猫になったから気ままに暮らしたい

カオリグサ

文字の大きさ
144 / 487

勇者6

しおりを挟む
 アラマキが天炎の魔王を撃破していた時を同じくして、遠く離れたブランジュ皇国から双子の少女が旅立った
 光の勇者ミミ・ピピリ、闇の勇者ニニ・ピピリ
 魔人とエルフのハーフである二人はとても仲が良く、フィオナ達より幼いながらも実力は十分だ
 一人が一国の戦力に相当するため未だ不明な現魔王を倒すのは彼女たちではないかと期待されている
「姉様、最近かつての魔王が復活していると聞きます」
「そうねニニ、ならばそれを撃ち滅ぼすのが私達の役目。ねぇニニ、人を守るのは勇者の務め。私達で頑張って魔王たちを倒しきっちゃいましょう」
「はい姉様」
 二人は姉妹だが、はたから見ると恋人同士のようにくっつきあっている
 白髪碧眼のミミ、黒髪赤眼のニニ
 お互い全く同じ顔立ちで髪型、服装に至るまで同じで、その色だけが違う
 二人は仲良く手をつなぎ、宙を舞った
「そう言えば異世界人が誘拐されているという噂を聞きました。姉様、どうします?」
「それは大変ね。異世界から来たとは言え彼らも私達が守るべき無辜の民。まずはそっちを救いましょうか」
「そうしましょう姉様」
 二人は向かっていた隣国とは全く方向が逆の帝国へと進路を変えると、そちらに向かって光の速さで飛び去って行った
 
 数分後、二人の勇者は帝国に降り立っていた
「ここに異世界人が攫われてると異世界人同盟の情報にありました。早速救い出しましょう。情報によると帝国は既に何者かの支配下にあるそうです。民も全てが・・・」
「そう・・・。痛ましいことが起きているのなら私達が救わなくちゃ」
 二人は今まで一度も負けたことがないそれ故の自負として、帝国で最強と名高い帝国十二覇人が相手だろうと勝てるとふんでいた
「ほら、早速来ましたよニニ」
「はい姉様」
 向かってきたのは帝国十二覇人が一人、魔盾のアインツェル
 鷲の獣人族にして帝国最高の盾だった男だ
「すごい威圧です姉様」
「ええ、あれが帝国の盾、アインツェル」
 アインツェルは虚ろな目のまま数百枚もの魔法の盾を展開する
 その名の通り彼の力は盾
 脳の改造を受ける前からどんな攻撃をも防いできた世界でも最高峰の盾を張る男だ
 だが
「ランス」
 ただ光で出来た槍を投げつけただけ
 たったそれだけでアインツェルの盾は全てが破壊された
 破壊された直後も次々と盾を展開していくが、破壊される速度の方が圧倒的に早く、その光の槍は自在に動いてアインツェルの頭を貫いた
「可哀そうに、操られているのか、洗脳されているのか、それは分かりませんが、あなたが救われることを祈ります」
 頭に突き刺さった光の槍が輝き、アインツェルを包み込む
「ぐ、ぐっがあああああ!!」
 光が消え、そこには正気に戻ったアインツェルがいた
「俺は、なぜこのようなところに? そうだ! 帝国が・・・。ああ、ああああ!! あれは、我が帝国が・・・。俺は、守れなかったのか?」
「落ち着いてくださいアインツェルさん。私達は帝国を救うために来ました。光と闇の勇者、ニニミミです」
「勇者が・・・。ありがたい。幼い君たちに頼むべくではないのは分かっているが、俺では力及ばず。すまない、すまない。帝国を、救ってくれ」
「もちろんです。あなたはバララスラへ。あそこには元帝国十二覇人の方が匿われていると聞きました」
「分かった。君たちも危なくなったら逃げてくれ。俺はこの事を世界に発信し、協力を仰いて援軍を連れて来ることを約束しよう」
「いいえ、その必要はないでしょう。私の闇の目がすでに援軍を見つめています。帝国を支配した何者かは、私達より恐ろしい者を敵に回したようですから」
 アインツェルは驚愕したが、自分の役不足感を実感し、頭を下げて飛び去った
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

異世界異話 天使降臨

yahimoti
ファンタジー
空から天使が降って来た。 落ちたんだよ。転生かと思ったらいきなりゲームの世界「ロストヒストリーワールド」の設定をもとにしたような剣と魔法の世界にね。 それも面白がってちょっとだけ設定してみたキャラメイクのせいで天使族って。こんなのどうすんの?なんの目的もなければ何をしていいかわからないまま、巻き込まれるままにストーリーは進んでいく。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

処理中です...