みせる俺様な一面が人気です。
彼は芝居の才能もあり、まだ芝居を初めてすぐですが既に新人賞を取っています。

次に癒し系の陽稀はるき
たれ目で顔に合った優しい性格が人気です。
パーマがかったふわふわの髪が特徴ですね。
彼はグループの中で1番歌が上手いです。
スタイルがいいのでモデルの仕事がよく舞い込んでいます。

そして双子の海都かいと陸都りくと
顔がそっくりな2人を見分けるポイントは目元の泣きぼくろです。
右目が海都、左目が陸都です。
しかしこの泣きぼくろは実は書いているものになるので、書いていなければ判断は難しいでしょう。
ちなみに声もそっくりです。
性格も似ており、明るい性格でバラエティによく2人揃ってオファーがあります。

最後にミステリアスな夜月よづき
整った顔は顔面国宝と言われています。
ダンスが1番上手く、何でもそつなくこなすタイプです。
ですが興味を持った事しかやりたがらないのでいくつか仕事を断る事もあり1番手を焼いているメンバーでもあります。

以上になりますが、主に前マネージャーや世間の声を元に作った資料になりますので実際とは異なる事もあると思います。
実は前マネージャーが急遽辞めたため、私を含め彼らをよく知る人物が少ないのです。」

「そうだったんですね、、
正直テレビとはかけ離れた生活だったので、人気のグループのようですがお恥ずかしながら情報が全く無くて、、
なので分かりやすくまとめて下さってとってもありがたいです。」

「そうでしたか。それは良かったです。
マネージャーの仕事は初めてですので、咲夜さんが慣れるまで私も付くよう社長に仰せつかっておりますのでご安心ください。
本日は彼らと挨拶を済ませ、寮の事を覚えてください。
マネージャーの仕事は明日からみっちりお教えさせていただきます。」

「何から何までありがとうございます。
早く覚えられるよう頑張ります。」

「もし時間に余裕がありましたら、資料の続きに目を通して置いて下さい。
明日の仕事がやりやすくなるかと思いますので。」

「分かりました。」

そう俺が返事をしてすぐ車が停り、ウィンと運転席の窓が開く。

「佐々木です。」

佐々木さんが何かにそう告げると目の前にそびえていたシャッターが開く。

物々しく開いたシャッターをくぐるとすぐにシャッターが降りる音がする。

中は少し広めの駐車場になっており、そこで降りるよう促される。

「咲夜さんは車の免許、持っていますよね?」

「はい。」

「専属の運転手も居ますが、咲夜さんにもお願いする事があるかと思います。
車庫の前に車を止めると自動的に壁にあるモニターが反応しこの家のリビングにこちらの様子が映し出しれます。
モニターが反応すると同時にマイクも繋がるのでそこで名前を名乗ってください。
リビングにいる誰かが気づいて許可のボタンを押してくれるか、もしくはモニターで顔認証をすれば車庫のシャッターが開きます。
ちなみに顔認証するには車内からだと距離があるため降りなければいけません。」

「げ、厳重ですね、、」

「まぁ、トップアイドルが5人住んでいますから。
一緒に住んでいる事を公言している事もあってトラブルを回避するために厳重になっています。」

「なるほど、、」

「ちなみに咲夜さんの顔認証は済ませていますのでご安心ください。」

「え、いつの間に、」

「眼鏡をかけたままで大丈夫ですのでご安心ください。」

「ありがとうございます。」

「では、中に入りましょう。」

そう言った佐々木さんが向かう先にはドアがあり、鍵を開けて中に入る。


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