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70.喧嘩をしているのかしら
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リエリーがエイヘッドの神殿を訪れると、ヨンキントはいつもの変らない穏やかな笑みで迎えてくれた。
刺繍をいっしょにする約束をしていたが、訪れる機会がなくお誘いを先延ばしにしていた。
カーリンにもう作業場に来なくていいと言われ、ムネゴトウ家に1人残され、することもなく過ごしているうちに、ヨンキントのことを思い出して手紙を書いた。すぐに神殿から知らせが来て是非来てくださいと招いてくれた。
ムネゴトウ家の馬車を借りて、護衛とともにエイヘッド神殿を訪れていた。
刺繍をするならここが一番気分がいいと、にこにこ顔のヨンキントが座ったのは、エイヘッド神殿の入り口の間だった。
奥は祈りの間に続いている。ここは建物の上まで吹き抜けになっており、色硝子の窓から注ぐ光が、美しく床に映っている。
壁に置かれた長椅子に二人で座って刺繍を始めると、開け放たれた入り口から初夏の風が吹いて来て心地よい。時々神殿に勤める神官や、祈りに訪れる人が行きかい、挨拶の声を掛けてくれる。
始めはどうしてこんな場所でと意外だったが、不思議な安心感がある場所だった。それに、男性と二人きりにならないように、ヨンキントは配慮してくれているのだとも思った。
「リョマリョマの不織布から臭いをとる研究をしていらっしゃるとは興味深い、もっと詳しく教えてください」
ヨンキントがイルカの刺繍をつくりながら、リエリーの話に耳を傾けてくれる。
「洗剤で洗うほどに臭いは取れますが、お金と品質の問題がでてきてなかなか難しいです、でも自分で計画をたてて、一つずつ進めて結果を確かめていくのがとても楽しいのです」
ヨンキントは、楽しいのはいいことですねと微笑んだ。
「リョマリョマという動物はエイヘッドにしかいないのですか?」
「そうなんです。カーリンが教えてくれたのですが、このエイヘッドの地にもともと暮らしている『森の人』と呼ばれる原住の民族の方々が、シュロムの民にリョマリョマを数頭与えてくれたことから始まるらしいです。何百年も前のことのようですが。『森の人』はこの寒い地で冬を越す知恵を、他にもたくさん授けてくれた伝説が残っているそうです。だからエイヘッドの民は『森の人』に敬意を払っていると言っていました」
森の人と聞いて、ヨンキントは少し考えるように、刺繍の手を止めた。
「私、その『森の人』に会いましたよ」
意外な言葉に「まあ!」と声が出た。
「アツリュウ殿と赤ん坊の首を渡って、こちらに来たのですが、大森林を越える時に、道案内としてその『森の人』と一緒に歩きました。思い返してみると、彼は白い毛皮を着ていました。あれがリョマリョマの毛皮だったのでしょうか……でも、そんなに臭かったかな……近くに立つと確かに、ふわりと香るものがありましたが、獣というよりは森の匂いといいますか……あまりよく思いだせません」
「森の人とはどんな人なのですか?」
「自然と一体になっている妖精のような……不思議な少年でした。本当に自分は会ったのか、夢だったのか、どちらか迷う程です。どのくらいの人数の『森の人』がこの北の大森林に住んでいるのでしょうか。モーリヒルドやアピドで学問に励んできましたが、彼らのことを全く知りませんでした。私もまだまだ知らないことだらけですね」
ヨンキントの話を聞きながら「私も会ってみたいです」とつぶいて、そのまま返事を返さずに森の人を想像していた。
「カーリン嬢と何かあったのですか?いつも一緒なのに、今日はお一人だからどうしたのかなと」
ふいに聞かれて、驚いて顔を見上げると彼は新しい糸を針に通すところだった。
その横顔に「私、彼女を怒らせてしまいました」と小さな声で告げた。
「彼女はすぐに怒りそうですものね。それでリエリー様はどうされたの?」
「彼女にすぐに謝ったのです。そうしたら、リエリーは本気で悪いなんて思ってないよね、自分が正しいと顔に書いてある。そんな人からの謝罪はいらないってもっと怒ってしまったのです」
ふふっと彼は笑った。
「リエリー様はどうなの?彼女の言う通り、自分が正しいと思っているの?」
そう聞かれて、計画した順番通りにするのが正しいと思っていることを正直に告げた。
「順番通りが正しい……ねえ。本当にそれがリエリー様の1番言いたいことなのかな、自分の気持ちをよく思い出してみて」
自分の気持ち?カーリンに着色と言われた時、私はどんな気持ちだったかしら。
「ええと、そんなの困ると思いました。新しいことを始めたら、やりたかったことができなくなってしまうから……」
「やりたかったことってなんですか?」
「洗剤の試験です、全ての試験をしたかったの、だって結果がどうなるか知りたかったのです」
ヨンキントは優しく微笑んで、頷いた。
「リエリー様、あなたは試験結果が出るのが楽しみだったのですね。あなたの気持ちが良く分かりましたよ。例えるなら、こういうことだ。あなたは自分が作ったケーキがもうすぐ出来上がって、さあ食べようとしたときに、カーリン嬢から「こっちの方か美味しいから作り直して」と言われ、新しいケーキを作り直す、そしてまたさあ食べようとしたら……」
替わりに続きを自分で笑いながら言った。
「また新しいケーキを作ってちょうだいって言われた。ってことですね!」
ヨンキントはいたずらっぽい顔で可笑しそうに言った。
「それは怒りますよ、せっかっく作ったのだから食べさせてよって」
なんだかすごく気持ちがすっきるする答えをもらった気がした。
「あなたがカーリン嬢に伝えたいのは、『私は楽しみだったことが、できなくなってがっかりしたの、それでもあなたの言う通りに新しいことを始めたのに、またできなくなってがっかりして、それで怒ってしまったの』と伝えてみたらどうですか?あなたの素直な気持ちを伝えたら、カーリン嬢も分かってくれると思いますよ」
きっと言えそうな気がした。力強く「はい」と返事をした。
「喧嘩の仲直りができるといいですね」
彼の言葉に驚いて「私達は喧嘩しているのかしら?」と聞き返してしまった。
「喧嘩しているようにしか聞こえませんよ」
「私……怒ったり、喧嘩したりしたりするのは初めてです」
「それなら、仲直りも初めてですね、いいことです」
もう一つ初めてのことがあったと思い出し、小さな声で「神官様に罪の告白をしてもいいですか」と聞いた。
彼が「何です?」とひそひそ声で聞いて耳を寄せてきたので、耳元に口を寄せて、誰にも聞こえないように手で覆って緊張してささやいた。
「あのですね「カーリンのばか」って言いそうになったんです」
「大丈夫、絶対女神様は許します。なんなら声に出して言ってたら良かったのに」
ヨンキントは大きな声で笑うので、吹き抜けの広間にその声は良く響いた。
刺繍をいっしょにする約束をしていたが、訪れる機会がなくお誘いを先延ばしにしていた。
カーリンにもう作業場に来なくていいと言われ、ムネゴトウ家に1人残され、することもなく過ごしているうちに、ヨンキントのことを思い出して手紙を書いた。すぐに神殿から知らせが来て是非来てくださいと招いてくれた。
ムネゴトウ家の馬車を借りて、護衛とともにエイヘッド神殿を訪れていた。
刺繍をするならここが一番気分がいいと、にこにこ顔のヨンキントが座ったのは、エイヘッド神殿の入り口の間だった。
奥は祈りの間に続いている。ここは建物の上まで吹き抜けになっており、色硝子の窓から注ぐ光が、美しく床に映っている。
壁に置かれた長椅子に二人で座って刺繍を始めると、開け放たれた入り口から初夏の風が吹いて来て心地よい。時々神殿に勤める神官や、祈りに訪れる人が行きかい、挨拶の声を掛けてくれる。
始めはどうしてこんな場所でと意外だったが、不思議な安心感がある場所だった。それに、男性と二人きりにならないように、ヨンキントは配慮してくれているのだとも思った。
「リョマリョマの不織布から臭いをとる研究をしていらっしゃるとは興味深い、もっと詳しく教えてください」
ヨンキントがイルカの刺繍をつくりながら、リエリーの話に耳を傾けてくれる。
「洗剤で洗うほどに臭いは取れますが、お金と品質の問題がでてきてなかなか難しいです、でも自分で計画をたてて、一つずつ進めて結果を確かめていくのがとても楽しいのです」
ヨンキントは、楽しいのはいいことですねと微笑んだ。
「リョマリョマという動物はエイヘッドにしかいないのですか?」
「そうなんです。カーリンが教えてくれたのですが、このエイヘッドの地にもともと暮らしている『森の人』と呼ばれる原住の民族の方々が、シュロムの民にリョマリョマを数頭与えてくれたことから始まるらしいです。何百年も前のことのようですが。『森の人』はこの寒い地で冬を越す知恵を、他にもたくさん授けてくれた伝説が残っているそうです。だからエイヘッドの民は『森の人』に敬意を払っていると言っていました」
森の人と聞いて、ヨンキントは少し考えるように、刺繍の手を止めた。
「私、その『森の人』に会いましたよ」
意外な言葉に「まあ!」と声が出た。
「アツリュウ殿と赤ん坊の首を渡って、こちらに来たのですが、大森林を越える時に、道案内としてその『森の人』と一緒に歩きました。思い返してみると、彼は白い毛皮を着ていました。あれがリョマリョマの毛皮だったのでしょうか……でも、そんなに臭かったかな……近くに立つと確かに、ふわりと香るものがありましたが、獣というよりは森の匂いといいますか……あまりよく思いだせません」
「森の人とはどんな人なのですか?」
「自然と一体になっている妖精のような……不思議な少年でした。本当に自分は会ったのか、夢だったのか、どちらか迷う程です。どのくらいの人数の『森の人』がこの北の大森林に住んでいるのでしょうか。モーリヒルドやアピドで学問に励んできましたが、彼らのことを全く知りませんでした。私もまだまだ知らないことだらけですね」
ヨンキントの話を聞きながら「私も会ってみたいです」とつぶいて、そのまま返事を返さずに森の人を想像していた。
「カーリン嬢と何かあったのですか?いつも一緒なのに、今日はお一人だからどうしたのかなと」
ふいに聞かれて、驚いて顔を見上げると彼は新しい糸を針に通すところだった。
その横顔に「私、彼女を怒らせてしまいました」と小さな声で告げた。
「彼女はすぐに怒りそうですものね。それでリエリー様はどうされたの?」
「彼女にすぐに謝ったのです。そうしたら、リエリーは本気で悪いなんて思ってないよね、自分が正しいと顔に書いてある。そんな人からの謝罪はいらないってもっと怒ってしまったのです」
ふふっと彼は笑った。
「リエリー様はどうなの?彼女の言う通り、自分が正しいと思っているの?」
そう聞かれて、計画した順番通りにするのが正しいと思っていることを正直に告げた。
「順番通りが正しい……ねえ。本当にそれがリエリー様の1番言いたいことなのかな、自分の気持ちをよく思い出してみて」
自分の気持ち?カーリンに着色と言われた時、私はどんな気持ちだったかしら。
「ええと、そんなの困ると思いました。新しいことを始めたら、やりたかったことができなくなってしまうから……」
「やりたかったことってなんですか?」
「洗剤の試験です、全ての試験をしたかったの、だって結果がどうなるか知りたかったのです」
ヨンキントは優しく微笑んで、頷いた。
「リエリー様、あなたは試験結果が出るのが楽しみだったのですね。あなたの気持ちが良く分かりましたよ。例えるなら、こういうことだ。あなたは自分が作ったケーキがもうすぐ出来上がって、さあ食べようとしたときに、カーリン嬢から「こっちの方か美味しいから作り直して」と言われ、新しいケーキを作り直す、そしてまたさあ食べようとしたら……」
替わりに続きを自分で笑いながら言った。
「また新しいケーキを作ってちょうだいって言われた。ってことですね!」
ヨンキントはいたずらっぽい顔で可笑しそうに言った。
「それは怒りますよ、せっかっく作ったのだから食べさせてよって」
なんだかすごく気持ちがすっきるする答えをもらった気がした。
「あなたがカーリン嬢に伝えたいのは、『私は楽しみだったことが、できなくなってがっかりしたの、それでもあなたの言う通りに新しいことを始めたのに、またできなくなってがっかりして、それで怒ってしまったの』と伝えてみたらどうですか?あなたの素直な気持ちを伝えたら、カーリン嬢も分かってくれると思いますよ」
きっと言えそうな気がした。力強く「はい」と返事をした。
「喧嘩の仲直りができるといいですね」
彼の言葉に驚いて「私達は喧嘩しているのかしら?」と聞き返してしまった。
「喧嘩しているようにしか聞こえませんよ」
「私……怒ったり、喧嘩したりしたりするのは初めてです」
「それなら、仲直りも初めてですね、いいことです」
もう一つ初めてのことがあったと思い出し、小さな声で「神官様に罪の告白をしてもいいですか」と聞いた。
彼が「何です?」とひそひそ声で聞いて耳を寄せてきたので、耳元に口を寄せて、誰にも聞こえないように手で覆って緊張してささやいた。
「あのですね「カーリンのばか」って言いそうになったんです」
「大丈夫、絶対女神様は許します。なんなら声に出して言ってたら良かったのに」
ヨンキントは大きな声で笑うので、吹き抜けの広間にその声は良く響いた。
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