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国王の魔術師 後編
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「拝承致しました皇帝陛下」
帝国騎士らしき男が虚ろな目の男からの命を受けて、一礼をする
「もう少し、前」
豪華絢爛な服を着た男
恐らく彼が皇帝であろうことが分かる
皇帝はまるで泥人形のようにねっとりと口を開いた
「勇者が、生まれた。殺せ・・・。我が覇道、妨げとなる者、殺せ」
明らかに様子がおかしい皇帝
だが誰もその皇帝に違和感すら感じていない
命を受けたのは騎士隊長の一人
騎士隊長は見たところ十人ほどいるようだ
お辞儀をした隊長はすぐにでも皇帝の願いを叶えようと、意気揚々と去って行った
「期間は三年前・・・。そんなに前から狙われていた?」
皇帝の命令によって勇者殺害計画が進行していたことが分かった
次は帝国騎士たちが今何をしているかだ
ヴァレスクにかかればその程度朝飯前
目を閉じると現在の騎士隊長の様子がうかがえた
「ああ、またあの猫ちゃんに肉球でパンチされたい」
「私もです隊長」
どうやら不思議な猫に魅了されたままのようだ
周囲の状況から居場所も割れる
村から南に50キロほど離れた国境近くにテントを張っているようだ
この辺りには危険な魔物も多く、王国の人間ならめったに近づかない場所だが、今帝国騎士たちがいる高台は、周辺に住む魔物では上がることができないため、安全なようだ
帝国騎士たちは一様に幸せそうな顔を浮かべている
そこに突如現れるヴァレスク
「な、なんだ!?」
当然のことながら驚く騎士たち
しかし猫に骨抜きにされていたため攻撃態勢を取ることもなく、ただ驚いているだけだった
「あなた達を拘束、させてもらいます」
ヴァレスクは一瞬で魔法の鎖を使って帝国騎士全員を拘束
そのまま転移で王都、王宮の牢獄へと連れ去った
ヴァレスクによって拘束された帝国騎士たちは、いまだ魅了状態から回復しておらず、幸せそうな顔のまま、聞かれたことに素直に答えている
そこから分かったことは、何者かは分からないが、皇帝のそばにいつの間にか魔術師らしき男が現れていたことが分かった
どういうわけか帝国騎士たちはあっさりとその男のことを受け入れていた
まるで催眠術にでもかかっているかのようだ
「おかしいです王様、彼らは催眠によって違和感を違和感として感じないようにされています。ただ、催眠魔法の達人でも、帝国からここまではなれての継続はできません、彼らへの催眠による洗脳はとっくに解けていてもおかしくないのです」
王の前だと流暢に話せるヴァレスクは、彼らにかけられた催眠の恐ろしさを語る
「私がヴィジョンで見た皇帝も、目が虚ろで明らかに様子が変でした」
「ふむ、何者かに帝国が操られている、ということだな?」
「はい、しかしここまでの規模、継続期間の催眠魔法など、私は聞いたことがありません」
ヴァレスクはこの世界のほとんどの魔法、魔術に通じている
魔人という魔法に優れた人種であるため、それらの行使もできる
しかし彼女からしても異様な魔法が、帝国全体に蔓延しているようなのだ
「ヴァレスク、お前でも分からないことがあるのか・・・」
「はい、それと件の猫ですが」
「何か分かったのか?」
「はい、とても重要なことが」
「ふむ」
「とても、可愛いです」
「う、うむ、それ以外は?」
「不思議な力を使っていましたが、悪意などは一切感じず、子供達を守ろうと必死になっているように見えました」
「ならば、味方と考えてよさそうか?」
「断定はできませんが、勇者の少女に任せておけばよいかと」
「あいわかった。引き続き彼らから情報を引き出してくれ」
「はい!」
ヴァレスクはフンスと鼻息を吐くと彼らに再び質問を始めた
帝国騎士らしき男が虚ろな目の男からの命を受けて、一礼をする
「もう少し、前」
豪華絢爛な服を着た男
恐らく彼が皇帝であろうことが分かる
皇帝はまるで泥人形のようにねっとりと口を開いた
「勇者が、生まれた。殺せ・・・。我が覇道、妨げとなる者、殺せ」
明らかに様子がおかしい皇帝
だが誰もその皇帝に違和感すら感じていない
命を受けたのは騎士隊長の一人
騎士隊長は見たところ十人ほどいるようだ
お辞儀をした隊長はすぐにでも皇帝の願いを叶えようと、意気揚々と去って行った
「期間は三年前・・・。そんなに前から狙われていた?」
皇帝の命令によって勇者殺害計画が進行していたことが分かった
次は帝国騎士たちが今何をしているかだ
ヴァレスクにかかればその程度朝飯前
目を閉じると現在の騎士隊長の様子がうかがえた
「ああ、またあの猫ちゃんに肉球でパンチされたい」
「私もです隊長」
どうやら不思議な猫に魅了されたままのようだ
周囲の状況から居場所も割れる
村から南に50キロほど離れた国境近くにテントを張っているようだ
この辺りには危険な魔物も多く、王国の人間ならめったに近づかない場所だが、今帝国騎士たちがいる高台は、周辺に住む魔物では上がることができないため、安全なようだ
帝国騎士たちは一様に幸せそうな顔を浮かべている
そこに突如現れるヴァレスク
「な、なんだ!?」
当然のことながら驚く騎士たち
しかし猫に骨抜きにされていたため攻撃態勢を取ることもなく、ただ驚いているだけだった
「あなた達を拘束、させてもらいます」
ヴァレスクは一瞬で魔法の鎖を使って帝国騎士全員を拘束
そのまま転移で王都、王宮の牢獄へと連れ去った
ヴァレスクによって拘束された帝国騎士たちは、いまだ魅了状態から回復しておらず、幸せそうな顔のまま、聞かれたことに素直に答えている
そこから分かったことは、何者かは分からないが、皇帝のそばにいつの間にか魔術師らしき男が現れていたことが分かった
どういうわけか帝国騎士たちはあっさりとその男のことを受け入れていた
まるで催眠術にでもかかっているかのようだ
「おかしいです王様、彼らは催眠によって違和感を違和感として感じないようにされています。ただ、催眠魔法の達人でも、帝国からここまではなれての継続はできません、彼らへの催眠による洗脳はとっくに解けていてもおかしくないのです」
王の前だと流暢に話せるヴァレスクは、彼らにかけられた催眠の恐ろしさを語る
「私がヴィジョンで見た皇帝も、目が虚ろで明らかに様子が変でした」
「ふむ、何者かに帝国が操られている、ということだな?」
「はい、しかしここまでの規模、継続期間の催眠魔法など、私は聞いたことがありません」
ヴァレスクはこの世界のほとんどの魔法、魔術に通じている
魔人という魔法に優れた人種であるため、それらの行使もできる
しかし彼女からしても異様な魔法が、帝国全体に蔓延しているようなのだ
「ヴァレスク、お前でも分からないことがあるのか・・・」
「はい、それと件の猫ですが」
「何か分かったのか?」
「はい、とても重要なことが」
「ふむ」
「とても、可愛いです」
「う、うむ、それ以外は?」
「不思議な力を使っていましたが、悪意などは一切感じず、子供達を守ろうと必死になっているように見えました」
「ならば、味方と考えてよさそうか?」
「断定はできませんが、勇者の少女に任せておけばよいかと」
「あいわかった。引き続き彼らから情報を引き出してくれ」
「はい!」
ヴァレスクはフンスと鼻息を吐くと彼らに再び質問を始めた
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