435 / 687
第十二章 帝都ルベニア
雨を降らすゾウの真実
しおりを挟む
『グラムがいるってことは、キミ、勇者クン?』
「そ、そうだけど」
『そうなんだー。あ、ボクはね、イビーって言うの。よろしくー』
「よ、よろしく。暁斗です」
周囲の反応など何も気にせず、イビーと名乗ったゾウはマイペースだ。
ペースに巻き込まれて名乗ってしまった。「そっかぁ、アキトかぁ」とつぶやいているゾウを見て、次いで手に持つ聖剣を見る。
先ほどの怒号は、間違いなく聖剣グラムの声だった。
いつもは頭に響いてくる声が、あの時は耳から聞こえた。
「しゃべれるんだ」
初めて知ったその事実に驚いて声に出てしまったが、聖剣は何も言わない。
何となく不機嫌な様子だけが伝わってくる。
『それで、どうしてこんなところにいるのー?』
小さい男の子のような可愛らしい声と相まって、無邪気に聞こえる質問に暁斗は口ごもった。
伝わってくる聖剣の不機嫌さが、増した気がする。
「あの、雨が降らないって話があって、それで頼まれて」
言ったのはリィカだった。
イビーと名乗ったゾウの、キョトンとした目が可愛い。
「いつもは、夏の初めに降るのに降らないからって話があったんです。それで……」
『今っていつ?』
説明しかけたリィカの言葉は、イビーに遮られた。
可愛い目の中に、焦りが見える。
「秋になりました」
『うわーん、やっちゃったー! グラム、もっと早く起こしに来てよー!』
叫ばれてリィカは戸惑い、暁斗は『やはりこいつ殺せ』と言う聖剣の言葉に、頬がひくついた。
※ ※ ※
とりあえず、その場の全員が自己紹介を行い、イビーを中心に座る。
そして、事情説明という名の言い訳を聞くことになった。
『魔王が誕生したとき、魔物がボクのところにいっぱい出たんだよー。それで魔力をぶっ放して結界張って寝たんだけど、魔力使い過ぎて寝過ごしちゃったんだー。ごめんねー』
言い訳、以上。
一応、謝罪の言葉を口にはしているが、ものすごく軽い。
本当に悪いと思っているのかと言いたくなる。
「すまない。一ついいか」
『なーにー?』
アレクが聞くと、やたら間延びした返事で促された。
ペースが狂う、と思いながらも質問した。
「魔王が誕生したのは冬の終わりだ。夏が始まるまでに三ヶ月はあったはずだが、それで寝過ごしたのいうのは……」
『いっつもボク五ヶ月寝てるんだよ!? それなのに、たった三ヶ月で起きろっていうの!?』
いや起きろよ、というか三ヶ月がたったなのか。
というツッコミは、呆れが先に来てしまって言葉にならない。
代わりに、ユーリがツッコんだ。
「そもそも、すでに夏も終わって秋ですよ。つまりはもう六ヶ月経ってるわけですが……」
『しょうがないでしょ! ボク、疲れてたんだから!』
イビーにプンスカ怒って言い返され、ユーリはゲンナリする。
思っていた以上に、事情がくだらない。
「つまり、聖剣との約束というのは、寝過ごしてたら起こして、みたいな感じですか?」
『うん、そうだよー』
できれば否定して欲しいと思いながら聞いてみれば、あっさり肯定された。
『でもグラムは剣だから、一人じゃ動けないの。だからしょうがないから、グラムが動けるときだけで良いよって言ってあげたの。ボク偉いでしょ』
「…………」
聖剣がゾウの話になると不機嫌になる、という理由が良く分かった気がする。
偉いでしょ、と言う前に寝過ごさない努力が必要ではないのだろうか。
周囲から白眼視されていることに全く気付かず、イビーは調子よく話し続ける。
『ボク、この世界に来る前も雨を降らすお仕事してたんだけど、面倒くさいんだー。サボると怒られるし。違う世界に召喚されれば、ボクを怒るうるさいヤツいなくなるなぁって思って』
近年ではすっかり忘れられた事実だが、召喚の魔方陣は召喚するときに相手に求める役割を告げることができる。
納得してもらった上で、召喚することが可能なのだ。
イビーもそうして納得して召喚されたのだろうが、その理由が不純すぎる。
サボったら怒られるのは当たり前だろう。
全員がそう思っている中、当人(ゾウ?)は気にする事なく、続きを語る。
『この砂漠はさー、死の砂漠って言われてて、全く雨降らなくて生き物生きてけなくて、でもそこで生きていけるようにしてくれって言われたんだー。でも、そんな場所に雨降らすの大変でしょ? だから、半年のうち一ヶ月だけ雨を降らしてあげるって言ったの』
そうしているうちに気温が下がり、オアシスができて、そこには緑が生い茂るようになって、人が住めるようになった。
イビーもその一ヶ月だけ働いて、後は寝ていられる夢の生活を送れるようになった。
『一ヶ月ずっと雨降らせる必要もないから、適当に力ぬくけどねー。最初に雲作っちゃえば、後しばらくは降っててくれるし』
五ヶ月も休むんだから、一ヶ月くらい真面目に働けよ、という無言のツッコミが、イビー以外の全員の内心でされる。
『でもさぁ、雨降らす以外で力使っちゃうと、疲れるんだー。最初にグラムに会った時は、二年くらい寝ちゃってたんだー。それで、人が離れちゃってたみたいでー』
「二年……」
我慢できずリィカがつぶやいた。
何があって二年も寝たのか。というか、そもそもよく二年も寝続けられるものだ。
『別に誰も住んでなくてもいいんだけどー。でも、召喚されたときに半年に一回雨降らす契約してるから、破るのはあんまり良くないんだよー。それなのに、グラムってば来るの遅いんだからー』
まるで聖剣の責任のように言っているが、悪いのはイビーである。
破るのが良くないと分かっているのなら、破らないようにすればいいだけである。
「あの……、わたしが魔力を流したら目を覚ましたのは?」
『キミが魔力くれたんだー。ありがとー』
「は、はい。どういたしまして?」
お礼を言われたのはいいのだが、リィカの質問の答えにはまったくなっていない。
『結界って魔力いっぱい使うからー。なかなか魔力が回復しないんだよねー』
「……なかなか回復しないのに、結界張りっぱなしですか?」
結界とは、あの虹色に輝いていたもののことのはず。
リィカからすれば、本当にどうしようもない場合でもなければ、魔力が回復しない事態に陥ることは絶対に避けたい。
自分たちがここに来た時、魔物がいたわけでも何でもないのだから、結界を張ったままにする必要などなかったはずなのだ。
『そうだよー? だって寝るの邪魔されたくないでしょー?』
「……結界張らないで魔力が早く回復したら、もっと早く目を覚ますんじゃないんですか?」
『別にいいよー。だって寝てたいし』
「………………」
そろそろツッコむのも疲れてきた。
魔力をさっさと回復させれば、契約を破ることもなくなるのではないだろうか。わざわざ起こしてもらう必要だってないはずだ。
「こういうヤツなんだって言ってる。どうやったらより多く寝られるかを最優先で考えるんだって」
「駄目だろう、それは」
暁斗の言葉にアレクが思わず返すが、暁斗も聖剣の言葉を代弁しただけである。
そして一番問題がある者が、全く何も気にしていないのが一番問題だ。
『でもー、さすがにこのまま冬まで何もしないのは問題だからー。今からちょっとだけ雨降らせるねー』
今までのやり取りがやり取りだったので、イビーが自分から動いたのは驚いた。
一応、申し訳なく思う気持ちはあったのか。
四本の足を大きく広げるように立ち、集中するように目を瞑る。まず長い鼻が光り、それが体全体に行き渡り、虹色の輝きを放った。
「パオオオォォォォォォォォォン!!」
大きく、遠くまで行き渡るような鳴き声が響く。
そして、それからそう時間をおかず、空に雲が湧き出て雨が降り出した。
(すごい……!)
リィカは素直にそう思う。
先ほどまでの残念な感じはまるでない。雨を降らせる、神々しいまでの姿だ。
『これでいいよー。一週間から十日くらいは雨が降ると思う。あとは冬にねー』
一度神々しさを見てしまうと、この間延びした話し方も、特別のように感じてしまえるのが不思議だった。
『じゃあもう帰ってねー。ボク寝るから』
「ちょっと待って」
感じた神々しさは、一瞬で消え去った。
気付けばリィカは口を挟んでいた。
『なにー? 早く寝たいんだけどー』
「また寝るんですか? 起きてた方がいいと思うんですけど。また起き損ねたらどうするんですか?」
『だいじょうぶー。ちゃんと起きるよー。じゃあねー』
それだけ言って、体を横倒しにしてしまった。
スピー、スピー……
あっという間に聞こえた寝息に、呆然とする。
「……どうしよう」
「……どうしようか」
リィカの困ったつぶやきに、アレクも同じようにつぶやき返す。
何か聖剣が言わないかと思えば、暁斗も困った顔をしていた。
「……聖剣は、これで約束は果たしたから、後は知らないって」
それでは、ますますどうしていいか分からない。
これで問題は解決したと言っていいのだろうか。
皆が困惑する中、トラヴィスが口を開いた。
「皆様方、ありがとうございます。これまできちんと雨季はあったのですから問題ありません。大丈夫です。ご尽力に感謝いたします」
丁寧に礼を取るトラヴィスに、自然とリィカたちの顔がほころぶ。
絶対に大丈夫だという自信が、本当にあるのかは分からない。
それでも、イビーの恩恵を受けてこれまで生活してきたトラヴィスは、何か感じるものがあるのかもしれない。
一行は、帝都ルベニアへ帰ることにしたのだった。
ちなみに帰りは大変だった。
雨の降る砂漠は、それまでとまるで違う世界だった。
来るときは道なき道をまっすぐ来た一行だったが、トラヴィスの案内で近くの街まで行き、そこから正規の道を通っていったのだった。
「そ、そうだけど」
『そうなんだー。あ、ボクはね、イビーって言うの。よろしくー』
「よ、よろしく。暁斗です」
周囲の反応など何も気にせず、イビーと名乗ったゾウはマイペースだ。
ペースに巻き込まれて名乗ってしまった。「そっかぁ、アキトかぁ」とつぶやいているゾウを見て、次いで手に持つ聖剣を見る。
先ほどの怒号は、間違いなく聖剣グラムの声だった。
いつもは頭に響いてくる声が、あの時は耳から聞こえた。
「しゃべれるんだ」
初めて知ったその事実に驚いて声に出てしまったが、聖剣は何も言わない。
何となく不機嫌な様子だけが伝わってくる。
『それで、どうしてこんなところにいるのー?』
小さい男の子のような可愛らしい声と相まって、無邪気に聞こえる質問に暁斗は口ごもった。
伝わってくる聖剣の不機嫌さが、増した気がする。
「あの、雨が降らないって話があって、それで頼まれて」
言ったのはリィカだった。
イビーと名乗ったゾウの、キョトンとした目が可愛い。
「いつもは、夏の初めに降るのに降らないからって話があったんです。それで……」
『今っていつ?』
説明しかけたリィカの言葉は、イビーに遮られた。
可愛い目の中に、焦りが見える。
「秋になりました」
『うわーん、やっちゃったー! グラム、もっと早く起こしに来てよー!』
叫ばれてリィカは戸惑い、暁斗は『やはりこいつ殺せ』と言う聖剣の言葉に、頬がひくついた。
※ ※ ※
とりあえず、その場の全員が自己紹介を行い、イビーを中心に座る。
そして、事情説明という名の言い訳を聞くことになった。
『魔王が誕生したとき、魔物がボクのところにいっぱい出たんだよー。それで魔力をぶっ放して結界張って寝たんだけど、魔力使い過ぎて寝過ごしちゃったんだー。ごめんねー』
言い訳、以上。
一応、謝罪の言葉を口にはしているが、ものすごく軽い。
本当に悪いと思っているのかと言いたくなる。
「すまない。一ついいか」
『なーにー?』
アレクが聞くと、やたら間延びした返事で促された。
ペースが狂う、と思いながらも質問した。
「魔王が誕生したのは冬の終わりだ。夏が始まるまでに三ヶ月はあったはずだが、それで寝過ごしたのいうのは……」
『いっつもボク五ヶ月寝てるんだよ!? それなのに、たった三ヶ月で起きろっていうの!?』
いや起きろよ、というか三ヶ月がたったなのか。
というツッコミは、呆れが先に来てしまって言葉にならない。
代わりに、ユーリがツッコんだ。
「そもそも、すでに夏も終わって秋ですよ。つまりはもう六ヶ月経ってるわけですが……」
『しょうがないでしょ! ボク、疲れてたんだから!』
イビーにプンスカ怒って言い返され、ユーリはゲンナリする。
思っていた以上に、事情がくだらない。
「つまり、聖剣との約束というのは、寝過ごしてたら起こして、みたいな感じですか?」
『うん、そうだよー』
できれば否定して欲しいと思いながら聞いてみれば、あっさり肯定された。
『でもグラムは剣だから、一人じゃ動けないの。だからしょうがないから、グラムが動けるときだけで良いよって言ってあげたの。ボク偉いでしょ』
「…………」
聖剣がゾウの話になると不機嫌になる、という理由が良く分かった気がする。
偉いでしょ、と言う前に寝過ごさない努力が必要ではないのだろうか。
周囲から白眼視されていることに全く気付かず、イビーは調子よく話し続ける。
『ボク、この世界に来る前も雨を降らすお仕事してたんだけど、面倒くさいんだー。サボると怒られるし。違う世界に召喚されれば、ボクを怒るうるさいヤツいなくなるなぁって思って』
近年ではすっかり忘れられた事実だが、召喚の魔方陣は召喚するときに相手に求める役割を告げることができる。
納得してもらった上で、召喚することが可能なのだ。
イビーもそうして納得して召喚されたのだろうが、その理由が不純すぎる。
サボったら怒られるのは当たり前だろう。
全員がそう思っている中、当人(ゾウ?)は気にする事なく、続きを語る。
『この砂漠はさー、死の砂漠って言われてて、全く雨降らなくて生き物生きてけなくて、でもそこで生きていけるようにしてくれって言われたんだー。でも、そんな場所に雨降らすの大変でしょ? だから、半年のうち一ヶ月だけ雨を降らしてあげるって言ったの』
そうしているうちに気温が下がり、オアシスができて、そこには緑が生い茂るようになって、人が住めるようになった。
イビーもその一ヶ月だけ働いて、後は寝ていられる夢の生活を送れるようになった。
『一ヶ月ずっと雨降らせる必要もないから、適当に力ぬくけどねー。最初に雲作っちゃえば、後しばらくは降っててくれるし』
五ヶ月も休むんだから、一ヶ月くらい真面目に働けよ、という無言のツッコミが、イビー以外の全員の内心でされる。
『でもさぁ、雨降らす以外で力使っちゃうと、疲れるんだー。最初にグラムに会った時は、二年くらい寝ちゃってたんだー。それで、人が離れちゃってたみたいでー』
「二年……」
我慢できずリィカがつぶやいた。
何があって二年も寝たのか。というか、そもそもよく二年も寝続けられるものだ。
『別に誰も住んでなくてもいいんだけどー。でも、召喚されたときに半年に一回雨降らす契約してるから、破るのはあんまり良くないんだよー。それなのに、グラムってば来るの遅いんだからー』
まるで聖剣の責任のように言っているが、悪いのはイビーである。
破るのが良くないと分かっているのなら、破らないようにすればいいだけである。
「あの……、わたしが魔力を流したら目を覚ましたのは?」
『キミが魔力くれたんだー。ありがとー』
「は、はい。どういたしまして?」
お礼を言われたのはいいのだが、リィカの質問の答えにはまったくなっていない。
『結界って魔力いっぱい使うからー。なかなか魔力が回復しないんだよねー』
「……なかなか回復しないのに、結界張りっぱなしですか?」
結界とは、あの虹色に輝いていたもののことのはず。
リィカからすれば、本当にどうしようもない場合でもなければ、魔力が回復しない事態に陥ることは絶対に避けたい。
自分たちがここに来た時、魔物がいたわけでも何でもないのだから、結界を張ったままにする必要などなかったはずなのだ。
『そうだよー? だって寝るの邪魔されたくないでしょー?』
「……結界張らないで魔力が早く回復したら、もっと早く目を覚ますんじゃないんですか?」
『別にいいよー。だって寝てたいし』
「………………」
そろそろツッコむのも疲れてきた。
魔力をさっさと回復させれば、契約を破ることもなくなるのではないだろうか。わざわざ起こしてもらう必要だってないはずだ。
「こういうヤツなんだって言ってる。どうやったらより多く寝られるかを最優先で考えるんだって」
「駄目だろう、それは」
暁斗の言葉にアレクが思わず返すが、暁斗も聖剣の言葉を代弁しただけである。
そして一番問題がある者が、全く何も気にしていないのが一番問題だ。
『でもー、さすがにこのまま冬まで何もしないのは問題だからー。今からちょっとだけ雨降らせるねー』
今までのやり取りがやり取りだったので、イビーが自分から動いたのは驚いた。
一応、申し訳なく思う気持ちはあったのか。
四本の足を大きく広げるように立ち、集中するように目を瞑る。まず長い鼻が光り、それが体全体に行き渡り、虹色の輝きを放った。
「パオオオォォォォォォォォォン!!」
大きく、遠くまで行き渡るような鳴き声が響く。
そして、それからそう時間をおかず、空に雲が湧き出て雨が降り出した。
(すごい……!)
リィカは素直にそう思う。
先ほどまでの残念な感じはまるでない。雨を降らせる、神々しいまでの姿だ。
『これでいいよー。一週間から十日くらいは雨が降ると思う。あとは冬にねー』
一度神々しさを見てしまうと、この間延びした話し方も、特別のように感じてしまえるのが不思議だった。
『じゃあもう帰ってねー。ボク寝るから』
「ちょっと待って」
感じた神々しさは、一瞬で消え去った。
気付けばリィカは口を挟んでいた。
『なにー? 早く寝たいんだけどー』
「また寝るんですか? 起きてた方がいいと思うんですけど。また起き損ねたらどうするんですか?」
『だいじょうぶー。ちゃんと起きるよー。じゃあねー』
それだけ言って、体を横倒しにしてしまった。
スピー、スピー……
あっという間に聞こえた寝息に、呆然とする。
「……どうしよう」
「……どうしようか」
リィカの困ったつぶやきに、アレクも同じようにつぶやき返す。
何か聖剣が言わないかと思えば、暁斗も困った顔をしていた。
「……聖剣は、これで約束は果たしたから、後は知らないって」
それでは、ますますどうしていいか分からない。
これで問題は解決したと言っていいのだろうか。
皆が困惑する中、トラヴィスが口を開いた。
「皆様方、ありがとうございます。これまできちんと雨季はあったのですから問題ありません。大丈夫です。ご尽力に感謝いたします」
丁寧に礼を取るトラヴィスに、自然とリィカたちの顔がほころぶ。
絶対に大丈夫だという自信が、本当にあるのかは分からない。
それでも、イビーの恩恵を受けてこれまで生活してきたトラヴィスは、何か感じるものがあるのかもしれない。
一行は、帝都ルベニアへ帰ることにしたのだった。
ちなみに帰りは大変だった。
雨の降る砂漠は、それまでとまるで違う世界だった。
来るときは道なき道をまっすぐ来た一行だったが、トラヴィスの案内で近くの街まで行き、そこから正規の道を通っていったのだった。
10
あなたにおすすめの小説
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】
普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます)
【まじめなあらすじ】
主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、
「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。
魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、
「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」
「「「違う、そうじゃない!!」」」
これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。
※他サイトにも投稿中
※旧タイトル
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”
どたぬき
ファンタジー
ある日乗っていた飛行機が事故にあり、死んだはずの井原は名もない世界に神によって召喚された。現代を生きていた井原は、そこで神に”ダンジョンマスター”になって欲しいと懇願された。自身も建物を建てたい思いもあり、二つ返事で頷いた…。そんなダンジョンマスターの”はじまお”本編とは全くテイストの違う”普通のダンジョンマスター物”です。タグは書いていくうちに足していきます。
なろうさんに、これの本編である”はじまりのまおう”があります。そちらも一緒にご覧ください。こちらもあちらも、一日一話を目標に書いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる